綾瀬中央教室のメッセージ
連鎖関係代名詞のしくみを理解する ~2文に戻せばいろいろと見えてきます
2024.12.24
いきなりですが、次の文の空欄に入る単語は次のうちどれでしょう。
He is a man ( )I think is honest.
1. who 2. whose 3. whom 4. which
正解は1のwhoです。この記事のタイトルから1と思った人もいるとは思いますが、これを瞬間的に1と分かった人は以下はあまり読まなくてもよいかもしれません。
3だと思った人はぜひ以下を確認してみてください。
まず、3だと思った人は、以下のように思ったからだと思われます。
「( )のあとが主語、動詞と続いているから、目的格を入れる」
確かにこのように考えて解く問題はありますが、この問題はそれではいけません。
この問題を考えるうえで重要なポイントあります。それが
後半のis
です。この文章はHe is a manが言いたいことですが、この時点でSVCが確定しています。ということは( )以下はmanの説明の可能性が高いです。ここでは選択肢が疑問詞になっていますが、関係詞と考えることで、( )以下がmanの説明であることの予想をします。
さて、関係詞を使った文は文と文の連結ですから、関係詞節内では文章になっている(関係代名詞であれば不完全文)はずですが、この節内に動詞が2つあるのがこのままでは説明がつきません。
次の文を見てみましょう。
I have an aunt who is a doctor.「私は医者であるおばがいる」
この文ではI have an auntで文がSVOで文自体は完全文です。そしてwho以下がauntの説明ですが、この節はwhoがS(の代わり)、isがV、an auntが補語となっており、正しい文となっています。(whoよりあとが主語の欠けた不完全文です)
ところが問題の文では、thinkとisで動詞が2つとなっており、1つの節内で動詞が2つになってしまいます。とすると、thinkとisをつなぎうる何かしらの存在が必要となりますので、この点を考える必要があります。
なお、もし後半のisを本動詞と考えるならその前全部が名詞節になる必要がありますが、文がHeから始まっているので、これにも無理が生じます。
このようなことを瞬時に考え、ここで以下の知識があれば、瞬時にwhoを入れることができます。
「関係詞の後に、I thinkやI believe のようなものがきて、その後に動詞があるならば、I thinkなどは挿入句だ」
つまり、
He is a man ( )【I think】 is honest.
のように、I thinkをカッコなどでくくりだし無視して考えると、主格の関係代名詞が来ることが容易にわかります。先行詞が人ですので、ここでの答えはwhoということになります。
さて、ここまではこの問題を正解するためのプロセスですが、ではなぜこのような文章になっているのでしょうか。単に挿入と考えてもよいのですが、実はI thinkがなぜここにあるかにもきちんと理由があります。
このブログのタイトルにあるように、このような関係代名詞の使い方を「連鎖関係代名詞」と呼びます。
そこでどのようにしてこの文ができたのかを見ていきますが、その前に以下の2文を関係代名詞でつないでみましょう。
This is a letter.
Tom wrote it.
これを関係代名詞を使ってつなぐと、
This is a letter which Tom wrote.
となると思います。この時これをどのように考えたでしょうか。
関係代名詞を使った文の結合は2文に共通する語を見つけるかと思います。ここでは、
This is a letter.
Tom wrote it.
赤線のa letterとitが共通する言葉です。次に、説明の文となる文(下の文)の共通語を関係詞に変えると、
Tom wrote which.
となりますが、このままではもう一方の文と接続できないので、
which Tom wrote
のように、関係代名詞を先頭に回します。これを先行詞の後ろにつなげると、
This is a letter which Tom wrote.
となると思います。
これと同じことが、連鎖関係代名詞を使った文で起こっていると考えると文の構造が見えてきます。はじめの文、
He is a man who I think is honest.「彼は私が親切だと思う人だ」
は実は、以下の二つの文からできています。
He is a man.
I think he is honest.
このとき、始めの基本的なつなぎ方と同じようにしてみましょう。
まず共通語は
He is a man.
I think he is honest.
です。下の文が説明の文ですが、そのheを関係代名詞に変えますが、このときheは主格なので、関係代名詞も主格のwhoに変えます。すると
I think who is honest.
となり、もう一方の文とつなぐために、先頭に移動してみましょう。
who I think is honest
となり、これをもとの文の先行詞の直後につなげると、
He is a man who I think is honest.
となります。I thinkがこの位置にあるのは、こうした経緯と考えるとよいと思います。また、whoの節内に動詞が2つあるのは、結合する前の文がI think that SVの形だったからというわけです。
ですので、もしこの文をはじめの説明のようにI thinkの挿入と考えるのなら、
挿入できるのは、I thinkやI believeなどのthat節とるもの、ということが言えます。
いかがでしたでしょうか。連鎖関係代名詞という言葉だけ見ると難しく思う人も少なくありませんが、文の成り立ちを考えれば、さほど難しいものではありません。
なお、連鎖関係代名詞に限らず、関係詞の文でわからなくなったときには、2つの文に戻して考えるとわかることが多いですので、ぜひ意識してみてください。
では最後に、以下の文を訳してみてください。少しだけ単語のレベルが上がっていますが、決して難易度の高い文ではありません。
He is an economist who I argue has introduced a new framewok for analyzing global inequality.
訳は少し下に書いてありますので、ぜひ考えてから見てください。
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「彼は世界的な不平等を分析するための新しい枠組みを導入したと私が主張する経済学者です。」
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