2022.12.21
小学校の教材・教具を発行する日本標準は12月6日、小学3年生から中学1年生を対象に、国語と算数の基礎基本の習得状況を調べた学力調査の結果を公表した。
国語では文章の基本構造である主語、述語、修飾語や、敬語表現の尊敬語、謙譲語の理解が不足。算数では、全学年を通じて文章題の正答率が低かった。
調査は2021年、22年の2年間にかけて、小学3年生から中学1年生の延べ2万7000人に実施。いずれの学年も前学年までに学んだ内容を基に、国語では基本的な言語事項(言葉の意味・使い方、文法事項)を、算数では計算とその文章題、図形に関する問題を、20~30分で30~40問出題した。
国語では「父に手紙がとどく。」という文の主語を答える問題で、正答の「手紙が」を選べたのは▽小3 45.4%▽小4 55.8%▽小5 55.1%▽小6 65.8%▽中1 54.8%。「学校の花だんはきれいだ。」という文の述語を答える問題で正答の「きれいだ」を選べたのは、▽小3 61.8%▽小4 57.3%▽小5 57.5%▽小6 63.7%▽中1 68.2%――であるなど、文の構造の基本である主語、述語、修飾語の理解に課題が見られた。また、小学6年生と中学1年生に出題した敬語表現の問題では、「話す」の尊敬語を正しく選ぶ問題で、正答の「お話しになる」を答えられたのは、▽小6 68.5%▽中1 64.3%、「見送る」の謙譲語である「お見送りする」を選べたのは▽小6 50.7%▽中1 51.7%――で、敬語表現の中でも尊敬語や謙譲語の理解がやや不足している結果が浮き彫りとなった。
算数では、全学年を通じて文章題の正答率が低い傾向にあった。
特に「水が何Lかあります。6L使ったので、のこりが3Lになりました。水は、はじめ何Lありましたか。」といった逆思考の問題文について、21年の調査では設問文のみを、22年度には小3はテープ図、小4~中1は線分図も示したものの、小3~小6では21年調査よりも22年調査の方が正答率が低い傾向が出た。一方で「家から駅までの道のりは6kmで、これは家から図書館までの道のりの2倍の長さです。家から図書館までの道のりは何kmですか。」という倍の見方の文章題でも、21年の調査で正答率が低かったため、22年の調査で図を入れて出題したところ、こちらの問題では各学年で正答率が上昇した。
これらの結果を踏まえ、同社では算数で問題を解く際に図の活用は有効だが、「残りは」「~倍の」などの言葉に惑わされずに文の構造を理解し、きちんと問題文の意味を把握する必要があると分析している。
(参考・引用:「教育新聞」2022年12月7日掲載記事より)
これらの調査から、わかる事は国語力が、全教科に反映されるという事ですね。問題文は、そもそも日本語で書かれますので、そうなりますよね。数学でも、図を入れると視覚的に問題を捉える事ができますので、個別授業では図を取り入れる事をよく行います。また、文章を読む力は本を読むことにより、自然に身につきます。小学生のうちから、各自の好きな内容の本で良いので、文章を読む習慣をつけていきたいものです。
教室長 三木