城南コベッツ綱島教室

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綱島教室のメッセージ

【小論文頻出テーマ】科学技術と人間の限界

2024.08.24

こんにちは!
城南コベッツ綱島教室です。

本日はおなじみ、小論文頻出テーマのご紹介です。

皆さんは『ブラック・ジャック』をご存じですか?
読んだことはなくとも、多くの方が知ってはいるのではないでしょうか。

漫画の巨匠・手塚治虫の手による、医療漫画の古典的名作です。
無免許の天才外科医ブラック・ジャックが、次々と難病を解決していく様が鮮やかです。

しかし、この漫画の白眉は、快刀乱麻の手術シーンにはないと、私は思っています。

たとえばブラック・ジャックの相棒(?)に「ピノコ」という女の子がいます。
少し舌足らずな、かわいい喋り方をする人気キャラクターですよね。
ところでこのピノコ、誕生のいきさつを知っていますか?
それはブラック・ジャックのもとを訪れた患者の「奇形腫」だったのです。

ブラック・ジャックのもとに運ばれた患者の「こぶ」を切除すると、
その中には脳・手足・内臓など、いわば「人間の一式」がそろっていました。
ブラック・ジャックはそれを組み立て、ピノコを誕生させるのです。

漫画『ブラック・ジャック』には、このように人間とそうでないものの境界を曖昧にするような存在のエピソードが多数現れます。
その際、大きな鍵になるのは医療技術、すなわち「科学」です。

これは実際の臨床現場でも、珍しい光景ではありません。
脳死患者の呼吸が医療装置によって維持されている場合。
ペースメーカーを身体に埋め込み、心臓の働きを正常化させている場合。

人間は科学技術によって生命を維持できることがあるわけですが、
では極端に言えば、脳を残して他の肢体がすべて合金であるという場合を、私たちはどう考えるでしょうか?

科学技術は確実に人間の生命にとって利をもたらしてきました。
そして同時に、人間とは何かという命題をも突き付けているのです。