横浜六浦教室のメッセージ
13秒の開会宣言
2021.07.24
天皇陛下は、「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを記念する、
東京大会の開会を宣言します」と述べられました。新型コロナウイルス禍を
考慮して、「祝い」の文言は使わず祝祭感を抑えた表現となりました。
オリンピックの開会宣言は五輪憲章で文言が決まっており、国家元首が
これに従って読み上げることになっています。
五輪憲章をもとに定められた今回の開会宣言(英文)
I declare open the Games of Tokyo celebrating
the thirty second Olympiad of the modern era.
※celebrating は、「祝い」があてられてきましたが「記念する」とされました。
※Olympiad には、1.(近代)オリンピック大会、2.古代ギリシャで、
オリンピア祭と次のオリンピア祭との間の4年間。という意味があります。
五輪開会式での天皇陛下の英語表記
His Majesty the Emperor Naruhito
majesty は単独で「威厳」という意味です。そこに hisや、herなどの
三人称の所有格、あるいは yourの二人称所有格をつけて
「彼、彼女の威厳」または「あなたの威厳」としました。高貴な
位のある人への呼びかけとして使われてきたので、特別な言い方として
大文字で表すようになりました。日本語の訳語としては「陛下」となります。
現在、世界で「emperor=エンペラー(皇帝)」と呼ばれる人物は、
たった一人だけ、日本の天皇です。世界に国王・女王はいるものの、
皇帝は天皇を除いていません。国際社会においては、天皇のみが
「king/queen=キング/クイーン」よりも格上とされる「エンペラー」
と見なされているのです。
英語のルールでは、基本的にお名前が入る場合定冠詞 theは
消失しますが、宮内庁の英語サイトでは、現天皇陛下であることを
明示するためにあえて emperorの前に、theをつけています。