横浜六浦教室のメッセージ
「鬼門」の方角は「北東」
2021.01.28
日本で最も有名な魔物といったら「鬼」といえるでしょう。
昔ばなし「桃太郎」では、「鬼退治」がテーマでしたし、
昨年大ヒットとなった「鬼滅の刃」も、主人公竈門炭治郎が鬼と化した妹を
人間に戻す方法を探すために戦う姿を描いた作品です。
そもそも中国では、「鬼」は死者の霊魂を指していました。6世紀後半
(古墳時代後期~飛鳥時代)に日本に入ってきた「鬼(キ)」という言葉は、
「帰(キ)」を意味し、この世に帰ってきた死霊のことを指しているという説が
あります。そして、日本古来の「オニ」と重なって「鬼」になったといいます。
平安時代末期に、この魔物は「鬼(おに)」という名が定着しました。
節分の豆まきの風習は、室町時代に始まったと言われていますが、
これは平安時代の宮中の年越し行事で、鬼を祓う「追儺(ついな)」に
由来しています。豆をまくのも「魔(マ)を滅(メ)っする」という縁起担ぎです。
古来から鬼が出入りする方角として、忌むべき方角が「鬼門(きもん)」です。
「鬼門」は方角でいえば、「北東」です。(艮=うしとら:丑と寅の間)
陰陽道の最盛期といわれる平安時代中期頃から、病気、地震、火災など、
そのすべてを神の祟りが起こすものと考えられ、祟りを起こす神の存在を
鬼に例えて恐れたことが大きな理由です。鎌倉時代には、竈(かまど)、門、
井戸、厠(かわや)など、病気に直結する場所を神格化させ、諸々の宅神から
祟りをうけぬよう祭祀を行っていた歴史もあるのです。