横浜六浦教室のメッセージ
沖縄復帰50年~ドルが円に替わった日
2022.05.13
1971年(昭和46年)6月17日、日米間で「米国との沖縄返還協定」(略称)が署名され、
沖縄の施政権が日本に返還されることになりました。 同協定の「合意された議事録」には、
米国民政府布告第27号(1953年12月25日)に指定されている地域が返還対象地域として示され、
尖閣諸島が含まれていました。1972年(昭和47年)5月15日、米国との沖縄返還協定が発効し、
沖縄の施政権が日本に返還されました。今からちょうど50年前のことです。
1972年5月15日、本土復帰とともに、沖縄の法定通貨は米ドルから日本円へと替わりました。
日常的に使う通貨が、ある日を境に別の通貨に切り替わったのです。
本土復帰のために不可欠だった通貨交換でしたが、同時に沖縄の人々に痛みを強いる
格好にもなりました。前年(1971年)8月15日、当時のニクソン米大統領がドルと金の交換停止を
突如発表しました。いわゆる「ニクソン・ショック」で、ブレトン・ウッズ体制は終わりを告げ、
ドルの価値は急速に下落したのです。1ドル=360円に固定されていた為替レートは切り下げられ、
沖縄の本土復帰に伴う交換レートは1ドル=305円に決まったのです。
それは沖縄の人々にとっても、所有するドルが2割近く目減りすることを意味しました。
日本政府は1971年10月、交換時の差損を補償するため、住民が所有するドルを申告させる異例の
「通貨確認」を実施しました。しかし、それ以降のドルは補償の対象外とし、
復帰までに損失が膨らむことを防ぐための通貨交換の先行実施にも応じることはなかったのです。
沖縄の人々が50年前に経験した通貨(資産)の目減りは、いまの円安に重なるところがあるのです。