2023.05.29
【高校生が循環型社会を創る】 職業学科とソーシャルビジネス
園芸福祉の活動やNPO法人の設立、バイオマスプラントによる循環型農業の実践など、地域と連携した活動に取り組んできた三重県立相可高等学校生産経済科の新谷和昭教諭。「これらの活動は高校生が自分の役割を学ぶ場であり、地域課題の解決に取り組むソーシャルビジネスは、職業学科高校の在り方の一つ」だと話す。インタビューでは職業学科が地域と連携していくことの意義などについて詳しく聞いた。
生徒たちの卒業後の進路について教えてください。
半数ほどは進学し、半数ほどは就職で大半が県内に残ります。進学先としては、大学の農学部や園芸学部、ソーシャルビジネス関係などです。もともと保育士になりたくて、園芸福祉で保育所での実習があるから入学したという生徒もいます。 園芸福祉士の資格も取得できるので、植物を育てられる保育士や園芸ができる介護士など、そういった進路を考えている生徒もいます。私としては、できれば生徒たちに地元に残ってほしい。今は、地元の企業も優秀な人材を求めて本校に協力的なので、卒業後も地元で就職しやすい状況があります。地元企業が活性化していくことも大切ですし、その点で今後も連携協力を継続していきたいですね。
これまでの話を聞くと、生徒たちがただ仕事を体験してみるだけでなく、地域の課題と向き合っているように感じます。
地域の課題をビジネスの観点から解決していこうという取り組みは、これからの地域の職業学科高校の在り方の一つだと思います。
ただ、本校は農業高校なので、すぐには結果が出ないことが課題です。例えば今、シャクヤクの栽培について研究をしているのですが、6年がたった今も、研究が終わっていません。シャクヤクは葛根湯の原料になる植物で、全国的には長野県や新潟県など涼しい地域で育てられています。三重県では北部の鈴鹿市が産地です。
これを三重県の南部でも栽培できれば、高齢化が進む尾鷲や熊野の耕作放棄地の解消につながり、地域の活性化につながるのではないかと本校に相談が来ました。シャクヤクを育てること自体はどこでもできるんですが、葛根湯など漢方薬の成分の含有量が少ないと商品としての価値が落ちるんです。
実際に育ててみると本当にきれいな花が咲いて、消臭効果や美白効果があることも分かりました。そこで生徒たちは、デオドラントスプレーの開発に取り組みました。シャクヤクは香りがあまり強くないので、近隣の森林組合に協力していただいて、木の香りのオイルと合わせたデオドラントスプレーを考えたのです。
授業を受け、実習に参加し、更にNPOや農業クラブでも活動するとなると、生徒はなかなか忙しそうですね。
確かにそうですが、農業クラブやNPOを頑張っている生徒は、むしろ授業にもちゃんと取り組んでいます。もちろん「数学で習ったことが何の役に立つの?」と言う生徒もいます。でも、「こんなこともできない人間が社会で通用しないぞ」というのが私の口癖です。例えば、シャクヤクを育てることと、数学で計算することは、「体験」という意味では一緒です。そう考えられる生徒は伸びます。今の高校生はわれわれ大人がしていないような体験をたくさんしています。だから自信を持ってほしいですね。
(「教育新聞」2023年5月22日掲載記事参考)
<編集後記> 将来の仕事を急いで決める必要はありませんが、今現在興味があり将来の仕事につなげていきたいと思えるようなことがあるのであれば、高校から職業学科の選択をすることも有効でしょう。一方で、興味が失われ別の進路に進みたくなる場合のことも想定して慎重に考える必要もあるでしょう。 |
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