横浜六浦教室のメッセージ
数の暗黙知~「メイクテン」のすすめ
2021.05.18
「暗黙知」とは言語化できない知識のことです。ハンガリーの物理化学者、
社会科学者であるマイケル・ポランニーの用語で、『暗黙知の次元』で
議論されました。人間の身体性に基づいた部分は言語化できないことが多く
たとえば、自転車の乗り方の多くの部分は言語化できません。
「九九(=くく)」は小学2年生で習いますが、これが最も基礎的な、
数についての暗黙知の元になるでしょう。「12」という数字を見て、
「=2×6」とか「=3×4」だと思いつけるのも暗黙知があればこそです。
これができると、小学5、6年生で出てくる分数の計算(約分や通分)、
さらには中学校で習う方程式や(素)因数分解、平方根の計算に、
すんなりと入っていくことができます。
また「メイクテン(=make10)」という数の遊びをくり返しやることで、
確実に数の力が身につきます。車のナンバープレートに書かれている
4桁の数字それぞれを、足す、引く、かける、わる、の四則を使って、
「10をつくる」という遊びです。ひとりで考えるのもよし、家族や友だちと
競争するのもよし。10をつくるために、あれこれ試行錯誤することで、
どんどん数に慣れていきます。
どうしても10にできない並びもありますが、本当にできないのかどうかを
確かめる過程そのものも数学力になりますから、ためしにやってみませんか。
基本は「+」「−」「×」「÷」と( )を使うのですが、さらに何乗を使ってよいなど
独自のルールを加えていくと、さらに計算力は向上します。「10をつくる」
という最終的な答えや目標を常に頭に置きつつ、個別の数の性質や
使い方を見ていくというところが、脳のトレーニングとしては優れています。