横浜六浦教室のメッセージ
覚えておきたい慣用句(23)~我慢の限界編
2021.07.08
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、東京都に7月12日から
8月22日の間、4度目の緊急事態宣言を発出することが明らかになりました。
①「堪忍袋の緒が切れる」(=かんにんぶくろのおがきれる)
意味:我慢(=がまん)できなくなって、怒りが爆発すること
「堪忍」とは怒りをこらえて勘弁すること、そして「堪忍袋」とは、怒りをこらえて
許す度量(=どりょう)を袋に例えたもの。「緒(お)」とは、糸やひものこと。
「堪忍袋」を結んでいた「緒」が切れて、怒りが爆発した状態をあらわしています。
英語表現:1.I can't stand it anymore.(=もうこれ以上我慢できない)
2.This is the last straw.(=これ以上我慢できない。これが限界だ)
※全文:This is the last straw that breaks the camel's back.
(=最後に載せるのが藁(わら、=straw)1本であっても、限度を超えたら、
ラクダ(=camel)の背(=back)が折れる
3.I have hit my limit. (=私は限界に達した)
②怒り心頭に発する(=いかりしんとうにはっする)
意味:激しく怒ること。「心頭(=しんとう)」は心の中という意味です。
※怒り心頭に達(たっ)するは、誤った使い方です。
③業を煮やす(=ごうをにやす)
意味:思うようにことが進まず苛立つ(=いらだつ)。腹を立てる。
「業」は「ごう」と読み、仏教用語で「人間の体や言葉、心によって行われる働き」
を指します。また、「人の担っている運命」という意味もありますが、この場合は、
心の働きを意味しています。苛立ち(=いらだち)を覚えると心拍数が上がり、
頭に血が上り、体温が上がったように感じます。そこから「煮やす」という比喩が
使われるようになったと推測できます。