大山教室のメッセージ
高校Watch7月第4週号
2023.07.24
学校のキャッチコピーからブランディングを学ぶ職場体験
自分の学校の強みを生かしたキャッチコピーをつくろう――。企業のブランディングなどを手掛ける㈱揚羽(東京都中央区)で7月5~6日に、同千代田区立九段中等教育学校の2年生が、受験を考えている小学生をターゲットに同校のキャッチコピーを考える一風変わった職場体験学習が行われた。参加した生徒は2日間かけて、ターゲットのイメージを広げたり、ライバル校と比較したりしながら、同校の魅力が伝わる言葉を吟味していった。
同社への職場体験には、4人の生徒が参加。2人1組に分かれて、同社の社員からブランディングの考え方について説明を受けながら、実際に同校のキャッチコピーを作成する課題に挑戦した。課題ではターゲットを、同校への受験を考えている小学生と設定。ワークシートを使って、その小学生がどんな人物かをより具体的にしていき、その小学生が他にも受験する可能性が高いと思われる近隣の学校をピックアップしていった。次に、その競合相手となる学校の特徴をインターネットで調べ、比較しながら、ターゲットにとって九段中等教育学校にしかない魅力を発見。その魅力を訴求するキャッチコピーを検討していった。
「グローバルな風を巻き起こせ!Creative the world~From Kudan~」というキャッチコピーを考えたグループは、サッカーが好きな同級生の友人をヒントにイメージを膨らませた。
将来はサッカーを通じて海外で仕事をしたい夢があると想定し、英語教育に力を入れている同校をアピールした。
「高め合おう 先輩、友人と共に挑戦できる環境~」というキャッチコピーを打ち出したもう一方のグループは、同校で活躍する先輩の生徒の姿から、部活動の充実ぶりなどが決め手になると予想。ライバルを同じ公立校の東京都立両国高校附属中学校に定め、いかに差別化しつつ、ターゲットに刺さる表現にできるか苦心した。
参加した生徒は「最初はブランディングという言葉もよく知らなかったが、思っていた以上に楽しくて、頭を使った。キャッチコピーを考えるのはとてもいい仕事で、達成感があった」などと活動を振り返っていた。
この活動を担当した同社ブランドマーケティング部マーケティンググループの祝美樹さんは最後に「世の中にあるキャッチコピーやCMを見掛けたときに、何がターゲットなのか、競合はどこなのか、この会社が伝えたいことは何だろうとちょっと考えてみると楽しいかもしれない。今日の帰り道、電車の広告などに目を向けてみて。将来、広告の仕事に就かなかったとしても、こういうことを知っておくと、見方が変わると思う。これからも伝えるということを大切に考えていってほしい」と生徒にアドバイスしていた。
(「教育新聞」2023年7月7日掲載記事参考)
<編集後記> 子どもが知っている実社会の「仕事」はかなり限られています。このような機会があることで「こんな仕事があるのか」と視野が広がるだけでなく、将来に向けてやりたいことが定まっていく一助にもなるでしょう。1つの仕事に限らず、様々な仕事を体験できる機会があると良いですね。 |
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