高校生大学入試にはどんな種類がある?各選抜方法の違いを分かりやすく解説します。
教育改革によって、2021年度からの大学入試では、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を軸にした新しい選抜制度が導入されました。
大学入試では、自分に合った選抜方法を選択することが合格への近道とも言えるため、それぞれの選抜方法の違いを正確に把握しておくことが大切です。
この記事では、大学入試における選抜方法の違いを解説します。
一般選抜とは
「一般選抜」とは、これまでは「一般入試」と呼ばれていた選抜方法で、受験生の教科学力を評価対象とするのが特徴です。
「一般選抜」の試験内容は、大学入試センターが実施する「大学入学共通テスト」と、各大学が独自に実施する「一般選抜試験」に大きく分かれます。
「大学入学共通テスト」とは、2020年度まで実施されていた大学入試センター試験が、教育改革によって2021年度から名称を変更したもので、国公立大学の一次試験、また私立大学の選抜方法の1つとして利用されています。
「一般選抜試験」は国公立大学と私立大学では一部内容が異なります。両者の違いについて詳しく見ていきましょう。
国公立大学の場合
国公立大学の「一般選抜」では、一次試験(大学入学共通テスト)と二次試験の合計で合否を決定しますが、一部の大学では定員の関係で、大学入学共通テストの結果によって二次試験の受験生を絞る「足切り」が行われることもあります。
「大学入学共通テスト」の内容は5教科7科目型が基本です。6教科30科目の中から大学が指定します。二次試験は大学の独自の問題が用意されています。
国立大学は前期・後期の2日程、公立大学は前期・中期・後期の3日程ですが、募集人数の約8割が前期で決まるため、倍率・難易度ともに後期が高くなるということを覚えておきましょう。
私立大学の場合
私立大学の「一般選抜」は、大学の独自問題だけで合否を決める個別選抜と、「大学入学共通テスト」受験を必要とする共通テスト利用型入試の2つに分類されます。
個別選抜は3科目3教科型が基本です。共通テスト利用型入試は「大学入学共通テスト」の得点だけで合否を決める方法と、共通テストと個別選抜の結果から総合的に決める方法に分かれます。
大学によって必要な受験科目や配点が大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。
学校推薦型選抜とは
学校推薦型選抜は、公募制と指定校制に大きく分かれます。
公募制の学校推薦型選抜は、出願時に出身高校からの推薦書が必要です。推薦書を入手するには、各大学の指定する評定平均といった推薦基準を満たさなくてはなりません。公募制なので、出願できる高校に制限はなく、学校長の推薦があれば誰でも出願できます。
指定校制の学校推薦型選抜も、出願時に出身高校の推薦書が必要という点は、公募制の学校推薦型選抜と同じです。しかし、出願できるのが、大学が指定した一部の高校(指定校)に限られ、また1校あたりの推薦可能者数に限りがあるという点が違います。
学校推薦型選抜も国公立大学と私立大学では一部内容が違います。両者の違いについて詳しく説明していきます。
国公立大学の場合
国公立大学の学校推薦型選抜は、私立大学と比べて募集人員が少ない上に、出願の条件が厳しく設定されていることが多く、ハードルが高いのが特徴です。
試験内容は大学入学共通テストを課す場合と課さない場合の2つに分かれています。大学入学共通テストが課されない場合でも、小論文やプレゼンテーション・口頭試問・実技などが課されるので、学校推薦型選抜を狙っている人は事前に試験内容を確認しておきましょう。
私立大学の場合
私立大学の学校推薦型選抜は、国公立大学と比べて募集人数が多く、入学者の約4割が学校推薦型選抜の合格者であると言われています。
出願条件も国公立大学と比べてそこまで厳しい条件を設けておらず、学業成績だけでなく、課題活動実績なども踏まえながら総合的に合否を決定します。スポーツ推薦・有資格者推薦・課外活動推薦などが一例です。
書類審査や小論文・面接・プレゼンテーションなどで選考し、共通テストや学力試験を全く課さない大学もあります。
総合型選抜とは
総合型選抜では、学校推薦型選抜で必要となる学校長の推薦は不要です。大学側が求めている人物像に合っているという条件を満たしていれば、誰でも出願できるのが特徴です。ただし、資格・検定の成績や活動実績などの出願条件が指定されており、それをクリアしていることが必要です。
書類審査や小論文・面接、グループディスカッションやプレゼンテーションなどで合否を決定します。
総合型選抜も国公立大学と私立大学では一部内容が違います。両者の違いについて詳しく解説していきます。
国公立大学の場合
国公立大学の総合型選抜では、全体的に厳しめの成績基準や学力試験を設けているケースも多く、出願条件を満たせるかどうかがカギを握ります。
また、国公立大学は私立大学よりも総合型選抜を実施しているところが少なく、受験可能な大学が絞られてくる点に注意が必要です。
私立大学の場合
私立大学の総合型選抜では、出願条件が国公立大学と比べると緩めに設定されていますが、その代わり志望理由や活動実績が評価に占める割合が高くなります。
積極的に多種多様な学生を受け入れるために総合型選抜を実施している大学が多いため、数多くの選択肢の中から自分に合った大学を選べるでしょう。
まとめ
2021年度から新しい入試制度に切り替わったことによって、出願条件が以前よりも大きく変化している大学もあります。
違いを理解していないと自分に合った大学に進学できるチャンスを逃す恐れがあるため、各選抜方法の違いを把握しておくことが大切です。
また、受験要件に成績要件が設けられている大学の場合は、成績要件を満たしていなければスタートラインに立てません。受験で後悔しないためにも、コツコツ勉強しておきましょう。
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