2025年の茨城県立高校入試
2025年の茨城県立高校入試について、学力考査の日程が決まり、2月27日(木)になりました。昨年より2月に実施と
なった理由は、感染症などを理由にした追検査の導入で、高校入学までの準備期間が短いなどの理由があるそうです。
やはり、2月下旬に入試を行うことが望ましいという考えがあるようです。その上で、学力検査と追検査の間隔を7日
以上開けることで、新型コロナウイルスに感染した受験生も回復後、より早く追検査が受けられる形にもっていくよう
です。また、定員に満たなかった学校が実施する2次募集については、昨年は学力考査を課さずに面接などで選抜して
いましたが、学力検査を行う方向に戻されました。
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※高校入試
県立高校の倍率の変化
過去3年分を見ていきますと、今年度の倍率がある程度予想できたりします。基本的に倍率は経年変化しています。
つまり、「高い」→「低い」→「高い」のような動きを見せます。ですから、3年間の倍率を見て、2025年の倍率
がどうなるかを予測し、受験校決定に活かすのも手です。また、県央・県北地域においても毎年、中堅高校以上のとこ
ろで、「高い倍率で固定化されつつある」という傾向があります。水戸桜の牧高校や水戸第一高校、日立第一高校など
は、ここ数年ずっと高い倍率が続いています。しかし、今の中学3年生の学年は、コロナ禍の影響を大きく受けてお
り、「受験生全体の学力レベルが低い」という悲しい状況があるそうです。これからの頑張り次第で、苦戦している受
験生も十分に逆転可能であると言えます!
主な県立高校の倍率変化
一般的に高校受験は「1.2倍」を超えると、高い倍率であると言えます。受験の際の目安にして下さい。
高校 |
2024年 |
2023年 |
2022年 |
2021年 |
日立第一(高倍率固定) |
1.14 |
1.49 |
1.40 |
1.43 |
水戸第一(高倍率固定) |
1.65 |
1.64 |
1.82 |
1.52 |
水戸商業(経年変化) |
1.26 |
1.33 |
1.18 |
1.46 |
水戸桜ノ牧(高倍率固定) |
1.47 |
1.22 |
1.44 |
1.33 |
水戸工業(情報)(高倍率固定) |
1.30 |
1.55 |
1.75 |
1.63 |
合格最低点(予想)
公に公表される点数は少し点数が高くなっているようです。また、ある程度平均点でボーダーライン
を決めているそうで、「合格最低点」は10点~20点くらい低く見積もっても大丈夫のようです。とは
言え、勉強しなくてよいという訳ではありません。
高校名 |
2024年入試の合格最低点数(目安) |
過去の合格最低点数(目安) |
日立第一 |
388点 |
365点 |
水戸第一 |
444点 |
395点 |
水戸商業 |
318点 |
287点 |
水戸桜ノ牧 |
367点 |
335点 |
水戸工業 |
276点 |
239点 |
今年の狙い目県立高校は
今の受験生の傾向を見ますと、「以前より学力が低い傾向がある」と言われています。
これは中学生のせいではなく、コロナ禍の影響です。今の受験生は、1・2年生の時はオンライン
授業で十分な理解のないまま3年生となっていったのです。それが、1つ学年が上の2023年の受験
にも表れています。今日、出席の私立高校の教員の方によりますと、その高校でも「例年より平均
点が10点から20点くらい低くなっている」とのことでした。また、点数が低いのは自分だけでは
ないので、積極的に上の志望校を狙っても合格の可能性があると言えます。特に中堅の県立高校は
例年より合格最低点が下がる傾向になるそうです。ひたちなか市の勝田高校(募集停止)、佐和高校
においても定員割れが今年おきました。以下の県立高校は、諦めていた受験生でも十分に合格を狙え
ますので、参考にしてみて下さい。
高校名 |
2024年合格最低点 |
日立北高校 |
347点 |
水戸商業高校 |
318点 |
水戸第三高校 |
340点 |
みなさん、まだまだ時間はあります!積極的にチャレンジしてみてください!これからでも。
まだまだ成績は伸びます!全力で頑張って行こう!!
2025年度入試の出題傾向
2022年度入試から、新しい学習指導要領、新しい教科書に基づいた試験問題となりました。また、茨城県では全教科
で解答形式に変化がありました。数学では計算問題の復活や穴埋めの証明問題などの変化が見られました。英語では、
英作文がなくなりました。各教科とも確かな知識を覚えたうえで、その知識を組み合わせてどのように活用することが
できるかが鍵になっています。基礎・基本の知識定着の徹底と、その知識を利用(応用)する力が問われていると言え
ます。確かな知識と学力が正解を選択できる助けとなるでしょう。
「茨城県」公立高校入試の各教科の出題傾向
※5教科とも難易度の変化はありませんでした。
◇数学◇
設問の半数近く(11問)が記号問題となりました。図形は今年もタブレット端末の設定でしたが、内容は典型型でした。
また、会話形式の問題はあるものの全体的にシンプルで、標準的な問題が並び解きやすいため、点差がつかず、上位生
には厳しい内容であったと思われます。
○「四分位範囲」と「箱ひげ図」がまた大問で出題される可能性があります。また、「代表値」「累積相対度数」「標
本調査」などの知識を総合的に押さえておきましょう。
○「整数の性質」は共通テストの出題範囲外となっていますが、公立高校の入試では倍数や約数、素因数分解の知識を
活用した問題が、文字式の証明や確率などで出題されています。今後の出題動向に注目したいと思います。
○2025年度は中学教科書の小改訂の年ですが、次の学習指導要領はしばらく先となります。新出内容の出題が一段落し
た今後、今まで出題数が少なかった単元の出題や、定番単元の難化が予想されます。
◇英語◇ 定番の単語補充問題が記号問題となりました。記述は書き抜きに近い問題のみとなりました。また、読解の英単語の難
易度が高めであると言えます。素材文は読みやすい内容が多いですが、設問は内容把握がメインで、格差が生じやすい
と思われます。教科書改訂で問われる文法・単語のレベルは格段にアップしています。空所補充や語順整序も基本的な
知識だけでは解けなくなっているので、文構造の理解や前後の文脈の理解も含めた対策が必要です。
話題性のある英文、英単語の語注の大幅減、本文と選択肢の単語の使い分け、内容把握に特化した設問など、英語の入
試は全国的にも共通テストを意識したものになっています。学力格差がさらに広がる可能性があります。
◇国語◇ 古典も含めた読解はすべて素材文+資料のつくりとなっています。記述はほぼ書き抜きでほぼ易しい問題です。新傾向
を意識した作りですがこゅた問題は少なく、平均点が物語っているように、得点しやすい問題であると言えます。しか
し、古典は難化の余地がありますので油断しない方が良いでしょう。2024年度の全国的な公立高校の入試も、「生物進
化学」「倫理学」「建築学」「哲学」など、抽象度の高い、中学生にとっては読みにくい文章が多く出題されていま
す。一方、漢字や文法などの言語事項は、数年前と比べると基本的なものが多くなりました。
◇理科◇ 設問の3分の2が記号問題で選択肢は最多で12択でした。会話形式を多用していますが、内容は典型的なものでした。
実験や観察の設定がシンプルで、設問も一問一答形式でした。「完答で正解」・「正しい組み合わせの選択肢を選ぶ」
は合計で9問でした。教科書改訂後によく見られた、「日常生活を題材にした」出題や、「会話形式」の問題は全国的
に出題数が減り、従来通りの、教科書で扱う実験・観察を掘り下げる形式が出題のメインとなりそうです。ただし、易
化はないものと思われます。新出内容の「イオンのなりやすさ」「ダニエル電池」の出題は8県。一方で、「動物の分
類」「酸化と還元」「地層と岩石」は20県以上で出題されています。茨城県は、しばらく出ていないことから、「遺
伝」と「酸化・還元」が出る可能性が高いです。酸化還元は、酸素と何グラム結びついたか?という1パターンのみで
すので、必ず勉強しておきましょう。
◇社会◇ 文章記述(25字)が出題されました。知識問題にはやや難易度が高いものもありました。知識がベースの問題が多く、細
かい内容まで問われています。資料問題にはヒントが多く、易しいものでした。政治単元では知識重視の出題が目立ち
ます。特に、経済や福祉、時事に関する問題は日常生活を題材とした問題が増えてきています。環境問題・地方創生・
住みやすいまちづくりなど、公民の問題はSDGsを題材にした問題が頻出です。国語の対策と併せて、SDGs関連の話
題には注目しましょう。
2025年度入試へ向けて
高校入試では出題形式や傾向に変化が見られる年度があります。その変化があったときに戸惑う受験生もいるかと思
います。しかし、出題されている問題をよく見ると教科書の内容をしっかりと覚えたり、練習したりしていれば解くこ
とができる問題ばかりです。入試に向けての勉強は一足飛びにするのではなく、まずは地道に目の前の課題をクリアし
ていくことが大切です。中学校の定期テストで点数を確保し、校内順位を上げて行くことが第一志望校の合格へとつな
がっていきます。定期テストで良い成績を残すには教科書の内容をしっかりと理解し、学校のワークを使って定着を図
りましょう。また、学校のワークの課題は、テストの2週間前までには仕上げましょう!(コベッツ生は2週
間前までに仕上げるというルールになっています。)学習内容の定着には自学自習で自分の手を動かして問題演
習をしていきましょう。
「塾の授業」と「自学自習」を車の両輪として受験勉強を進めていきましょう。
2023年度入試は新しい指導要領になって3年目の入試となります。ですので、ある程度の予測を基に対策をすること
ができます。慌てず焦らず1つ1つの課題クリアかを積み重ねましょう。
茨城県教育委員会のホームページへはこちらからどうぞ!
※後ほど、今回の研修会で聞いた、各教科の傾向と対策、予想を加筆修正いたします。