2022.04.15
横中校歌(旧制横須賀中学校歌)
作詞:高野辰之「故郷」「朧月夜」「もみじ」「春が来た」「春の小川」などの作詞者
作曲:信時潔 「海ゆかば」の作曲者として有名です
一、
坂東武者の名を留めし
衣笠城址西にして
四辺寸土も史蹟なる
我が学校よ地を得たり
二、
獅子吼のあとの法塔に
剛健努力慕ひつつ
記恩ヶ丘に上りては
報本反始誓ふなり
三、
潮風荒き此処にして
健児我等は身を鍛へ
遠き彼方に目をやりて
常に望みに生くるなり
四、
思出多き此処にして
健児我等は義に勇み
愛と敬とを持ちつつ
常に力に生くるなり
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のセリフにもよく出てくる「坂東武者」(=ばんどうむしゃ)。
旧制横須賀中学校(現・県立横須賀高校)の校歌は「坂東武者の名を留めし」で始まります。
坂東武者(=ばんどうむしゃ):関東生まれの武士で勇猛で知られました。坂東武士。関東武者。
衣笠城址(=きぬがさじょうし):平安時代から鎌倉時代にかけて三浦半島に勢力を張った
「三浦一族」の本城「衣笠城」の跡。京急バスには「衣笠城趾」というバス停があります。
四方寸土(=しへんすんど):正方形の少しばかりの土地という、へりくだった言い方。
獅子吼(=ししく):相手が誰であろうとひるまず、正しいことを勇気を持って話しをすること。
剛健努力(=ごうけんどりょく):規律正しく、困難なことに出会っても挫けることなく努力して、
強い意志とたくましい精神をもって乗り越えること。
報本反始(=ほうほんはんし):中国の「礼記」(らいき)に出ている言葉。
「天地の神々や祖先の御霊をお祀りして、その恩顧(情けをかけてくれたこと)に感謝する」
というのが元の意味です。天地や祖先の恩と功績とに恩返しをすること。
吉田松陰の甥で漢学者であった吉田庫三先生(横須賀中学初代校長)が、
日本の国情に合わせて皇室尊崇の精神と結びつけ、建学の精神としました。