城南コベッツ神戸深江教室

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神戸深江教室のメッセージ

主体的な学び

2024.05.20

 危機感
 「危機感がない」「危機感を持って」などという言葉を聞いたことがあると思います。学習に置き換えると「うちの子は危機感がないから勉強しない」や「試験まであと3日なのに、もっと危機感を持って!」などになります。

 子どもに危機感を持たせるような話をしてあおっても、いまいちピンとこないし、その言葉は響かないことが多いです。
 また、敏感な子どもにとっては、余計に過度なストレスを与えてしまうことにもなりかねません。

 人は、遠い将来のことよりも、今のことを重視する傾向があります。例えば、大学4回生に就職の話をするのと、小学生低学年に同様の話をするのとどちらが響きやすいか一目瞭然です。

 小学生の夏休みが始まる前は、宿題をさっさと仕上げて、思いきり遊ぶ計画をしていたのに、実際は宿題を先延ばしして、夏休みが残り数日になって慌てて手を付け始めるといった経験をした方もいらっしゃると思います。
 危機感は、その子ども自身の経験から出てくることが多く、ひどい経験や大変な目にあった覚えがあると防御の意識が働き、その危険を回避するための行動を起こすようになります。

 問題なのは、「危機的な状況」であるにもかかわらず、自らが「危機的である」と認識できない場合です。
 定期テストの点数が悪くても「次はがんばる」と繰り返すだけで行動に移さず、現実から目を背けるタイプです。
 そういう考え方をする方は、「何のために学習しているのか」が明確でない場合が多いと思います。
 
 そこでお薦めしたいのが、現在から未来を予測する「積み上げ思考」ではなく、実現したい未来から現在の行動を考える「逆算思考」という思考法です。
 この思考法を取り入れて、遠い未来ではなく、1年後の自分を想像してみてはいかがでしょうか。「目標達成シート」を作成してみると、より一層目標が明らかになり、現在の行動が明確になります。
参考:逆算思考

 勉強・学習・学びの違い
 「勉強」という言葉は、日本語では「学習する、努力をする」などといった意味ですが、この語源は中国語で「無理を強いる」という意味で、本来は「無理やり知識を身につける」というような意味になります。
 関西では、小売店などで商品の値段を下げて販売するとき「勉強する」という言葉が使われています。これは、江戸時代に、商人が頑張って商品の値段をまける意味で使われていて、本来、「気の進まないことを無理にする」という意味が含まれています。
 
 一方、英語の「study」の語源は、ラテン語の「studium」という言葉が由来となっていて、これは「情熱、熱心」というような意味になります。
 英語の「study」「自分から情熱を燃やして勉強する」という意味で、日本語の「勉強」の語源とはまったく反対の意味になります。
出典:東京都立産業技術大学院大学

 「学ぶ(まなぶ)」は「真似ぶ(まねぶ)」、「習う(ならう)」は「倣ふ(ならふ=真似る)」が語源と言われています。
 つまり、「手本を真似ることから学習は始まる」ということです。学校では、教科書の内容を真似て自分の知識にすることから学習は始まります。
出典:note_勉強と学習と学問の違い
 
 整理すると、「勉強」
「学習」「学び」では、「知識や意味を身に付ける」ということに違いはないですが、能動性(積極性)の度合いによって分類されます。
 「勉強」は「やらされるという受動的なイメージ」で、「学び」は「気が付く、自分でやるという能動的なイメージ」、「学習」はその間のようなイメージと捉えることができます。
「勉強」と「学習」と「学び」の違い.png出典:note_勉強から学習、そして学びへ

 低学年の「主体的な学び」
 「主体的な学び」とは「学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげること」と、文部科学省は定義しています。
出典:文部科学省_個別最適な学び・協働的な学びと授業改善

 学習の場面で、どのような状態が主体的に学んでいることを指すのかをまとめると以下の5つの要素となります。
興味関心(積極性)
・ 見通し(計画性)
・ 自己との関連付け(自覚)
・ 粘り強さ(自己調整力)
・ 振り返り(意味づけ・共有) 
 これらの5つの要素が取り入れられているのが、「主体的な学び」ということになります。
出典:立命館大学_主体的な学びについての一考察

 ただ、この「主体的な学び」ですが、中学生と同レベルを小学生低学年の子どもに求めるのは違います。
 低学年の子どもの「主体的な学び」は、本人の興味・関心、好奇心などを尊重し、より意欲的に取り組めるような環境を提供することで育まれていきます。
 低学年の子どもたちは、いろんなことに興味・関心をもってすぐに行動に移すという特性があります。「何度も取り組んでできるようになった」とか、「最後まで諦めずにやり遂げることができた」といったことを本人の成功体験として認識することが重要です。
参考:思考力

 小さな成功体験は、大きな自己肯定感へとつながり、将来問題にぶつかっても「諦めない力」となります。
参考:神戸に「りんご塾」ができました!_りんご塾 神戸深江校