中学生比例・反比例ってなに? 身近な例や見分け方、グラフの描き方を解説
「比例・反比例の違いがよく分からない」「グラフ問題が苦手」と、悩んでいる中学生は多いのではないでしょうか。実は、中学1年生で習う「比例・反比例」は出題パターンが決まっていて、公式やグラフの描き方をマスターすることで点数アップが期待できる単元です。本記事では、比例・反比例の特徴から式の求め方、グラフの描き方までを分かりやすく解説します。
比例・反比例はどちらも「関数」

比例・反比例はどちらも「関数」に分類されます。関数とは、ある値(x)により、もうひとつの値(y)が決まる関係です。身近な例を使って、比例・反比例の関係をそれぞれ説明します。
xが増えるとyも増えるのが「比例」
比例の関係を見抜くポイントは「xが増えたときにyも増えているか」をチェックすることです。例えば、1箱120円のクッキーを1箱買うと120円ですが、2箱だと240円、3箱なら360円というように、「クッキーの箱数(x)」が増えるにつれて「料金(y)」は高くなりますよね。

このように、xが2倍・3倍に増えると、yも2倍・3倍に増える関係が「比例」です。先ほどの関係を表した式は、「y(料金)=120円(1箱の料金)× x(箱数)」です。記号の前にある×は省略する決まりなので、比例の式は「y=120x」になります。なお、増える・減る基準となる数(この場合は120)を「比例定数(aで表す)」と呼び、比例の関係式は「y=ax」で表します。
xが増えるとyが減るのは「反比例」
xの値が増えるにつれてyの値が減る場合、xとyは「反比例」の関係にあるといえます。例えば1ホールのケーキを1人で食べると当然、1人分の量は1ホールですよね。ただ、同じケーキを2人で分けると、1人分の量は全体の1/2になります。3人で分けると1/3に、4人で分けると1/4と、人数(x)が増えるほど1人分の量(y)は減っていきます。

このように、xが2倍・3倍に増えるにつれて、yが1/2倍・1/3倍になる関係が「反比例」です。先ほどの関係を式で表すと、y=1/xになります。比例定数は1(例の場合)で、反比例は「xとyをかけた数が比例定数になる」のが特徴で、関係式は「y=a/x」で表します。
比例の練習問題と解説

比例に関する問題は、大きく「関係式を使うもの」と「グラフと描くもの」に分かれます。例題を解きながら、それぞれの答えを導き出すポイントを確認しましょう。
関係式を使う問題
「y=ax」の関係式を使う問題は、「比例定数が示されているパターン」「x・yの値が示されているパターン」「比例の式を見分けるパターン」が主流です。
【比例定数が示されている問題例】
1個80円のみかんがあります。みかんをx個買ったときの代金をyとして、yをxの式で表しなさい。
〈解説〉
比例定数(この場合は1個あたりの代金)が80円と示されているので、答えは「y=80x」です。
【x・yの値が示されている問題例】
yはxに比例し、x=4のときy=16です。yをxの式で表しなさい。
〈解説〉
この場合は比例定数が示されていないため、まずは比例定数を求めます。「y=ax」の関係式にx=4とy=16をそれぞれ当てはめると16=4aになるので、a(比例定数)は4です(a=16÷4)。
求めた比例定数をaに当てはめると、答えは「y=4x」です。
【比例の関係を見分ける問題例】
以下のうち、比例の関係を示す記号を全て選びなさい。
(a)y=4/x
(b)y=2x+3
(c)y=3X
(d)y/4=x
〈解説〉
「y=ax」の関係式になっているかで判断します。
(a)は反比例の公式です。
(b)は+3があるので「y=ax」には当てはまりません。
(c)は比例の関係式です。
(d)比例ではないようにも見えますが、両辺に4をかけると「y=4x」になります。
よって、答えは(c)と(d)です。
グラフを描く問題
比例のグラフは、0を通る直線になるのが特徴です。慣れないうちは、xとyの数を表に整理してからグラフを描くと良いでしょう。
【y=3xのグラフ】
xが1増えると、yは3増えるので、「x軸が1でy軸が3」のところに点を打ちます。同じ要領でxが2増えた場合(x軸が2でy軸が6)、3増えた場合(x軸が3でy軸が9)というように、点を打っていく流れです。


注意したいのは、負の数もあることです。0を中心として、xが1減るとyは3減る(x軸が-1でy軸が-3)というように、正負の両方を描く必要があります。点を打ち終わったら、0を通るように結んで完成です。

反比例の練習問題と解説

一方、反比例に関する問題も「式を求める」「グラフを描く」の2つが主流です。例題を使って、それぞれの解き方を確認しましょう。
関係式を使う問題
比例と同じように、「y=a/x」を使って解く問題をいくつか紹介します。
【比例定数が示されている問題例】
面積が36平方センチメートルの長方形で、縦の長さがxセンチメートル、横の長さがyセンチメートルのとき、yをxの式で表しなさい。
〈解説〉
長方形の面積を求める公式(縦×横)に当てはめると、xy=36です。「y=」の形にするには両辺をxで割る必要があるので、答えは「y=36/x」です。
【x・yの値が示されている問題例】
yはxに反比例し、x=4のときy=8です。yをxの式で表しなさい。
〈解説〉
xとyを使って、比例定数を求めます。ただ、反比例の場合は、xとyをかけた数が比例定数です(関係式でも、「y=a/x」の両辺にxをかけると「a=xy」となる)。そのため、答えは「y=32/x」です。
【反比例かを見分ける問題例】
以下のうち、反比例の関係を示す記号を全て選びなさい。
(a)y=3x
(b)y=16/x
(c)y+6=4x
(d)yx=10
〈解説〉
「y=a/x」の関係式になっているかで判断します。
(a)は比例の公式です。
(b)は、反比例の関係式です。
(c)は+6を右辺に移行すると「y=4x-6」で、反比例ではありません。
(d)は両辺をxで割ると「y=10/x」になり、反比例が成立します。
よって、答えは(b)と(d)です。
グラフを描く問題
反比例のグラフは、1つの式に対して2つの曲線「双曲線(そうきょくせん)」で表され、比例とは対照的に0を通らないのが特徴です。比例と同じく、xとyの数を表に整理してからグラフを描きましょう。
【y=8/xのグラフ】
xが1のときyは8になるため、x軸が1でy軸が8のところに点を打ちます。続いてxが2の場合(x軸が2でy軸が4)、3の場合と進んでいきます。ただ、xが3の場合は「y=8/3」で整数にならないので、割り切れる4の場合(x軸が4でy軸が2)と8の場合(x軸が8でy軸が1)で点を打ったほうが曲線を描きやすいでしょう。

反比例も比例と同様に、負の数があります。xが-1のとき、-2のとき、-4のとき、-8のときのyをそれぞれ求め、点を打つようにしましょう。反比例のグラフは必ず2本の曲線が描かれますので、正負それぞれのケースを忘れないようにしましょう。

比例・反比例は関数の第一歩
中学1年生で学習する比例・反比例は、2年生の「一次関数」や、3年生の「二次関数」につながる単元です。だからこそ、分からないところをそのままにせず、きちんと理解していくことが大切です。
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