学芸大学駅前教室のメッセージ
【雑学】南部鉄器
2024.03.26
こんにちは。
講師のIです。
こんにちは。
先日一人旅に行った盛岡で、ふらっと南部鉄器展に入ってみました。
日本を代表する伝統工芸品は、とても奥が深かったのでご紹介します!
「南部鉄器」は、主に岩手県盛岡市や奥州市で伝統的に生産されてきた鉄工芸品です。
南部鉄器展では南部鉄器の歴史を知ることが出来るのはもちろん、
現代の芸術として昇華されていく過程や技術も知ることが出来ました!
南部鉄器のルーツは平安時代にまでさかのぼることが出来ます。
もともと鉄がよく採れた現在の岩手県に、鉄器職人や釜師が招かれたために発展した文化だと言われています。
しかし昭和時代に入り戦争が始まると、鉄資源は貴重な軍事物資として回収されてしまいました。
多くの職人たちが軍需工業へ転業したり、鉄瓶の製造自体が禁止されてしまったりしたこともありました。
このような状況を見て南部鉄器の伝統技術の衰退を恐れた職人たちは、
戦時中にもかかわらず商工省に嘆願し技術保存者として認めてもらうことに成功します。
当時奮闘してくれた職人たちのおかげで南部鉄器の伝統は守られ、
現代に生きる私たちも素晴らしい文化に触れることが出来ているのですね。
戦後には現在の南部鉄器協同組合が設立され、南部鉄器生産はより盛り上がっていきました。
1975年には「通商産業大臣(現在は経済産業大臣)指定伝統工芸品」の第一号に選ばれています。
現在、伝統工芸品に登録されているものは全国で240品を超えています。
その中の第一号である南部鉄器は、日本を代表する伝統的な工芸品だと言っても過言ではないでしょう。
現代では、南部鉄器職人それぞれの個性あふれる作品が作られています。
伝統的な技術を応用して作られた作品は、現代アートらしさの中に日本の伝統を感じられるデザインになっているため
見ていてとても楽しい気持ちになれました。
伝統工芸品が長く広く人々から愛される理由がわかったような気がします!
皆さんもぜひお気に入りの伝統工芸品を見つけてみてください!