2024.04.05
春休みも半ばを過ぎ、4月となりました。いよいよ新学年です。2024年度の公立入試は、東葛飾高、柏の葉高やおおたかの森高など、人気高の受検倍率が特に高かった年でありました。同時に、人気高と同様の偏差値ながら倍率が1.00を切っていた我孫子や松戸六実などでも1.00倍を上回るなど、厳しい入試であった年でした。この傾向はおそらく2025年度入試でも続くと思われます。このブログをご覧の流山、柏地域の生徒さんは、非受験学年から、そしてこの4月から受検を意識して日々の勉強に臨まれることをお勧めします。
ところで、これを書いている4/4、気象庁は東京のソメイヨシノの満開を発表しました。
標本木となっている靖国神社にあるソメイヨシノが、8割以上開花と確認されたための発表だそうです。
東京の桜の満開が4月になるのは、2017年ぶりで、7年ぶりの遅さなのだそうです。となると、満開の桜の中での入学式も、7年ぶりということになるでしょうか。
この年度切替の別れと出会いをドラマティックに演出する花が桜であり、もはや卒業、入学と桜の花は切っても切れない関係にありますが、実は4月が新年度である国はほとんどありません。日本のほかにはインド、パナマくらいで、アメリカ、イギリス、フランスなど、多くの国では、実は新学年は9月からなのです。
なぜ9月からなのか? これは、ヨーロッパの生活スタイルに基づいているという説が有力であるようです。
中世より、19世紀に至るまで、ヨーロッパでは高校世界史で習う三圃制が行われていました。これは、小麦の連作障害を抑えるため、耕地を冬畑、夏畑、休閑地に分けて輪作を行う、というものです。この冬畑の収穫を迎えるのが夏であり、さらに牧畜をしている農家では、干し草を作る時期も夏でした。このシーズンは、どこの家も子供の手も借りたいほど忙しいシーズンです。この時期に学校を開いても、農家は子供を休ませて家の手伝いに回すことになってしまいます。そこで、学年のスタートを農作業シーズンが落ち着く9月にした。ということであるようです。
一方、日本では、明治時代に学制が公布されました。西洋に倣った明治維新の一環ですので、この時は、実は日本の新学期も9月とされていたのです。ところが、その後に官公庁の「会計年度」が4月区切りとされました。これは、税制を年貢から税金へと変えた結果であるようです。秋に収穫した米を、現金化してから納税する。このプロセスを経るのに、9月始まりや12月区切りでは間に合わなかったため、4月区切りとされたそうです。
その結果、学校や企業の年度も4月区切りにシフトしていったようです。会計年度に合わせた方が。事務手続きなど、いろいろ楽だったのでしょうね。
こうしてみると、新学期というのは、各国の生活基盤の上に成り立ったものであったことがうかがえて、興味深いですね。日本の桜舞い散る新学期には、やはり風情が感じられます。成り立ちは風情と関係なかったとしても、後々の思い出が鮮やかな桜色であることは、嬉しいことです。