2021.12.24
理学の研究成果をもとに社会で役に立つものづくりを研究する学問。機械系、電機系、情報系、建築系、化学系(生物系)に大別され、日々、新たな製品の開発に取り組んでいます。理学と比べると、安全性や環境対策などにとりわけ注力されるのが特徴です。
【機械系】
輸送用機械(自動車、鉄道、航空機、船舶)、工作機械(トンネル掘削機、レーザー加工機など)、熱機関(外燃機関、内燃機関、発電機など)、ロボット(人型、産業用など)の研究・開発を行う学科。最先端の技術に基づいており、とりわけ航空宇宙工学や軍事系機械などは機密性も高い国際競争の激しい研究となります。
【電気系】
電気工学(発電、バッテリー、蓄電技術など)、電子工学(コンピュータICやハードウェア)の研究・開発を行う学科。機械工学との関連性が高く、たとえばハイブリッド車、電気自動車などは機械工学と電気電子工学が合わさった製品となっている。機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を合わせて「メカトロニクス」といいます。
【情報系】
通信技術、モバイル技術(携帯電話やタブレット端末など)、画像・音響技術などの研究・開発を行う学科。情報処理からネットワーク構築、そしてCGや音声技術、Webデザインと、コンピュータ通信関連のすべてを担う現代生活を支え、社会を大きく変える技術を研究しています。
【建築系】
建築学(戸建、マンション、ビル建設など)、土木工学(社会基盤工学ともいう。都市計画、道路、鉄道、ダム建設など)、材料工学(金属、石油化学など)の研究・開発を行う学科。建築学は快適性、機能性、安全性、芸術性などが重視され、幅広い学問分野の教養が求められます。また、CAD(コンピュータ設計システム)の使用が欠かせず、情報系とのつながりも強まっています。土木系は都市学、防災学との関連が強く、行政とのつながりが非常に強い学問と言えます。耐震構造の研究などもここに含まれます。材料工学については、鉄鋼や石油化学といった、従来日本が得意としてきたもののほかに、新素材開発や、メタンハイドレートなどの新たに注目されている資源の実用化などの研究も行います。
【化学系】
化学製品の基礎研究から応用研究、製品化までを研究・開発する学科。基礎研究とは「AとBを化学反応させてCという新たな化合物を作る」こと、応用研究とは「Cを医薬品や食品、生活用品などに使えるようにする研究」のこと。この上で、プラスチックや各種医薬品関連などの製品を作ります。安全性や環境保全などが非常に重視される学問です。
【その他】
応用物理学(GPS技術、超電導、燃料電池)、原子力工学(X線診断などの放射線技術、発電など)、生物工学(人工臓器開発、新細胞など)、画像光学(CG技術、光ファイバー技術など)、経営工学(金融商品開発など)など、様々な分野があります。それぞれ重複するところもあり、関連します。経営工学は経済学や数学との関連が強い学問で、金融系への就職も多いのが特徴です。