城南コベッツ小田原駅前教室

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小田原駅前教室のメッセージ

「いただきます」

2021.12.01

毎月講師からのメッセージを載せておりますが、今月は教室長が担当いたします。

前回は「サメの歯の化石」について書きましたが、それから7か月も経っていることに一驚を喫しました。
初夏だった季節も既に初冬となり、今年も残すところひと月となりました。

さて私は相も変わらずに休暇の多くを千葉の海にて費やしております。化石採集も続けていますが、最近は釣りを始めました。若い頃にはシーバスなどを釣ったりしていましたが、しばらくご無沙汰にしておりました。昨夏にはエギングというイカ釣りを試してみたのですが一投でエギ(ルアーのようなもの)が無くなり、意気消沈してやめてしまいました。

そして今年の夏休みの話になりますが、遠出もはばかられましたので奥さんといつもの千葉の海で心ゆくまでのんびりしようということになりました。すると彼女が「釣りをしたい」というのです。まあ何日も滞在するので暇つぶしにはとても良いということになり、私のロッドとリールを貸し、あとは百円で買えるルアーやらジグなどをそろえました。いまの百円均一の店には何でもあるのですね。

八月九日。海に着いた私たちはテントを張り、私はセミやトカゲなどを捕まえたりしていましたが奥さんのほうは早速釣りを始めていました。私には、「そう簡単には釣れないだろうなぁ」という考えがありましたし、そう遠投もできるわけがないので「釣りのまねごと」ぐらいに感じていました。三十分ほど経ったころでしょうか。私を呼ぶ声が聞こえました。何かが釣れたようです!! 走っていくと、なんと大きな「黒鯛」が釣れています!! びっくりして素手でつかんで引き上げました。釣れるなどとは思っていなかったので写真だけ撮って生きているうちに海へ帰しました。しかしそれ以来、私たちの「本気の釣り」が始まりました。

ヒラメを釣ることを目標にして道具類もそろえ始めました。八月には巨大エイとの闘いに敗れ、九月はシタビラメやクサフグしか釣れず、十月には千葉のお鮨屋の大将(店主)にアユ釣りへ誘われて大漁の喜びを知り、十一月にはウェーダーという魚屋さんが着るような長靴とフィッシングベストを着用するようになって既に服装と装備だけは一人前の釣り人になりました。

そして十一月最後の日曜日。私たちは朝四時に起きて千葉の海に向かいました。朝マズメ、しかも潮も良い感じです。ジグを投げ始めて一時間ほど経過したとき、私の竿がズンッと重くなると同時にシャーッと勢いよくライン(糸)が出ていきました。これはエイかなと思いましたが、ちょっと違うような気がします。数分後の闘いの後に引き寄せたそれは、なんと55センチのヒラメでした!! もうまさに大興奮でした。

さてそのヒラメですが自宅のまな板には載り切れない大きさですし、しかし海に帰すのも惜しいですし、はてさてどうしたものかと考えて前述のお鮨屋さんに電話をしました。すると快く「持ってきなよ!!」と言ってくださいましたのでしばらく釣りを続けたあとでお鮨屋の暖簾をくぐりました。

その場でさばいていただき、お刺身でいただきました。ついさっきまで広大な海に暮らしていて、私と格闘の末に釣られ、こうしてお刺身となっていることに感慨深いものを感じました。「いただきます」の意味を実感しました。

外は寒いですが勉強に疲れたら海や川や湖、山や森や林などにでかけるのはいかがでしょうか。普段では感じることのできない感動が待っているかもしれません。