初石教室のメッセージ
レッドスペシャル
2024.04.24
クイーンというロックバンドをご存知でしょうか? 「キラー・クイーン」「ボヘミアン・ラプソディ」「タイ・ユア・マザー・ダウン」や「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった誰もが一度はどこかで聞いたことのある名曲の数々を生み出した。偉大なバンドです。ひょっとしたら、曲は聞いたことが無くても、「キラー・クイーン」「シアハートアタック」(キラー・クイーンが収録されている、クイーンのサードアルバムのタイトル)の言葉をマンガで見た。という方もいるかもしれませんね。
今回はそんな、クイーンにまつわる話題です。
クイーンといえば、ボーカルのフレディ・マーキュリーですね。フレディは、シンガーとしても素晴らしい才能の持ち主でしたが、同時に、上記の名曲のほとんどを作詞、作曲するなど、クリエイターとしても破格な才能を持っていました。彼は残念ながら、HIV感染症によるAIDSを発症し、1991年に45歳の若さで亡くなりました。彼の波乱万丈な人生は、2018年「ボヘミアン・ラプソディ」で映画化され、アカデミー作品賞こそ逃したものの、4部門でオスカー像を獲得するほどの名作となりました。
――と、クイーンとフレディについて書きましたが、実はそれは本題ではありません。そのクイーンには、ブライアン・メイという、伝説的ギタリストがいます。上記の曲でいえば「タイ・ユア・マザー・ダウン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」は、ブライアン・メイが作詞作曲ですね。
ブライアン・メイは、イギリス屈指の名門理工系名門大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン出身で、大学院では宇宙工学を研究していました。彼はクイーンのギタリストになった後、バンド活動が軌道に乗るまでは中学校で教鞭を執っていたのです。
そんなブライアンのギター「レッド・スペシャル」は、ブライアン・メイ自身と同様に、伝説となっています。あ、伝説伝説と書いていますが、ブライアン・メイは2024年現在ご存命でいらっしゃいます。
話を「レッド・スペシャル」に戻しますが、なんとこのギター、ブライアンと、彼の父による、オールカスタム品、つまり自作の品なんです。言葉通りの唯一無二のギター。それがブライアン・メイの「レッド・スペシャル」です。この「レッド・スペシャル」を、ピック代わりの6ペンスコインで演奏するのが、彼のスタイルです。かっこいいですね。
そして、そのブライアン・メイと「レッド・カスタム」に憧れて、ギター制作工房を立ち上げた日本人、伊集院 香崇尊(いじゅういん かずたか)さんという方がいらっしゃいます。
2001年から工房を立ち上げ、「レッド・スペシャル」のコピーモデルを作り続けた彼は、
2005年に、「レッド・スペシャル」を世界で初めて修復したグレッグ・フライヤーを通じ、ブライアン・メイ本人に公認を得ることに成功しました。
今回は横文字の固有名詞が多く、読みづらかったかもしれません。申し訳ありません。さて、今回の話をまとめると、
・ブライアン・メイは、バンドで生活できるようになるまで、中学校の講師をしていた、勉強は好きなこと、やりたいこと、を邪魔しない。むしろ手助けしてくれる。
・名器「レッド・スペシャル」を自作したブライアン・メイと、彼とそのギターに憧れてコピーを作り続け、ついには本人の公認をもらった日本人。日本のものづくり精神をもう一度見直してみよう。
と、いったところでしょうか。現在は動画で簡単に名曲へアクセスできる時代です。上記の曲を(コピペでいいので)入力して、数々の物語を生み出したクイーンの楽曲たちを、ぜひ聴いてみてください。