神戸深江教室のメッセージ
リーディングスキルテスト(RST)
2024.08.20
皆さんは、教科書に書かれている文章を正しく読めているでしょうか?教科書などの基本的な文章はもちろん、図やグラフなどからも情報を読み取ることができているでしょうか?
例えば、下記の問題を読み解いてみてください。
この文脈において、「そのほとんど」とは何のほとんどを指すか。最も適当なものを選択肢のうちから一つ選びなさい。
① 穀類・いも類 ② 炭水化物 ③ でんぷん ④ たんぱく質
引用:新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社, 2018年)
正解は、②の炭水化物です。
著書によると、教科書が読めていない子どもがたくさんいる、ということが問題提起されています。文章を読んでいるようで、実はちゃんと読めていない、いわゆる「AI読み」(キーワードの拾い読み)をしている子どもが増えていると言われています。つまり、「○○と○○と○○という言葉が出てきたら、こんなもんだろう」、というような読み方をしているのです。
国語に限らず、昨今の高校入試問題・大学入試問題は、文章の文字数が増え 、さらに図や資料を読み取る問題が増えて複雑化されています。制限時間内で、いかに効率よく解答していくかがポイントとなります。
時間が足りないからという理由で「AI読み」のクセがついてしまうと、問題文を読み違えて解答してしまうことも十分に考えられます。
「読解力」を問う問題で、有名な「アミラーゼ問題」というものがあります。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
セルロースは( )と形が違う。
① デンプン ② アミラーゼ ③ グルコース ④ 酵素
引用:新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社, 2018年)
正解は、① デンプンです。
日本語の文章ですが、少し考えてしまう問題です。このように、文章の本質を読み解く訓練をしていくことで読解力は養われていきます。
読解力を多面的に測定するテストで「リーディングスキルテスト」というものがあります。
「日本語のルールに従って教科書の文章を読むことができない生徒がいるのではないか」という仮説からスタートした「基礎的な読む力」を測るテストです。
どの教科の教科書も、学習内容は文章で説明されています。その文章を「読む」ことができなければ、教科の内容を理解できることは決してありません。「リーディングスキルテスト」は、人が文章を「読む」際の11の読解プロセスに着目しています。
11の読解プロセスとは、「文節に正しく区切る」「『誰が』『何を』『どうした』のような構造を正しく認識する」「常識や知識から推論して、未知の用語の意味を位置づける」など、文章の読解に必要な力を11段階に区切ったものです。
このプロセスは、文章だけでなく図やグラフといったイメージや具体例から情報を読みとる際にも適用されます。「リーディングスキルテスト」では、そのプロセスが正しく実践されているかを測ることができます。
出典:一般社団法人 教育のための科学研究所
出典:福島県教育庁 教育義務課
簡単に基礎的読解力を測る無料ツールがあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
速読解力講座・国語力養成講座で読解力を鍛えていきましょう。