2021.12.01
世界保健機関(WHO)は11月26日、南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの
新たな変異株を「オミクロン株」と命名しました。世界的に監視が必要とされる
変異株には、ギリシャ文字を冠した呼称が用いられており、24文字からなる
ギリシャ文字で「オミクロン」は15番目にあたります。
世界保健機関(WHO)は今年5月以来、ギリシャ文字のアルファベットを順番に使って
新型コロナの変異株に名前を付けてきました。デルタは猛威を振るいましたが、
続くイプシロン、イオタ、ラムダなど8種類の変異株はほとんどが徐々に消滅しました。
続いて南アフリカで今回発見された新たな変異株「B.1.1.529」については、
WHOがギリシャ文字のアルファベットの順番に従って「Nu(ニュー)」と
命名すると思われていましたが、WHOはNuを飛ばし、その次の「Xi(クサイ)」も
飛ばして、ギリシャ文字のアルファベットで15番目の「Omicron(オミクロン)」を
採用したのです。
「Nuは『new』と混同されやすい。Xiは一般的な姓であることから使用しなかった」
とWHOは説明しましたが、ギリシャ文字のXiは、中国の習近平(Xi Jinping、=シーチンピン)
国家主席の姓と似ているという理由だったのではないかという臆測に火がついたのです。
ギリシャ文字の表と電気/電子回路における主な用途
小文字 大文字 読み 読み 主な用途(小文字)
α Α alpha アルファ 角度、係数、温度係数、減衰率
β Β beta ベータ 角度、係数、位相定数、帰還率
γ Γ gamma ガンマ 角度、係数 ※電圧反射係数(大文字)
δ Δ delta デルタ 微小変化、密度、損失角 ※微小変化(大文字)
ε Ε epsilon イプシロン 誘電率
ζ Ζ zeta ゼータ(ツェータ) 減衰定数
η Η eta イータ 効率
θ Θ theta シータ 角度、位相、熱抵抗
ι Ι iota イオタ
κ Κ kappa カッパ 磁化率
λ Λ lambda ラムダ 波長 ※透磁率(大文字)
μ Μ mu ミュー 透磁率
ν Ν nu ニュー 周波数
ξ Ξ xi クサイ(グザイ)
ο Ο omicron オミクロン
π Π pai パイ 円周率
ρ Ρ rho ロー 抵抗率、体積電荷密度
σ Σ sigma シグマ 導電率、表面電荷密度
τ Τ tau タウ 時定数、時間、トルク
υ Υ upsilon ウプシロン
φ Φ phi ファイ 磁束、位相、角度 ※電位(大文字)
χ χ chi カイ
ψ Ψ psi プサイ 位相、角度、電束
ω Ω omega オメガ 角速度、角周波数 ※電気抵抗、立体角(大文字)