2023.10.24
『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)を読みました。
著者は小児科医の成田奈緒子氏と臨床心理士の上岡勇二氏です。
この本には「子どもの脳の成長によくない言葉がけ」を以下の五つに分類し、実例をもとに解説しています。
① 子どもの「自律」を奪う言葉
② 子どもの「自信」を奪う言葉
③ 子どもの「考える力」を奪う言葉
④ 子どもの「社会性」を奪う言葉
⑤ 子どもの「脳」をダメにする言葉
これらの言葉について、家庭での子育ての視点で書かれていますが、塾での生徒指導においても注意すべきと思われることが多数ありました。
その中で、特に私が小学校低学年の生徒指導の際に注意したいと思ったのが以下の2点です。
「あいまいな言葉」は子どもの脳の成長を阻害する
「ロジカルに」「フルセンテンスで」の言葉がけが子どもの前頭葉を発達させ、思考力を育てる。
この2点に留意すると授業中の生徒指導は以下のようになります。
「計算ミスがないようにしなさい」ではなく
→「○○君は引き算の繰り下がりが苦手だよね。自信がつくまではノートに式を書いて、筆算でやっていこう。そして、一問終わるごとに繰り下がりの間違いがないかを見直してごらん」
「この問題をやりなさい」ではなく
→「この計算問題は全部で4題あるね。一問解くのに1分かかるとして見直しの時間も含めて、5分でやってみようか」
「ちゃんと宿題をやってきなさい」ではなく
→「計算のやり方を忘れないために、家でも練習する必要があるんだ。だから、必ず宿題はやってくるようにしよう。来週の授業まで、毎日◯ページずつやるようにすれば終わると思うけど、どうかな?」
「この前のテストはどうだった?」ではなく
→「昨日は学校で算数のテストがあったよね。2けたたす2けたの足し算はできたかい?」
小学校低学年の生徒への学習指導は高学年の生徒指導よりも難しいところがあります。
大人にとっては簡単だと思われることほど、子どもが理解できるように教えるのは難しいものです。
子どもたちの成長段階に合わせた言葉がけが大事なのですね。
参考図書:『その「一言」が子どもの脳をダメにする』 成田奈緒子・上岡勇二著(SB新書)
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