横浜六浦教室のメッセージ
分断して統治せよ~Divide et impera(ディヴィデ エト インペラ)
2021.07.12
分断統治とは、支配階層が世の中を統治しやすくするために、支配される側の
結束を分断して、支配層への反乱を未然に防ぐための統治法です。
古代ローマの話で出てくることが多いので、ラテン語の言葉から
「Divide et impera (=ディヴィデ エト インペラ)」とも呼ばれます。
imperaは、インペラートル(皇帝)のインペラで、「支配する」という意味です。
Divideは、英語のdivide(=分ける)と同じです。
支配される側を一級市民と二級市民に分けて、扱いに差をつけます。
すると生活に不満があっても、一級市民は二級市民を見下すことで
不満の捌(は)け口にします。当然、二級市民は一級市民を敵視するように
なります。支配される側の人々は、仲たがいをして小さな利害でも対立します。
支配される側の人々は互いにささいなことで争うので、支配階層に対する
批判の矛先を逸(そ)らすことができるのです。分断統治とは、人々が持つ
差別意識や優越意識をも利用する統治法です。
今の政権与党は、東京オリンピックを利用して、日本国民を分断しました。
オリンピックに群がる企業と、敵視され切り捨てられる飲食業。
政権与党に近い企業と、第5波の到来で悲鳴をあげる医療関係従事者。
当初のルールが形骸化する中でワクチンを接種できた人と、まだできない人。
オリンピックは国民に感動を与えられるという人と、嫌悪感すら覚える人。
そもそもオリンピックの開催に、賛成する人と反対する人。
オリンピックの開催に反対する人を「反日的な人」と言ってしまう前首相。
何のために開催するのか、感染が拡大したら責任はどう取るのかと問われ
明確な答えを出さない首相。すべて有耶無耶のまま、開催に進んでいくのです。