横浜六浦教室のメッセージ
覚えておきたい慣用句(10)~他山の石編
2021.03.24
2019年7月21日の第25回参議院議員通常選挙の広島県選挙区で
大規模な買収が発覚した事件について覚えておきたい慣用句をご紹介します。
①盗人に追い銭(=ぬすびと/ぬすっとにおいせん)
意味:物を盗まれてさらにはお金もくれてやると言う意味で、
損を重ねることの意味で使わます。
由来:中国「三国志演義」の「周郎妙汁安天下、賠了夫人又折兵」
「周瑜は天下を取るために妙計を立てたが、夫人はだまし取られ、兵も失った」
英語:Throwing good money after bad.
例文:A.議員として仕事をしてなくても歳費はもらえるらしいよ。
B.それじゃあ、盗人に追い銭だね。
②二階から目薬
意味:1.とても回りくどいこと、物事がうまく運ばずもどかしいこと
2.回りくどい上に、効果が全く見られないこと
※二階から目薬をさしたら、たまたま目に入った「まぐれ当たり」というような
解釈をしそうですが、それは間違いです。
由来:江戸時代の「風流御膳義経記」の中に、由来となる句が書かれています。
「二階から目薬をさす仕掛け、さりとは急な恋ぞかし」
③他山の石(=たざんのいし)
意味:よその山から出た粗悪な石も自分の宝石を磨くのに利用できることから、
他人のつまらぬ言行も自分の人格を育てる助けとなること。
由来:中国最古の詩集「詩経」にある「他山以の石をもって玉を攻(おさ)むべし」
例文:(寺田寅彦「科学と文学」昭和8年より)
文学者の文学論、文学観はいくらでもあるが、科学者の文学観は
比較的少数なので、いわゆる他山の石の石くずぐらいには
なるかもしれないというのが、自分の自分への申し訳である。
※寺田寅彦は以前ご紹介した「天災は忘れた頃にやってくる」の言葉を残した人です。
「人の振り見て我が振り直せ」
日本語は正しく使いたいものですね。