2024.03.26
=/ 女性管理職比率 /=
203030とは、政府が「2030年までに社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が30%になるように」と定めた女性管理職比率の数値目標です。
政府は、過去に何度か女性管理職比率の数値目標を掲げています。
まず、2003年、当時の小泉内閣が202030を初めて数値目標として掲げましたが、当時の企業における女性管理職比率は8.9%(内閣府『男女共同参画白書』2003年版)と、1割にも満たない数字だったため、実現不可能とも言える数値目標を定めること自体に反発や批判の声が上がりました。
さらに、2013年には、改めて202030を数値目標に定めましたが、その2年後、2020年の民間企業の女性課長職の割合を15%にすると下方修正し、事実上、202030の達成を断念しました。
そして、2020年12月に閣議決定された第5次男女共同基本計画において、『2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指す。そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める』とし、203030が定められました。
出典:(株)クオリア_ダイバーシティ&インクルージョンに関する用語集
女性管理職が増えない原因は、仕事と家庭の両立が難しくなることも理由の1つです。また、出産や育児のために長期休暇を取得することで、評価や昇進に影響が出ることも考えられます。
育児休暇制度やワークスタイルの見直しなど、社会全体の問題も女性管理職の増加に影響を与えていると言えそうです。
=/ 203030達成に向けて /=
(社)日本経済団体連絡会(以下、経団連)は、2020年『。新成長戦略』内で「多様な人々の活躍推進への取り組み」を掲げました。経団連とは、国の経済政策に対する、経済界からの発言力を確保することを目的として結成された団体です。
参考:経団連_。新成長戦略
その具体的な目標として「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」ことを目指し、会員企業の女性役割増員にむけた活動、「2030年30%へのチャレンジ」を始めると宣言しました。
参考:経団連_2030年30%へのチャレンジ
この取り組みの結果、プライム市場上場企業における女性役員の割合は、過去10年間で徐々に増え、2022年の11.4%から2023年は13.4%に増加しました。
出典:男女共同参画局
203030の目標を達成するためには、官民の垣根を超えて、実効性のある一層の取組みが期待されています。
=/ 「女子枠」制度 /=
2023年度入試から急速に拡大している理工系学部における「女子枠」制度について、社会的な関心が高まっています。
「女子枠」とは、総合型選抜や学校推薦型選抜で女子専用の入学者枠を設けたり、女子のみ入試科目を一部撤廃したり、筆記試験を撤廃するなどして、女子入学者を増やすための取り組みを指します。
これまでも女子枠を設けていた大学が、募集人員を増やしたり(富山大学)、実施学科を拡大(名古屋工業大学、神奈川大学)したりするケースに加えて、新しく女子枠を導入した大学が多数あります(新規導入は、国立大8校、公立大2校、私立大13校)。2025年入試でも、国立大で新規導入7校、実施学部・学科の拡大2校が判明しています。
出典:旺文社_教育情報センター
工学部の女子学生の比率は、他の学部と比べてかなり低くなっています。
文部科学省によると、去年全国の大学の工学部に所属する学部生のうち、女子学生の比率は約15.8%となっています。
出典:NHK_NEWS WEB
文学部を含む「人文科学」や、経済学部・商学部を含む「社会科学」などに比べると半分以下の比率で、工学部の約15.8%ほどという数字は、20年以上変わっていないということです。
海外と比べてみても、2019年にOECD(経済協力開発機構)が行った調査によると、日本の大学で理系分野に進む女子学生の比率は主要先進国38か国の中で最下位というデータがでています。
文部科学省も大学に対し、多様な背景をもった者を対象とする選抜を行うことと、それらに対する配慮を求めています。
しかし、「女子枠」導入にあたって、優秀な女子学生の獲得や学部のジェンダーバランス改善、学生の多様性促進が期待される一方で、「受験の公平化」や「男子学生に対する不公平感」、「男女という『分け方』への是非」も問われています。
名古屋大の工学部長である宮﨑誠一氏によると、「名古屋大の女子枠では、最低限の学力があることを前提としており、面接と書類審査のみならず、大学入学共通テストを課し、基礎学力のある生徒のみを選抜している。」ということです。
つまり、基礎学力が足りずに授業についていけなくなることも想定し、合否の判断は慎重に行っているということです。
出典:Business Journal
「女子枠」は、大学で学んだスキルを活かし、将来、より多くの女性たちがキャリアアップを目指せるようになるための制度です。
各大学は、それぞれ合否の判断基準を設けていますので、決して日頃の学習をおろそかにしても構わないということではありません。
基礎学力を維持した上で、さらに高みを目指していただきたいと思います。
203030とは、政府が「2030年までに社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合が30%になるように」と定めた女性管理職比率の数値目標です。
政府は、過去に何度か女性管理職比率の数値目標を掲げています。
まず、2003年、当時の小泉内閣が202030を初めて数値目標として掲げましたが、当時の企業における女性管理職比率は8.9%(内閣府『男女共同参画白書』2003年版)と、1割にも満たない数字だったため、実現不可能とも言える数値目標を定めること自体に反発や批判の声が上がりました。
さらに、2013年には、改めて202030を数値目標に定めましたが、その2年後、2020年の民間企業の女性課長職の割合を15%にすると下方修正し、事実上、202030の達成を断念しました。
そして、2020年12月に閣議決定された第5次男女共同基本計画において、『2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指す。そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める』とし、203030が定められました。
出典:(株)クオリア_ダイバーシティ&インクルージョンに関する用語集
女性管理職が増えない原因は、仕事と家庭の両立が難しくなることも理由の1つです。また、出産や育児のために長期休暇を取得することで、評価や昇進に影響が出ることも考えられます。
育児休暇制度やワークスタイルの見直しなど、社会全体の問題も女性管理職の増加に影響を与えていると言えそうです。
=/ 203030達成に向けて /=
(社)日本経済団体連絡会(以下、経団連)は、2020年『。新成長戦略』内で「多様な人々の活躍推進への取り組み」を掲げました。経団連とは、国の経済政策に対する、経済界からの発言力を確保することを目的として結成された団体です。
参考:経団連_。新成長戦略
その具体的な目標として「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」ことを目指し、会員企業の女性役割増員にむけた活動、「2030年30%へのチャレンジ」を始めると宣言しました。
参考:経団連_2030年30%へのチャレンジ
この取り組みの結果、プライム市場上場企業における女性役員の割合は、過去10年間で徐々に増え、2022年の11.4%から2023年は13.4%に増加しました。
出典:男女共同参画局
203030の目標を達成するためには、官民の垣根を超えて、実効性のある一層の取組みが期待されています。
=/ 「女子枠」制度 /=
2023年度入試から急速に拡大している理工系学部における「女子枠」制度について、社会的な関心が高まっています。
「女子枠」とは、総合型選抜や学校推薦型選抜で女子専用の入学者枠を設けたり、女子のみ入試科目を一部撤廃したり、筆記試験を撤廃するなどして、女子入学者を増やすための取り組みを指します。
これまでも女子枠を設けていた大学が、募集人員を増やしたり(富山大学)、実施学科を拡大(名古屋工業大学、神奈川大学)したりするケースに加えて、新しく女子枠を導入した大学が多数あります(新規導入は、国立大8校、公立大2校、私立大13校)。2025年入試でも、国立大で新規導入7校、実施学部・学科の拡大2校が判明しています。
出典:旺文社_教育情報センター
工学部の女子学生の比率は、他の学部と比べてかなり低くなっています。
文部科学省によると、去年全国の大学の工学部に所属する学部生のうち、女子学生の比率は約15.8%となっています。
出典:NHK_NEWS WEB
文学部を含む「人文科学」や、経済学部・商学部を含む「社会科学」などに比べると半分以下の比率で、工学部の約15.8%ほどという数字は、20年以上変わっていないということです。
海外と比べてみても、2019年にOECD(経済協力開発機構)が行った調査によると、日本の大学で理系分野に進む女子学生の比率は主要先進国38か国の中で最下位というデータがでています。
文部科学省も大学に対し、多様な背景をもった者を対象とする選抜を行うことと、それらに対する配慮を求めています。
しかし、「女子枠」導入にあたって、優秀な女子学生の獲得や学部のジェンダーバランス改善、学生の多様性促進が期待される一方で、「受験の公平化」や「男子学生に対する不公平感」、「男女という『分け方』への是非」も問われています。
名古屋大の工学部長である宮﨑誠一氏によると、「名古屋大の女子枠では、最低限の学力があることを前提としており、面接と書類審査のみならず、大学入学共通テストを課し、基礎学力のある生徒のみを選抜している。」ということです。
つまり、基礎学力が足りずに授業についていけなくなることも想定し、合否の判断は慎重に行っているということです。
出典:Business Journal
「女子枠」は、大学で学んだスキルを活かし、将来、より多くの女性たちがキャリアアップを目指せるようになるための制度です。
各大学は、それぞれ合否の判断基準を設けていますので、決して日頃の学習をおろそかにしても構わないということではありません。
基礎学力を維持した上で、さらに高みを目指していただきたいと思います。