緑園都市教室のメッセージ
薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育を知る
2021.09.15
郷中(ごじゅう)教育とは江戸時代の中期から明治にかけて、薩摩藩(現在の鹿児島県)で行われた教育システムです。
郷中というのは今でいうと町内会のような小さな自治組織でした。
その郷中では6歳から24歳までの青少年が先生の家に集まり、学年の枠を越えて同じ学舎で勉強していました。
そこでは先輩が先生から学んだことを後輩に教え、後輩は先輩から教わったことを、また自分の後輩に教えていくというシステムでした。
このシステムにより薩摩藩は心身ともに強い武士の育成に成功し、幕末には西郷隆盛を中心とする強い影響力を持つ雄藩の一つとなることができました。
なぜこの郷中教育は優秀な人材を生み出すことができたのか。
それは二つの理由があります。
一つは、生徒の一人ひとりが「自分の後輩を育てていかなければならない」という使命感を持って勉学に励んだことです。
自分がしっかり学ばなければ後輩を立派に育てることができない。
その思いが勉強に対するモチベーションを高めたのです。
もう一つは、自分が学んだ(インプットした)ことを後輩に教えることで、自らの知識が定着していったことです。
学習したことは復習しなければすぐに忘れてしまいます。
習ったことを他人に教えることで自分の知識が身についているかを確認できます。うまく教えられなければ復習が必須となります。
教えることは自らの勉強の強化にもつながります。
郷中教育におけるこれら二つの効果は現代の子供たちの勉強にも通じるものがあります。勉強に対する「やる気の喚起」と「学力アップのための心がけ」のヒントがまさにこれです。
① 将来の使命感を持って勉強すること。
「将来はこんな職業について、こんな社会貢献がしたい」といった夢を持つこと。
テストや受験の先にあるものを目指している人は確実に差をつけます。
② 勉強したことをアウトプットすること。
兄弟や姉妹、保護者、友人、後輩、先生に自分が勉強したことを教えてみる。
教える相手がいないときは「自分自身に対して」声を出し書いて説明してみる。
この二つのことをいますぐ実行しよう。
やるかやらないかは、あなたしだい。