中学生二次方程式の解き方は?平方根・因数分解・解の公式の使い方や練習問題も

中学校数学の難関ともいえる二次方程式に、頭を悩ませている中学生は多いのではないでしょうか。二次方程式は問題のパターンが決まっているので、解き方をおさえることで点数アップも期待できます。本記事では、平方根・因数分解・解の公式を使った解き方をそれぞれ解説します。練習問題も紹介しているので、学習にお役立てください。

二次方程式の計算が楽になる!解法の使い分け

二次方程式は、右辺と左辺が「=」で成り立つ方程式の一種です。「二次」とは、二乗(同じ文字を2回かけること)した文字が入っていることを意味します。例えば、「x²+4x+3=0」「a²−6a+8=0」のような式は、全て二次方程式です。

二次方程式の解法(解き方)は基本的に3つあり、「平方根」「因数分解」「解の公式」のいずれかを使って計算します。「どの解法が使えそうか」を判断できると、計算のロスを減らせるでしょう。計算が簡単な順に、解法の特徴と計算方法を説明します。

「x²=整数」が成立するときは「平方根」を利用

「x²=36」のように「文字の二乗=整数」が成立する二次方程式は、平方根を取ることで答えが求められます。整数とは小数・分数を除く実数を指します。正の数はもちろん、0や負の数(−がつく数)が含まれる点に注意しましょう。

「平方根を取る」には、「36が何の二乗か(x²=36の場合)」を考える必要があります。
二乗して36になる数には、6が該当します。もちろん正解ですが、(−6)を二乗した数も36になる点に注意しましょう。よって「x²=36」の答えは、「x=6」と「x=−6」です。

「9(3×3)」「16(4×4)」「25(5×5)」といった二乗が成立する整数を覚えておくと、「平方根が使えるか」を判別しやすいでしょう。九九では求められない、「121(11×11)」「144(12×12)」「169(13×13)」なども頻出です。

x²の係数が1のときは「因数分解」を試す

「x²+5x+4=0」のように、「x²」の係数が1で、かつ平方根が成立しない場合は因数分解を検討しましょう。因数分解は、二次方程式を一次式同士のかけ算にする方法です。係数は文字にかけられる数字を指し、1の場合は省略する決まりです。そのため、この場合「x²」の係数は1だと判断できます。「2 x²」の係数は2となります。

二次方程式で出題されやすいのは、「ax²+bx+c=0」を「(x+p)(x+q)=0」に因数分解するパターンです。さらに、pとqには「足してb、かけてcになる」という関係性があります。

先ほどの「x²+5x+4=0」で考えると、足して5、かけて4になる数字は「4」と「1」です。そのため、「(x+4)(x+1)=0」に因数分解できます。「(x+4)=0」「(x+1)=0」をそれぞれ計算し、答えは「x=−4」「x=-1」になります。

いずれも当てはまらないときは「解の公式」を使う

平方根が成立せず、因数分解もできそうにない場合は、「解の公式」を使います。一般的な二次方程式「ax²+bx+c=0」の答えは、「x={−b±√(b²−4ac)}/2a」の公式(解の公式)で求められます。

解きたい二次方程式の係数(a・b・cに当たる数字)を確認し、公式に代入するだけで答えが出せます。

例えば「2x²+3x−2=0」の場合は、「a=2」「b=3」「c=−2」です。解の公式に当てはめると、「x=−3±√(9+16)/4」になります。

さらに計算した式は「x=−3±√25/4」ですが、√25を整数に直せる点に注意しましょう。
√25は√5×√5と同じなので、「√a×√a=a」の公式が成り立ちます。
そのため、「x=−3±5/4」になります。

「x=(−3+5)/4」と「x=(−3−5)/4」をそれぞれ計算すると、答えは「x=1/2」と「x=−2」です。

二次方程式の練習問題と解説

二次方程式の練習問題は、「平方根」「因数分解」「解の公式」のいずれかを使って計算するパターンが主流です。ここからは練習問題を使って、答えの導き方を解説します。

「平方根」で解く場合

【問題例1】
x²−25=0を解きなさい。

〈解説〉
−25を右辺に移項すると「x²=25」になるため、平方根を取って答えを求めます。25の平方根は±5なので、「x=5」と「x=−5」が答えです。平方根を取るときには、+と−の2種類がある点に注意しましょう。

【問題例2】
3a²−48=0を解きなさい。

〈解説〉
「a²」の係数である3で割ると、「a²−16=0」が成立します。移項して「a²=16」となるので、平方根を取って答えを求めます。16の平方根は±4なので、答えは「a=4」と「a=-4」です。

「因数分解」で解く場合

【問題例】
x²+10x+16=0を解きなさい。

〈解説〉
平方根を取れそうにないため、因数分解が使えるかを試してみましょう。

数字に着目し、かけて「16」、足して「10」になる2つの数字を探します。かけて16になる式は「4×4」「16×1」「8×2」の3つなので、それぞれ足して10になるかを考えます。

「8×2」の8と2は足して10になるため、因数分解が成立します。公式に当てはめて「(x+8)(x+2)=0」を計算して導き出される答えは、「x=−8」と「x=−2」です。

「解の公式」で解く場合

【問題例】
3x²+5x−2=0を解きなさい。

〈解説〉
「x²」の係数が1ではなく、平方根も取れそうにないため、解の公式を使います。「a=3」「b=5」「c=−2」を公式に代入すると、「x={−5±√(25+24)}/6」となります。

√49は√7を2回かけた数なので、√49=7です。
そのため、式は「x=−5±7/6」となります。

「x=-5+7/6」と「x=-5-7/6」をそれぞれ計算すると、答えは「x=1/3」と「x=−2」です。

二次方程式の理解には、既習内容の復習も大切

中学3年生で学習する「二次方程式」は、方程式の集大成ともいえる単元です。1年生の「方程式」や2年生の「連立方程式」の知識が前提になっているので、「学校の授業についていけない」と悩んでいる中学生は多いのではないでしょうか。

個別指導塾の「城南コベッツ」なら、理解しきれていない単元の学び直しも可能です。担当の講師から、二次方程式を解く上で欠かせない平方根や正負の数の計算、因数分解の基礎といった既習事項を丁寧に指導してもらえます。数学の苦手意識を克服したい方は、ぜひ「城南コベッツ」の無料学習相談を受けてみてください。

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