横浜六浦教室のメッセージ
共通テストで出題された「1984年」
2021.01.22
大学入学共通テスト「世界史B」で、ジョージ=オーウェルの「1984年」を用いての
出題がありました。
「1984年」は、イギリス人作家ジョージ=オーウェル(1903~1950)が、
全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いた、
ディストピア(反ユートピア)小説です。作中では「もう一つの真実」といった言葉や、
国や企業による個人情報のデータ化など、私たちが住む現代の社会が
「1984年」で描かれた世界に驚くほど近づいてきているのです。
「1984年」のあらすじ
1950年代の世界大戦中に実用化された核兵器は、再び核戦争を引き起こした。
その結果、世界は「オセアニア」「ユーラシア」「イースタシア」という3つの大国に
再編された。作品の舞台である「オセアニア」では「ビッグ・ブラザー」と呼ばれる
独裁者に支配された全体主義国家で、市民の思想や言動には厳しい規制が
加えられ、その暮らしは巨大なテレスクリーンなどで常に監視されている。
1984年、「オセアニア」の真理省の記録局に勤務するウィンストン・スミスは
「過去の歴史を改ざん」する仕事をしていた。文書や記録が改ざんされた結果、
過去の歴史や「オセアニア」成立の過程についての自分の記憶と、公式の歴史が
一致しないことを意識しながらも、何が正しい歴史なのかわからない。
過去のある新聞記事を見つけたことで、絶対であるはずの「党」に対する疑問が
芽生える。やがて、スミスはテレスクリーンから見えない場所で密かに日記を
つけるという、重大な犯罪行為に手を染める。ところが、密告により逮捕され、
愛情省で拷問を受けることになる。その結果、スミスは「オセアニア」を
支配する「党」の思想を心から愛するようになる。