南流山教室のメッセージ
■ハロウィーン
2022.10.15
今月、10月の31日はハロウィーンです。ここ数年で日本にもわりと定着した感のある行事です。しかし、何故コスプレパーティなのでしょう? "Trick or Treat"(おかしくれなきゃイタズラするぞ)って、なんなんでしょう?
皆さんご存知のように、ハロウィーンはアメリカから日本に渡ってきた文化です。アメリカは、18世紀にイギリスから独立して興った国です。ということは、もともとはイギリス(≒キリスト教圏)にあった文化ということになります。
ちなみに、"Halloween"とは、"All Hallow's Eve"(All Hallow'sイブ)から来ているそうです。"All Hallow's Day"とは、「諸聖人の日」という、キリスト教すべての聖人たちへの記念日で、11/1とされています。この "All Hallow's Day"のスコットランド(現在のイギリス北部)語の表現の略語が、何百年かの時を経て"Hallowe'en"に変化していった、ということのようです。
ここまで聞くと、西洋の行事であることは納得できるのですが、ホラーなコスプレや、いたずらしちゃうぞ!といったこととは正反対の行事に思えませんか。
実はハロウィーンはさらに起源を辿ることができるのです。西洋に広くキリスト教が広まったのは、古代ローマ帝国時代のことです。4世紀に、ローマ帝国の国教がキリスト教と宣言されました。
ハロウィーンは、さらに古代からある行事だったのです。ローマに征服される前、ヨーロッパには「ケルト人」といわれる人々が暮らしていました。その、ケルト人の伝統が、ハロウィーンの起源といわれています。
ケルト人は、新年を11/1としていたそうです。つまり、その前日にあたる10/31は、いわゆる大晦日。だったわけです。また、秋が終わり、冬が始まる日という季節の分かれ目でもありました。そして、冬の始まる日には、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたそうです。日本でいうお盆ですね。ケルト人にとって10/31とは、盆と正月と立冬が、一度にやってくる日だった、というわけです。
この「家族を訪ねてくる死者の魂」が、ケルトでは妖精や悪魔のような姿をしており、悪い死者の魂は、家族や家にいたずらをしたり、子供をさらってしまうことがあると思われていました。そこで、子供が妖精や悪魔の恰好をすることで、死者の魂の仲間であるフリをして、イタズラ対象や誘拐対象にならないようにしたのです。
また、訪ねてきた霊が不機嫌になってイタズラ心を起こさないように、ごちそう(このごちそうを振る舞うことを英語でtreatといいます)を用意しておいたのです。
少し長くなってしまいましたが、これがハロウィーンの起源です。盆と正月と節分(立冬)が同時に来たと思えば、仮装してはしゃいで楽しむことは、間違いではないかもしれませんね。