城南コベッツ馬込沢駅前教室

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馬込沢駅前教室のメッセージ

受験突破の学習法に 過去問のみを使うのは失敗のもと

2023.08.01

過去問はやったほうがいい。

これは誰もが同意してくれることでしょう。

しかし、やり方を間違えると結果は出ません。


それどころか、過去問をやったほうがいい、過去問はやらないとダメ、過去問を何回も解いて・・・という呪縛にとらわれて、過去問をやっている今、過去問を解いた感、そういうものに満足してしまいがちです。

結論から言って、「過去問のみを使うのは失敗のもと」です。

過去問、大学入試における赤本、青本、黒本色々あります。公立高校入試の過去問もあります。私立高校の過去問もあります。
中学受験の過去問もあります。

過去問は学習のOne Item だと捉えておくのが吉です。


過去問を何故学習するのか?

・傾向を知るため
・時間配分を知るため
・自分の弱点を知り、強化するため
・純然たる演習として

全部正解ですし、その問題に取り組むこと自体、何も間違っていません。


ではここで 事例を紹介します。
      ~~~~~~~~~~~~



これは私が他教室に勤務していたときの話です。


Yさんは高校受験の前に志望校について悩んでいました。塾には小学校から通ってくれて、保護者様とはとても良好な関係で小学校の低学年から高校受験が終わるまでのお付き合いでしたので、なんだかんだ・・・6年ぐらいでした。

とても丁寧な字を書き、ノートはいつもきれいにまとまっていました。
小学校のときは、いつも高得点で安心してみていられました。中学に入っても大崩れはなかったものの、

中2ぐらいから、少し内容が難しくなってからは、学習量を増やしたりして調整しながら、尚且つYさん自身の性格を鑑みて、地道にコツコツと日々の学習を積みあげていきました。

中3になって、志望校は・・という段になって、けっこう悩んでましたね。
夏前ぐらいにはある程度固まり、「専松に行きたい」ということになりました。

正直、私は意外でした。

専修大学松戸高等学校、、、、通称「専松」この学校の偏差値は、62~72あります。
保護者様とYさんとの三者面談のときには、

「高校に入って苦労するよりも、少しランクを下げたところに入って余裕で学校生活を過ごしていきたい(過ごさせていきたい)」という意見が保護者様、Yさんともにあったからです。

Yさんの性格は、ふんわりした性格です。

定期テストでは、7~8割ぐらいはだいたい取れていて、提出物などはいつも完璧でしたので、内申点は良かったです。

でも・・・ 


「専松ですか!?」


私は、根が正直なので、驚いたことを隠せなかったです。

そこから資料を引っ張りだして、私立の情報を一緒に確認しながら、いかに専松に合格することが、簡単ではない!ということを説明しました。


でもYさん、一度言い始めると、ふんわりした性格のわりに、けっこう頑固です。

「ちょっと厳しいかもしれないですよ・・・」と。


「専松はですね、公立高校で言うと例えば県船とか薬園台などを受験する生徒さんたちが併願として、一般受験で受けるような学校です。もちろん併願的ではなく、専松に行きたいから専松に受かるための学習をする!という生徒さんも多いです」


データをもとに色々お話しましたが、Yさんの意思は変わらない様子でした。

さて、ここからです。


夏前でしたので、カリキュラムを作り直して、ではこんな計画を!と提示していきました。
完全なる私立受験向けの計画です。

心の中では

(今から専松か・・・すっごくキツイな・・・)という言葉が何度もよぎりました。

このブログに書くときには、出来ればよかった話を書きたいですが、でも実話の事例として知っておいていただきたいのです。


最初に結果を申し上げます。

専松は・・・ダメでした。


そして結局東京の私立に行くことになりました。でも今は薬学部の学生さんになっています。

さて、ここで過去問の登場です。

Yさんは、とにかく過去問を解いてました。来る日も来る日も過去問です。過去問をやっていないと落ち着かないぐらいの様相でした。

過去問・・・一度やって二度目、三度目と回していた様子です。

答えも覚えてしまっていましたね。


Yさんは、過去問を完璧にすれば、専松は合格するという思いがあったようです。

私たちが組む計画では、過去問よりもまずは苦手単元をつぶしていく内容で、演習中心で組みたてていったのですが、
どうしても過去問をやりたがります・・・。


過去問は一回目解いたときよりも二回目解いたときのほうが点数は確実に上がります。
二回目よりも三回目のほうがもっと上がります。

いつしか、答えも覚えてしまっているでしょうけれど、パーフェクトになります。
でもそれは、

①答えが合っていた・・・だけであって、

②その問題がとりあえず解けるようになっただけであって

演習や類題演習で本当に出来るかどうかの確認まではいってなかったはずです。

過去問がパークフェクトになりつつあることで、心の平静が保てていたのかもしれません。受験期のストレスというのは、色々な形で顕在化するものです。


専松の難しい問題を紐解き、出来るようになっていくことが、勉強、、、
自己学習においては、この部分で齟齬が生じてしまった可能性が高いです。


Yさんが、過去問過去問となってしまった理由があります。

それは、ネットなんですね。

専松に受かった人たちが後輩に向けたメッセージ的に書かれているサイトがありますよね。

アレです。

私も見ました。

書いてあります。

「とにかく過去問を何回も解くこと!これが一番です」みたいな内容です。

当時のことを思い浮かべると、その文言がすらっと頭に浮かぶぐらい、一発でその言葉のとりこになってしまう内容でした。


「過去問を何回も解くことが一番の学習法」と一年前に合格した誰かが断言しているのですから、それはそのとおりやりたくなりますよね。

結果・・・Yさんは過去問の中身を覚えるぐらいの学習をしました。


過去問を取り上げることは出来ず、他にも課題を別個与えるなどして、もっと基礎からミドルクラスの問題を多く解かせてあげたかったです。


過去問は勉強のうえで、受験生なら必須のアイテムです。
過去問での学習は、必要ですし、やるべきです。

でも

「過去問のみ」で受験学習が完遂するわけではないのです。

この点をどうか皆さんにも知っていてほしいです。



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