たまプラーザ教室のメッセージ
たまプラーザ教室 不定期連載企画『思い出の受験生』《 A先生編 》
2025.03.23
その2
曲は、彼女が大好きでよく私に話してくれていた楽曲でした。しかし、その時も彼女は「そんなの出来るわけがない。」なんてことを言って、いつも通りのやる気のなさ。
しかし、実際に歌詞を読み解いていくと、今まで中学校で習ってきたものばかり。少しずつ彼女の表情が和らいでいくのが分かりました。曲の意味を知ることで「どうしてこのこのような振り付けなのか」、「どんな表情で踊ればいいのか」など彼女のダンスの理解も深まることにつながりました。
終わった頃には、「じゃあ、この曲はどんな歌詞なの!?」と嬉しそうな彼女の顔。いつもとは違う授業をして少し疲れた私の表情まで明るく変えてくれました。その後からか、彼女が英語の勉強に対して少しだけ前向きになったように感じるようになりました。
その数か月後、彼女は主体的に勉強をするようになり、第一志望の公立高校に進学することが出来ました。私は浮き立つ思いを少しだけ抑え、今度は彼女の高校英語の授業を続けています。
「好き」と「勉強」の融合。一人一人の「好き」から生徒のやる気を引き出させる。そんな私が目指していた授業のスタイルを確立できたのは彼女がいてくれたからだと思っています。
