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記述問題の配点の推移
社会科の問題における記述問題の配点は、今回もあいかわらず高いままでした。
令和3年度 27点(全体の54%)
令和4年度 26点(全体の52%)
令和5年度 24点(全体の48%)
令和4年度と今回の問題数は同じ16問でしたが、 令和4年度→1点問題×6問、2点問題×10問令和5年度→1点問題×8問、2点問題×8問 記述問題の問題量自体は多いものの、難易度はそれほど高くありませんでした。
入試問題のような「~を...にふれて(関連付けて)」といった2つの記述を組み合わせて書かせる問題も、昨年と同じくあまり出題されていませんでした。
分野ごとの記述問題について詳細を見てみましょう。
地理的分野
昨年と同様、教科書本文にある記述や学校配布のワークなどでもよく見かけるような定番といえる問題が多く出題されていました。
「資料」をしっかり読み取れれば比較的答えやすい問題でした。
基本的な内容を確認できていればおおかた対応できたのではないかと思われます。
歴史的分野
「指定語句」や「資料」内の言葉などをそのまま使って解答できる問題が数多く出題されていました。
過去に50字程度で答えを書かせる問題が出題されていましたが、今回は20~30字程度の短めの文で答えさせる問題になりました。他にも端的に1文で答えられる1点配点の記述問題が増えてきています。
グラフ作成、計算、時差の問題
グラフ作成
第2回県学調で出題されることが多かった「グラフ作成」については、令和4年度第1回には出題されましたが、今回は一昨年以前と同じく出題されませんでした。
計算問題
昨年度は出題されていましたが今回の出題はありませんでした。
時差の問題
新学習指導要領のポイントにもされている時差に関する問題は、過去の出題では第2回学調で出題されることが多くみられましたが、今年は第1回で出題されていました。
グラフ・計算・時差の問題に関しては、第1回のみの出題になるのか、第2回でも引き続き出題されるようになっていくのか注目していく必要があります。
語句・記号問題と資料
語句
語句で回答する問題の問題数は減少傾向でしたが、今回一気に増加しました。
令和2年度 15問令和3年度 13問令和4年度 11問令和5年度 17問 出題内容としては、例年同様に教科書の太字語句や地形などの基本的語句が中心でした。
記号
入試で必ず出題されている「年代の並べかえ問題」は県学調でも出題されています。
歴史的事実を細かく理解できていないと正解できない問題が複数出題されており、年号の暗記だけでは対応できなくなっています。
資料
資料の数は例年より少し多い30程度でした。
教科書や資料集でよく見るものが多い中、いくつか「真新しい資料」もありました。
30というのは決して少なくない資料数ですから、教科書に掲載されていてよく見かける資料は、それを見るだけで「何についての資料か」「何を問う資料か」すぐ分かるように読み込んで理解しておく必要があります。
地理的分野
大問テーマ
「SDGs関連問題」
令和2年度・3年度の地理的分野の大問では、新学習指導要領のポイントにも挙げられている「SDGs」をテーマに大問が構成され、24点/50点(48%)となっていました。
令和4年度は「自然災害」をテーマとした大問で、同様に24点/50点(48%)でした。
今回、令和5年度の出題では、地理的分野の大問4で「日本の人口が2056年に1億人を下回ることが予測される」という「日本の人口問題」をテーマとし、24点/25点(全体の24%)の配点でした。
理科
問題数と記述問題
令和4年度:38問
記述問題14問
令和5年度:40問
記述問題15問
問題内容の内訳を見てみましょう。
語句 10問
記号 6問
記述 15問
グラフ 1問
作図 1問
化学式 2問
計算 5問
合計 40問
記述問題が多くなっています。
語句や選択で解答できる問題も、記述で答えを書かせる問題として出題されています。
大問構成と各大問のテーマ
大問1 小問集合 例年通りの出題です。
今回は以下の分野から出題されました。
・音(中1物理)
・物質(中1化学)
・動脈血(中2生物)
・等粒状組織(中1地学)
大問2 炭酸水素ナトリウム(中2化学・実験説明文形式)
「ホットケーキがふくらむしくみを調べたら二酸化炭素が関係していることがわかった」というリード文から始まり、炭酸水素ナトリウムの実験に関する問題が出題されました。
これまでの県学調の出題形式と少し異なる出題形式です。
入試の出題形式に近い印象を受ける大問でした。
大問3 植物 光合成(中2生物・実験レポート形式)
光合成に関する実験レポートが掲載され、近年の農業で注目される人工光による光合成で植物を育てる工場に結び付けて出題されています。
※下で詳しく説明しています。
大問4 天気(中2地学・会話文形式)
大問4は会話文形式です。
飛行機雲の話題から雲を作る実験、天気についてのことわざの話題から天気図に関する問題が出題されました。
大問5 電気 (中2物理・問題文形式)
過去の県学調の出題によく見られていた、会話文などをはさまずに問題文が並べられている形式の出題です。
電熱線の実験に関する問題がメインで、最後の(3)はタコ足配線の危険性について書かせる問題でした。
問題自体は教科書でこれまで学んだことを使って考えれば答えられる内容です。しかしただ問題集を中心にして答えを暗記するだけの勉強方法では、このような応用的な出題があったときに対応する力をつけることができません。日常の中にある科学に関する話題に目を向けて生活するようにしましょう。
令和4年度第1回と比較すると大きく変化があったと言えます。
文章量の減少と資料作文が出題されなかったことで難易度は下がりました。
各問題の難易度はさほど変わっていませんが、文章量が減ったことと、生徒たちにとって解きにくさのある資料英作文は出題されておらず解きやすくなったことから、かなり簡単な問題だと思った人も少なくないでしょう。
平成28年頃に出題されていたような傾向と似ている部分も見られました。
大問ごとのポイント
大問1~3リスニング
(問1⇒3問 問2⇒5問 問3⇒4問)
難度、形式ともに例年通りでしたが、大問1の問題数が4問から3問に減少していました。
大問4
対話文(計5問) 出題形式に大きな変化が見られました。
対話文の前に英語で書かれたウェブサイトの資料を読み、その後で対話文を読むという形式でした。
令和4年度の問題では対話のやりとりが21回ありました。
一方今回、令和5年度の問題では資料を読む必要がある分だけ対話のやりとりが大きく減少し、9回しかありませんでした。
資料にはイラストも含まれているため、英文自体を読解する量は減った印象ですが、問題数でみると資料についての問題が出題されている分、令和4年度の3問から2問増えて5問に増加しました。
大問5
長文(計6問) 文章自体の難易度は例年通りだったものの、語数に大きな変化が見られました。
令和3年度380語 令和4年度540語 令和5年度350語 令和4年度は語数の増加を特徴としてとりあげましたが、今回は約350語と激減しました。
令和3年度の380語も下回っており、問題数も1問減っていました。
⑵では、未履修単語を推測させる問題が出題され、これも新傾向の問題でした。
大問6
英作文Ⅰ(4問) 去年の形式、難度、問題数ともに大きな変化はありませんでした。
①②は条件英作文 ③④は自然な対話文になるように空欄に英文を作文して補う問題 という形式でした。
大問7
英作文Ⅱ(3問) 英作文Ⅱでも形式に大きな変化がありました。
令和に入ってから「資料を読んで、その資料について作文する問題」が続いていました。
対話文の問題に資料が入った分、英作文Ⅱでは資料の読み取りは出題されませんでした。
形式としては「指定された内容を英語で伝える」というシンプルな自由英作文の形式でした。