城南コベッツ横浜六浦教室

Tel:045-370-7986

  • 〒236-0031 神奈川県横浜市金沢区六浦1丁目12-21 ベラカーサ 2階A
  • 京急金沢八景駅 徒歩10分

受付時間:15:30~20:00/日祝休

  • 1対1個別指導
  • 1対2個別指導
  • ジュニア個別指導

2024.04.23

中学校卒業後の進路を考えていくうえで、最も大切なのは「生徒さん本人の将来を考え、
生徒さんおよび保護者さまが主体的に進路選択を行えるようにする」ことだと思います。
学習塾として情報提供を行い、生徒さんの適性を考えてアドバイスをします。
進路の決定をしていくのは、あくまでも生徒さん本人であり、保護者のみなさまです。

みなさまより毎年ご質問をいただく高校選びについて、何回かに分けてご説明いたします。
第一回は「学年制」と「単位制」です。

高校では、卒業するために国が定めた一定以上の単位を取得しなければなりません。
その修得の仕方によって、「学年制」と「単位制」があります。

「学年制」 各学年に必要な単位が配当され、その単位を取得できないと進級できません
「単位制」 学年の区別はなく、3(または4)年間で必要な単位を取得します
      単位取得と進級は関係ありませんが、学年は設定しています
      クラスを設定している高校と設定していない高校があります

2024.04.22

笛は 横笛、いみじうをかし。遠うより聞ゆるが、やうやう近うなりゆくもをかし。
近かりつるがはるかになりて、いとほのかに聞ゆるもいとをかし。
車にても、徒歩(かち)よりも、馬にても、すべて、ふところにさし入れて持たるも、
なにとも見えず、さばかりをかしき物はなし。まして聞きしりたる調子などは、
いみじうめでたし。暁などに忘れて、をかしげなる、枕のもとにありける見つたるも
なほをかし。人のとりにおこせたるを、おしつつみてやるも、立文のやうにみえたり。
笙(しょう)の笛は、月のあかきに、車などにて聞こえたる、いとをかし。所せく
持てあつかひにくくぞ見ゆる。さて、吹く顔やいかにぞ。それは横笛も吹きなしなめりかし。
篳篥(ひちりき)はいとかしがましく、秋の虫をいはば、轡虫(くつわむし)などの心地して、
うたてけぢかく聞かまほしからず。ましてわろく吹きたるは、いとにくきに、臨時の祭の日、
まだ御前には出でで、もののうしろに横笛をいみじう吹きたてたる、あな、おもしろ、
と聞くほどに、なからばかりよりうち添へて吹きのぼりたるこそ、ただいみじう、
うるはし髪もたん人も、みな立ちあがりぬべき心地すれ。
やうやう琴、笛にあはせてあゆみいでたる、いみじうをかし。

【現代語訳】
笛は横笛がとても風情がある。遠くから笛の音が聞こえるのが、段々と近くなってくるのも面白い。
近かったのが、遠くになっていって、本当に小さな音が聞こえるのも、とても面白い。
車であっても、徒歩であっても、馬の上でも、いつも懐に差し入れて持っていても、
何にも変に見えず、これほどお洒落なものもない。まして、聞いて知っている歌などは、
とても素晴らしい。明け方などに、男が置き忘れて、おしゃれな横笛が枕元にあったのを
見つけたのも、とても面白い。人を遣わしてきて取りに来させたのを、紙に包んで渡すのも、
立文のように見えたものである。
笙の笛は、月の明るい晩に、車などでふと聞いたのは、とても情趣がある。
しかし、物が大きくて置き場所が狭く、持って扱いにくいように見える。
さて、それを吹く顔はどんなものであろうか。それは、横笛であっても、
吹き方によって顔の見え方は変わるだろう。
篳篥(ひちりき)は、とてもうるさくて、秋の虫でいえば、くつわ虫のような感じがして、
嫌いなので近くで聞きたくもないものであり、まして、下手に吹いたのは
とても憎たらしくなるが、臨時の祭の日、まだ帝の御前には出ないで、
物影で横笛を一生懸命吹き立てたのを、面白いなと聞いているうちに、
途中から一緒に篳篥を吹いたのは、ただ素晴らしくて、綺麗な髪を持っている人でも
髪がすべて立ち上がってしまうような気持ちがした。
そして、ようやく琴、笛に合わせて一緒に歩き出たのは、とても面白い。

2024.04.18

昨日(4/17)、豊後水道で発生した地震では、長周期地震動の階級2が発表されました。

大きな地震で生じる、周期(揺れが一往復するのにかかる時間)が長い大きな揺れのことを
長周期地震動といいます。 長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることが
あります。また、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から
数百キロメートルはなれたところでも大きく長く揺れることがあります。
長周期地震動による大きな揺れにより、家具類が倒れたり・落ちたりする危険に加え、
大きく移動したりする危険があります。

気象庁は、長周期地震動階級を導入にあわせて、長周期地震動階級と人の体感や
室内の状況とを関連づけることを目的として、これまでの調査研究をもとに、
長周期地震動階級関連解説表を策定しました。(気象庁ホームページより引用)

長周期地震動階級     人の体感・行動     室内の状況        備考
長周期地震動階級1   室内にいたほとんどの  ブラインドなど吊り下げ  
(やや大きな揺れ)   人が揺れを感じる。   ものが大きく揺れる。
            驚く人もいる。
長周期地震動階級2   室内で大きな揺れを感  キャスター付き什器がわ  
(大きな揺れ)     じ、物につかまりたい  ずかに動く。棚にある食
            と感じる。物につかま  器類、書棚の本が落ちる
            らないと歩くことが難  ことがある。
            しいなど、行動に支障
            を感じる。       
長周期地震動階級3   立っていることが困難  キャスター付き什器が大  間仕切壁などに
(非常に大きな揺れ)  になる。        きく動く。固定していな  ひび割れ・亀裂
                        い家具が移動することが  が入ることがあ
                        あり、不安定なものは倒   る。
                        れることがある。                                           
長周期地震動階級4    立っていることができ  キャスター付き什器が大  間仕切壁などに
(極めて大きな揺れ)  ず、はわないと動くこ  きく動き、転倒するもの  ひび割れ・亀裂
            とができない。揺れに  がある。固定していない  が多くなる。
            ほんろうされる。    家具の大半が移動し、倒
                        れるものもある。

2024.04.16

NHK大河ドラマ「光る君へ」
次週(4/21)放送では、古典の授業でおなじみの枕草子「香炉峰の雪」のシーンがあります。

【原文】
雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子(みかうし)まゐりて、
炭櫃(すびつ)に火おこして、物語などして集りさぶらふに、
「少納言よ、香炉峰(かうろほう)の雪いかならん」と仰(おほ)せらるれば、
御格子あげさせて、御簾(みす)を高くあげたれば、わらはせ給ふ。
人々も、「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。
なほ、此の宮の人には、さべきなめり。」といふ。

参考図書:枕草子(岩波文庫、池田亀鑑校訂)

【現代語訳】
雪がたいそう高く降り積もっているに、いつもとは違って、御格子をおろして
炭櫃(囲炉裏)に火をおこして、(女房達が)話などして
(中宮定子のそばに)集まってお仕えしていたところ、
「少納言よ、香炉峰の雪はどのようだろう。」とおっしゃるので、
(私が女房に)御格子を上げさせて、御簾を高く上げたところ、(中宮定子が)お笑いになる。
女房達も、「白居易の「香炉峰」の漢詩は知っており、歌などにまで歌うけれども、
(御簾をまき上げる動作でお答えするということは)思いつきませんでした。
やはり、この中宮定子様に(お仕えする人として)は、ふさわしい人であるようだ。」と言った。

【解説】
この面白さは清少納言が定子様のお考えを読み取り、機転を利かせて答えたことにあります。
中国の白居易(はくきょい)という人物が詠んだ漢詩の一節、
「遺愛寺の鐘は枕を欹(そばだ)てて聞く、香炉峰の雪は簾(すだれ)を撥(まきあ)げて看る」
一条天皇の妻中宮定子は、この漢詩の後半部分を前提として清少納言に問いかけたのです。
これに対して清少納言は、『香炉峰の雪は簾をかかげて看る』という白居易の漢詩を、
定子様の目の前に再現してみせたのです。

枕草子は没落していく中宮定子様との楽しかった想い出だけを切り取った少し切ない作品です。
枕草子に綴られた『雪のいと高う降りたるを』とは、清少納言の自慢話などではなく、
彼女が誠心誠意お仕えした中宮定子様との大切な想い出の一幕だったのです。

(2022.2.12のブログをリライトしました)

2024.04.15

宮にはじめてまゐりたるころ、もののはづかしきことの数知らず、涙も落ちぬべければ、
夜々まゐりて、三尺の御几帳の後ろにさぶらふに、絵などとり出でて見せさせ給ふを、
手にてもえさし出づまじうわりなし。
「これは、とあり、かかり。それが、かれが」などのたまはす。
高坏にまゐらせたる大殿油なれば、髪の筋なども、なかなか昼よりも顕證に見えて
まばゆけれど、念じて見などす。いとつめたきころなれば、さし出でさせ給へる
御手のはつかに見ゆるが、いみじうにほひたる薄紅梅なるは、かぎりなくめでたしと、
見知らぬ里人心地には、かかる人こそは世におはしましけれと、
おどろかるるまでぞ、まもりまゐらする。
暁にはとく下りなんといそがるる。「葛城の神もしばし」など仰せらるるを、
いかでかはすぢかひ御覧ぜられんとて、なほ伏したれば、御格子もまゐらず。
女官どもまゐりて、「これ、はなたせ給へ」などいふを聞きて、女房のはなつを、
「まな」と仰せらるれば、わらひて帰りぬ。
ものなど問はせ給ひ、のたまはするに、ひさしうなりぬれば、
「下りまほしうなりにたらむ。さらば、はや。夜さりは、とく」と仰せらる。
ゐざりかへるにやおそきとあげちらしたるに、雪降りにけり。
登花殿の御前は、立蔀近くてせばし。雪いとをかし。(後略)

【現代語訳】
(中宮定子様の)御所に初めて出仕申し上げたころ、気が引けてしまうことがたくさんあり、
(緊張で)涙もこぼれ落ちてしまいそうなほどで、夜ごとに参上しては、三尺の御几帳の後ろに
お控え申し上げていると、(中宮様が)絵などを取り出して見せてくださるのを、
手さえも差し出すことができないほど(気恥ずかしく)、どうしようもない状態でいます。
「これは、ああだ、こうだ。それが、あれが」などと(中宮様が)おっしゃいます。
高坏にお灯しして差し上げさせた火なので、(私の)髪の筋などが、かえって昼よりも
際立って見えて恥ずかしいのですが、(気恥ずかしいのを)我慢して、絵を拝見します。
とても(寒く)冷える頃なのですが、(中宮様が)差し出されるお手がかすかに見え、
(その手の)美しさが映えて薄紅梅色であることが、この上なく美しいと、
(まだ中宮様のことをよく)わかっていない(田舎心地の私のような)者には、
このような人がこの世にいらっしゃるのだなぁと、じっと見つめ申し上げています。
夜明け前には、早く退出しようと気がせかれます。
「(自分の醜さを恥じらう例えで)葛城の神も、もうしばらく(いなさい)」
と(中宮様が)おっしゃるのですが、(私は)なんとかして、斜めに向かい合って
(私を)ご覧いただこうとして、やはりうつぶしているので、御格子も
お上げ申し上げずにいます。女官たちが参上してきて、
「これを、お開けください」などと言うのを聞いて、
(他の)女房が(格子を)上げるのを(中宮様は)「(上げては)だめ」
とおっしゃるので、(女房たちも)笑って帰っていきました。
(中宮様が私に)あれこれお尋ねになり、お話されるうちに、だいぶ時間がたったので、
「(初めての宮仕えで)退出したくなってしまっていることでしょう。それならば、
早く(退出しなさい)。今夜は、すぐに(いらっしゃい)」と(中宮様が)おっしゃいます。
膝をついた状態で移動して(退出して自分の部屋に)帰るやいなや、
(格子を)むやみやたらに上げたところ、(外には)雪が降っていたのでした。
登華殿の御前は、立蔀が近くに立ててあって狭いです。雪はとても風情があります。