馬込沢駅前教室のメッセージ
偏差値 シンプルな考え方
2023.09.21
「おはよ~ございます。城南コベッツ馬込沢駅前教室に生息している"じょうにゃん"です。きょうは、偏差値についてです」
受験期を迎えますと、よく「偏差値」という言葉を耳にします。
学校で実施される小学生のカラーテスト、中学生の定期テスト、高校生の考査においては、偏差値の算出はありません。
(※私たちは学校のテストからも「学校内偏差値」をすぐに算出することが出来ますので、もし自分の子供の学校内の偏差値ってどのぐらいかしら?と思われたらお問合せくださいね)
一転、民間の業者さんが実施している模試などでは必ず「偏差値」が登場します。
偏差値そのものの考え方は、1960年代半ばに東京の理科の先生で、桑田昭三という方が提唱したようです。
その後、紆余曲折あり、偏差値偏重の考え方などに疑問を持つ声があがり、1972年には「ゆとり教育」の構想が持ち上がり正式にうごきはじめました。
実際に制度化され実施され始めたのが、2002年です。以来、学習内容と時間が削減されたのです。
この「ゆとり教育」のせい・・と言ったら言い過ぎかもしれませんが、
その後、日本の学力は世界から見て少し遅れを取るようになります。
※出典は「社会実情データ図録」様です。
こちらのサイトにより詳しく書かれています。
↑ こちらは、PISA国際学力テストにおける日本の成績推移を示したものです。
PISA国際学力テストは、2000年から開始され3年ごとに実施されています。グラフを見てよくわかりますように、ゆとり教育が提唱され実施された後・・・
残念ながら日本の国際学力は低下してしまいました。
「こ、こりゃいかん」ということで、学習指導要領が大きく改訂される道を歩み始めます。
平成20年・21年(2008年)には「40年ぶりの大改訂」と叫ばれ、小学校、中学校、高校と学習時間も内容も強化されました。
これは「ゆとり教育からの完全脱却」と称され、実際には、そのときから今に至るまでどんどん変化が起こってくるのです。
教科書がガラリ!と変わり始めたのが、平成24年(2012年)には、学習時間も詰め込み回帰と言える内容まで昇華し、子供たちの学習が強化されていったのです。
今でも覚えています・・・・
教科書変更後の平成25年(2013年)における千葉県公立高校学力検査 前期選抜入試では、平均点が232.3点!!と大幅に内容が難しくなったのが、数字で示されました。
昨年の千葉県高校入試の平均点が255点で、「うわ!えぐい」と思った方も多いですが、それ以上にエグイです。
改革はまだまだ進みます。
その後の改訂、改訂、改訂で、小学校も中学校も高校も、指導要領の変化とともに教科書及び、入試問題が難しくなってきました。
2020年、ちょうど日本に、世界で新型コロナウィルスが発生した未曾有の事態の中、教育改革はさらに進んでいきます。
迎える2025年の1月実施の大学入試共通テストからは、入試制度改革の一環として大学入試が大きく変わるのです。
そう、これらは、日本の実情を捉えた大変革です。
今の子供たちは、ゆとり時代の子供たちとは違います。
ガチガチの詰め込み回帰型世代です。
少子高齢化が進行する我が国日本において、社会保障を担う若手人材(人財)を育成するための純粋培養教育がすでに始まっているのです。
そこで、登場する「偏差値」という言葉。
この意味を事細かに知る必要はありませんが、ある程度知っておいた方がいいでしょう。
【偏差値って何?】
偏差値という言葉は知ってるけれど、意味とか計算式まではあまり意識したこともないし、何となくしかわからない・・・
ですよね。
これ、計算式まで説明すると、超難しくなってしまいますので、ここではシンプルにいきましょう。
まず、偏差値というのは、点数とかではありません。
偏差値を求めるためには、
①みんなが同じテストを受けている
②平均点がしっかりと算出されている
この2つの前提がないと求めることは出来ません。
例えば、1000人の生徒さんが居たら、全員が同じテストを受けてその平均点を算出したところから偏差値が求められるということです。
1000人の生徒さんの中で、「自分はどの位置にいるのだろう」ということを数値化して知ることが出来る、それが偏差値です。
平均点のところを「偏差値50」とします。つまり平均点が偏差値50を示すように計算によって変換されるのですね。
で、その基準値50から自分が高いのか、低いのかを数字で判断できるようにしたものです。
自分の偏差値が55ならば、平均よりも5偏差値が高いね!ということです。
自分の偏差値が45ならば、平均よりも5偏差値が低いね!ということです。
このぐらいのシンプルな考え方でいいでしょう。
実際の偏差値というのは、
・自分の点数
・平均点
ともう一つ、数値のばらつきを示す標準偏差という数値を使います。
皆さんは、この算式の理解よりも、具体的に算出されたデータとしての自分の偏差値を数字解釈する程度でいいと思います。
偏差値は、上記のとおり、「模試」を受けないと正確にデータが出ません。
ですから、中学受験でも高校受験でも、大学受験でも、学校・塾・予備校のすべてが「模試を推奨」するのです。
【偏差値には2つ意味がある】
さて、次に、偏差値という言葉には2つ意味があるということを是非覚えておいてください。
①ひとつは、模試を受けた際の「自分の偏差値」です。
②もうひとつは、「学校の基準偏差値」です。
1番目の自分の偏差値については、もうわかりますよね。自分自身の偏差値という意味です。
でも学校の偏差値って何?ということですが、
これは、よく・・・
あの学校偏差値72だよ!? やばいね
こんな感じで登場する「偏差値」です。要するに学校の偏差値です。
自分の偏差値が学校の偏差値と同等であれば、たいていは合格可能性は60%ぐらいになります。
しかし、自分の偏差値が学校の偏差値よりもかなり低い場合は、
相当頑張らなくちゃいけないね!という基準がわかります。
逆に、自分の偏差値が学校の偏差値よりもかなり高い場合は、判定で
「おおお!A判定だぜ!」
「やった!!S判定だわ!!」
という歓喜の声があがることでしょう。(※もちろん模試段階での判定はあくまでも指標でしかありません。入試・受験は下駄をはくまでわからないものです。
魔物が潜むのが入試・受験の世界ですから、その点は決して過信してはいけません)
このように模試を受けることで、自分の合格可能性を偏差値という数値を通して知ることが出来ます。
受験生諸君!
いよいよ、秋の到来、そしてアッと言う間に冬の到来です。
絶対に油断することなく、突き抜ける成果を出していきましょうね!!