高校生大学の受験時・入学時にかかる費用はいくら?大学受験・入学時にかかる費用を解説します。
大学受験を検討している高校生やその保護者の中には、大学受験時の受験料や入学時にかかる費用がどれくらいになるのか気になっている人も多いと思います。想像していたよりも高額で慌てて資金を用意することになった……という事態にならないためにも、受験前におおよその費用を把握しておくことが大切です。
この記事では、「大学受験時や入学時にかかるおおよその費用」について解説します。
大学の受験料はいくらかかる?
大学を受験する際は、受験する大学に受験料を納めなくてはなりません。受験料は選択する入試方式や受験する大学によって異なります。そのため、出願時にお金を用意できておらず焦るということがないように、余裕をもってお金を用意しておくことが大切です。
大学受験の受験料がいくらかかるのか詳しく見ていきましょう。
大学入学共通テストの受験料
「大学入学共通テスト」とは、独立行政法人の大学入試センターと大学が共同で実施している試験で、2020年度まで約30年にわたって実施されてきた「大学入試センター試験」の後継試験です。国公立大学の一般選抜を受験する受験生は、基本的に大学入学共通テストの受験が必要となります。また、私立大学の受験生であっても、大学入学共通テスト利用方式という入試方式を利用する場合は必ず受験しなければなりません。
大学入学共通テストの受験料は以下の通りです。
- 3教科以上:18,000円
- 2教科以下:12,000円
- 成績通知を希望する場合[※]:800円(手数料)
※成績通知の到着は入試期間終了後の4月以降に通知されるため、受験校の判断に使用することは不可
上記の受験料を9月~10月初旬に払い込みます。
国公立大学・私立大学の受験料
受験するのが国公立大学なのか私立大学なのかによっても、受験料は以下のように異なります。
- 国公立大学(二次試験):約17,000円
- 私立大学(一般選抜):約35,000円
※国公立大学は「一日程あたり」。前期・後期日程でそれぞれ必要となる
一見すると私立大学の受験料の方が高いと思いがちですが、国公立大学を受験する場合には先ほどの大学入学共通テストが一次試験となるため、両方を合算すると大差はありません。
国公立大学の二次試験の受験料の払込期間は1月末~2月初旬と10日程度しかありません。また、私立大学は大学によって受験料の払込期間が異なります。出願期間から12月中旬~1月下旬が1つの目安ですが、Web出願の場合には、早期の払込を指示する大学もあるので事前に受験要項を確認しておきましょう。
また、同じ私立大学入試でも、入試方式によっても受験料は以下のように異なります。
- 大学入学共通テスト利用入試:約15,000円
- 学校推薦型選抜・総合型選抜:約35,000円
受験料は大学だけでなく、学部によっても設定差があります。医歯薬系は他の学部と比べて受験料が高めに設定されているので注意が必要です。
大学入学共通テスト利用入試および学校推薦型選抜・総合型選抜は、大学によって受験料の払込期間が異なります。出願期間は大学入学共通テスト利用入試が1月~2月、学校推薦型選抜・総合型選抜が8月~11月なので、そのあたりが1つの目安です。特に学校推薦型選抜・総合型選抜は実施時期が各大学で大きく異なるため、受験要項をしっかり確認しましょう。
受験校の数によって変わる
大学受験では滑り止めを含めて複数校を受験するのが一般的です。受験校の数が多い受験生はその分、他の受験生よりも受験料が多くなるので注意してください。
日本政策金融公庫が令和3年に公表した「教育費負担の実態調査結果」によると、受験生1人あたりの受験費用(受験料ならびに交通費・宿泊費を含む)は、進学先別で以下のようになっています。
- 国公立大学:277,000円
- 私立大学文系:313,000円
- 私立大学理系:322,000円
大学受験全体で考えると多額の出費になることが予想されるので、あらかじめ用意しておきましょう。
なお、私立大学の場合、同一大学で複数の受験パターン(複数の学部・学課、複数日程など)を受けると受験料が割安になる学校が増えているため、受験校の数や受験パターンによって費用が変わるということも覚えておきましょう。
大学の受験料以外に必要な費用
大学受験でかかるのは受験料だけではありません。他にも以下のような費用がかかります。
- 願書
- 交通費
- 宿泊費
- 食事代
- 併願校の納付金
国公立大学は学内で受験を実施するため、移動の費用だけでなく、大学が遠方にある場合は前泊のための宿泊費がかかります。私立大学は遠方に住む受験生でも受験しやすいように各地に別会場を設けているケースも多く、場合によっては費用を抑えられるでしょう。
「受験会場が近い」「入試日程が連続している」といったように効率よく受験できる場合は、受験にかかる費用をある程度は抑えられますが、それでも少なくない受験費用がかかるので注意しましょう。
また、複数校を受験する場合は、併願校への納付金が必要となるケースが多いことも忘れてはなりません。合格発表から指定日までに納付金を納めないと入学資格が失われてしまうためで、志望順位の高い大学の合格発表より前に滑り止め校の入学資格が消失するのを防ぐために必要な費用になります。浪人回避のために滑り止めの大学を受験するのは一般的ですが、併願校への納付金は返還されないケースが多いため、慎重に受験プランを立てましょう。
大学入学時にかかる費用全体の目安
大学受験にかかる受験料やその他の費用について説明しましたが、最終的にどのくらいの費用が大学入学時にかかるか、具体的な額が気になっている人も多いと思います。
先ほどの日本政策金融公庫が令和3年に公表した「教育費負担の実態調査結果」によると、「大学入学時にかかる費用の平均※」は進学先別で以下の通りです。
※「学校納付金」「受験費用」「入学しなかった学校への納付金」の合計。
- 国公立大学:672,000円
- 私立大学文系:818,000円
- 私立大学理系:888,000円
また、これとは別に、大学に納める授業料や教科書代、通学の際の交通費などを含めた「大学に1年間在学する費用の平均」は以下となっています。
- 国公立大学:1,035,000円
- 私立大学文系:1,520,000円
- 私立大学理系:1,832,000円
加えて、下宿する場合は賃料などが発生しますので、大学受験から入学、その後の学生生活を見据えて最終的に必要となる費用感を想定しておくことが重要です。
まとめ
大学受験にかかる費用は20万円~30万円が一般的ですが、「どの入試方式を選択するのか」「併願校をいくつ受験するのか」「どのような学部を受験するのか」などによって変わってきます。また、交通費や試験会場付近に前泊するための宿泊費などもかかるため、総額でいくらくらいを用意しておかなくてはならないのか、事前に把握しておくことが大切です。
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