鵠沼海岸教室のメッセージ
国語力の重要性と、若者に日本語が通じない現象(1)(神奈川県公立高校入試問題の文字数など) ※藤沢市の個別指導塾 城南コベッツ鵠沼海岸教室
2023.12.07
2023年の神奈川県公立高校入試問題に、どの位の文字数が含まれていたかを表記しました。
・英語:5,500【47都道府県中1位】【全国平均3,592】【最小静岡2,600】
・数学:3,800【47都道府県中5位】【全国平均2,888】【最小岐阜1,800】
・理科:10,300【47都道府県中3位】【全国平均7,460】【最小秋田4,900】
・社会:12,600【47都道府県中1位】【全国平均8,444】【最小秋田4,600】
・国語:未集計【未集計の県を除く全国平均9,234】
以上のことから、神奈川県公立高校入試問題の文字数が、いかに多いかがわかります。
大学のセンター試験~共通テストでも、年々単語数、文字数が増加しています。
これらに対応していくためには、語彙力、読解力といった国語力と解くスピードが求められます。
また、近年高校入試で増加傾向にあるのが、複数の文章や図表その他の資料を並行して読解する
「複線型読解」問題です。
社会や理科では珍しくありませんが、英語・数学・国語ではあまり見られませんでした。
同じ文字数でも、情報の並行的処理の負荷が大きくなり、読解力の柔軟さや幅広さの能力によって大きな差がつきます。
この「複線型読解」の2023年神奈川県公立高校入試問題での、出題比率は以下の通りです。
・英語:47%【47都道府県中4位】
・国語:10%【47都道府県中35位】
・社会:60%【47都道府県中2位】
文字数のみならず、「複線型読解」問題においても科目によっては、全国的に見て多いことがわかります。
前述のように読解力の柔軟さや幅広さが求められます。
さらには、数学や理科の文章問題においても、国語力が問われています。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した、益川俊英氏は、数学と理科について以下のように発言しています。
『科学の基本は国語ですよ。(略)数学は計算するもの、というイメージがあるかもしれないけど、数式は基本的に言葉なんです。数式は「かくかくじかじかの関係がある」とか「○○という事実を表している」ということを語っていて、そういうことを組み合わせて発展させていけば答えになる。だから言葉が大事なんです』
益川氏がいうように、数式や化学反応式などが事実を記号で表したものに過ぎないのなら、国語は全ての問題の根底に存在することになります。
そういった意味からは、国語力が問われるのは、文章問題のみならず全ての問題だといえます。
中学生において国語力が問われやすいのは、数学や理科の文章問題です。
以下の例題で紹介していきます。
『原価1,500円の商品に原価の2割の利益があるように定価を設定し、その定価の3割引きで売ると、いくらの損になりますか?』
これを解くには、前提条件として原価と定価の意味がわかっている必要があります。
原価:商品やサービスを製造、提供するまでにかかった金額
定価:商品やサービスについて前もって決定している売値
この原価と定価の違いを理解していないと、「原価と定価って何が違うの?、原価って?、損するとは?」という疑問から、問題を解こうという気にならず断念するという事態に陥ってしまします。
さらに問題文の意図を正しく理解していないと解くことはできません。
例題を解く順序として、最初に定価を求めるところから始まります。
原価の2割の利益があるように定価を設定とあります。
原価の1,500円に1.2、または、12/10を掛けて定価を求める必要があります。
よって10割で1,500円の商品に2割の利益を付けるために、10割から2割足した1.2を原価の1,500円に掛けることになります。
※1,500円×1.2=1,800円
従って定価は1,800円となります。
問題文は、さらにそこから定価の3割引で売るとあるので、1,800円に0.7、または7/10を掛ける必要があります。
よって10割から3割引いた0.7を定価である1,800円に掛けることになります。
※1,800円×0.7=1,260円
従って値引き後の金額は、1,260円となります。
またさらに問題の最後に「いくらの損になりますか?」とあります。
先ほど求めた3割引の1,260円を、原価である1,500円から引いて損の金額を計算する必要があります。
※1,500円-1,260円=240円
従って例題の答えは、「240円」です。
例題自体はシンプルですが、ここまでの過程を経て答えを導くことになり、頭の中で論理的に組み立てができなければ、問題を解くことはできません。
このように国語と関係のない数学の問題でも、解いていく上で論理的に考える力、すなわち国語力が必要とされ、理科の文章問題でも意図を正確に読み取らないと、その問題を解くことはできません。
益川氏が言うように、文章問題でも計算問題でも国語力は常に問われるものなのです。
思考過程が複雑になる文章問題を解く時には、国語力がより問われます。
国語力を上手に駆使して問題ごとに正確な思考過程で、答えを導きだしていくことが不可欠になります。
文部科学省の提言「国語の果たす役割と重要性」には「個人にとっての国語」が「知的活動の基盤を成す」「感性、情緒の基盤を成す」さらには「国語は個人が社会の中で生きていく上で欠かすことのできない役割」を担っていると記されています。
すなわち国語力は、全ての活動の基盤となるものです。
人間として、あるいは日本人としての根幹に関わる重要なものですので、しっかりと磨いていきましょう。
・英語:5,500【47都道府県中1位】【全国平均3,592】【最小静岡2,600】
・数学:3,800【47都道府県中5位】【全国平均2,888】【最小岐阜1,800】
・理科:10,300【47都道府県中3位】【全国平均7,460】【最小秋田4,900】
・社会:12,600【47都道府県中1位】【全国平均8,444】【最小秋田4,600】
・国語:未集計【未集計の県を除く全国平均9,234】
以上のことから、神奈川県公立高校入試問題の文字数が、いかに多いかがわかります。
大学のセンター試験~共通テストでも、年々単語数、文字数が増加しています。
これらに対応していくためには、語彙力、読解力といった国語力と解くスピードが求められます。
また、近年高校入試で増加傾向にあるのが、複数の文章や図表その他の資料を並行して読解する
「複線型読解」問題です。
社会や理科では珍しくありませんが、英語・数学・国語ではあまり見られませんでした。
同じ文字数でも、情報の並行的処理の負荷が大きくなり、読解力の柔軟さや幅広さの能力によって大きな差がつきます。
この「複線型読解」の2023年神奈川県公立高校入試問題での、出題比率は以下の通りです。
・英語:47%【47都道府県中4位】
・国語:10%【47都道府県中35位】
・社会:60%【47都道府県中2位】
文字数のみならず、「複線型読解」問題においても科目によっては、全国的に見て多いことがわかります。
前述のように読解力の柔軟さや幅広さが求められます。
さらには、数学や理科の文章問題においても、国語力が問われています。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した、益川俊英氏は、数学と理科について以下のように発言しています。
『科学の基本は国語ですよ。(略)数学は計算するもの、というイメージがあるかもしれないけど、数式は基本的に言葉なんです。数式は「かくかくじかじかの関係がある」とか「○○という事実を表している」ということを語っていて、そういうことを組み合わせて発展させていけば答えになる。だから言葉が大事なんです』
益川氏がいうように、数式や化学反応式などが事実を記号で表したものに過ぎないのなら、国語は全ての問題の根底に存在することになります。
そういった意味からは、国語力が問われるのは、文章問題のみならず全ての問題だといえます。
中学生において国語力が問われやすいのは、数学や理科の文章問題です。
以下の例題で紹介していきます。
『原価1,500円の商品に原価の2割の利益があるように定価を設定し、その定価の3割引きで売ると、いくらの損になりますか?』
これを解くには、前提条件として原価と定価の意味がわかっている必要があります。
原価:商品やサービスを製造、提供するまでにかかった金額
定価:商品やサービスについて前もって決定している売値
この原価と定価の違いを理解していないと、「原価と定価って何が違うの?、原価って?、損するとは?」という疑問から、問題を解こうという気にならず断念するという事態に陥ってしまします。
さらに問題文の意図を正しく理解していないと解くことはできません。
例題を解く順序として、最初に定価を求めるところから始まります。
原価の2割の利益があるように定価を設定とあります。
原価の1,500円に1.2、または、12/10を掛けて定価を求める必要があります。
よって10割で1,500円の商品に2割の利益を付けるために、10割から2割足した1.2を原価の1,500円に掛けることになります。
※1,500円×1.2=1,800円
従って定価は1,800円となります。
問題文は、さらにそこから定価の3割引で売るとあるので、1,800円に0.7、または7/10を掛ける必要があります。
よって10割から3割引いた0.7を定価である1,800円に掛けることになります。
※1,800円×0.7=1,260円
従って値引き後の金額は、1,260円となります。
またさらに問題の最後に「いくらの損になりますか?」とあります。
先ほど求めた3割引の1,260円を、原価である1,500円から引いて損の金額を計算する必要があります。
※1,500円-1,260円=240円
従って例題の答えは、「240円」です。
例題自体はシンプルですが、ここまでの過程を経て答えを導くことになり、頭の中で論理的に組み立てができなければ、問題を解くことはできません。
このように国語と関係のない数学の問題でも、解いていく上で論理的に考える力、すなわち国語力が必要とされ、理科の文章問題でも意図を正確に読み取らないと、その問題を解くことはできません。
益川氏が言うように、文章問題でも計算問題でも国語力は常に問われるものなのです。
思考過程が複雑になる文章問題を解く時には、国語力がより問われます。
国語力を上手に駆使して問題ごとに正確な思考過程で、答えを導きだしていくことが不可欠になります。
文部科学省の提言「国語の果たす役割と重要性」には「個人にとっての国語」が「知的活動の基盤を成す」「感性、情緒の基盤を成す」さらには「国語は個人が社会の中で生きていく上で欠かすことのできない役割」を担っていると記されています。
すなわち国語力は、全ての活動の基盤となるものです。
人間として、あるいは日本人としての根幹に関わる重要なものですので、しっかりと磨いていきましょう。