城南コベッツ神戸深江教室

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2024.09.26

 国語に関する世論調査
 先日、文化庁から令和5年度「国語に関する世論調査」の結果が公表されました。
 この調査は、2024年3月に全国16歳以上の個人6,000人(有効回収数3,559人)を対象に行われ、国民の国語に関する興味・関心を喚起することを目的としています。

 主な調査項目は次の通りで、項目ごとに結果が紹介されています。
(1)国語への関心
(2)ローマ字表記・外来語の表記
(3)読書の在り方
(4)慣用句等の意味・言い方

 「読書の在り方」に関する調査では、1か月に本を1冊も読まないと回答した人が過去最高の6割超となり、デジタル化に伴う読書離れの進行も浮き彫りになったことなどが示されています。

 国語への関心
 「国語とコミュニケーションに関する意識」の調査では、全体の8割が「国語に関心がある」と回答しています。
 年齢別にみてみると、60代は84.1%が関心があると回答したのに対し、高校生から大学生の年代である16~19歳では、67.5%となっています。つまり、3割以上が「関心がない」という回答でした。

 また、「外国から来た人などに道を聞かれたとしたら、それに答えようとするか?」という質問については、89%が「なるべく答えようとする」を選択しました。これについては、16~19歳でも94%という結果でした。さらに、「どのように答えようとすると思うか」という質問では、8割以上が「身振り手振りを交えて答える」を選択しました。その次に多かったのが、「スマートフォンなどの翻訳ツールを使う」(46.3%)という回答でした。この結果から、「言葉が伝わらなくても何とか役に立ちたい」という意思が感じられ、日本人の優しさを垣間見た気がします。

 言葉遣いに対する印象
 通常の会話でもよく耳にするようになった「がっつり」「まったり」「さくっと」などに関する調査結果も取り上げられています。
使うことがある言葉か(全体).png これらの7つの言葉は、擬態語に分類され、新しい意味や使い方が辞書に記載されてきたものとして取り上げられています。
 この調査から、「ときめきを感じる」という意味の「きゅんきゅん」、「曖昧ではっきりしない」様子を表す「ふわっと」したなどの新しい表現が日常に浸透している状況が分かりました。
 年齢別にみてみると、ご想像通り、どの言葉でも、60 代以上では、「使うことがある」を選択した人の割合が、ほかの年齢層より低い傾向にありました。
出典:文化庁_令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

 慣用句等の理解
 普段、何気なく使っている言葉で、「区切る位置」を間違っているために、「読み方」も本来とは異なる言葉になっていることがあります。

 例えば、次のような慣用句です。
(1)間髪を入れず 【正答率 6.5%】
   ✕ 間髪を入れず(かんぱつをいれず)
   ◯ 間、髪を入れず(かん、はつをいれず)
(2)綺羅星のごとく 【正答率 9.2%】
   ✕ 綺羅星のごとく(きらぼしのごとく) 
   ◯ 綺羅、星のごとく(きら、ほしのごとく)
(3)好事魔多し 【正答率 30.6%】
   ✕ 好事魔、多し(こうじま、おおし)
   ◯ 好事、魔、多し(こうじ、ま、おおし)
 
 また、本来とは異なる意味で使われている言葉として次のような言葉があります。
(1)悲喜こもごも【正答率 43.4%】
   ✕ 悲しむ人と喜ぶ人が様々にいること
   ◯ 悲しみと喜びを次々に味わうこと
(2)悪運が強い【正答率 24.3%】
   ✕ 悪い状況になっても、うまく助かる様子
   ◯ 悪い行いをしたのに、報いを受けずにいる様子
(3)煮え湯を飲まされる【正答率 68.5%】
   ✕ 敵からひどい目に遭わされる
   ◯ 信頼していた者から裏切られる
(4)うがった見方をする【正答率 32.7%】
   ✕ 疑って掛かるような見方をする
   ◯ 物事の本質を捉えた見方をする
(5)失笑する 【正答率 26.4%】
   ✕ 笑いも出ないくらいあきれる
   ◯ こらえ切れず吹き出して笑う
 「煮え湯を飲まされる」については、本来の意味が浸透しているようですが、他の語句は、本来とは異なる意味で使われることが多いようです。
出典:文化庁_令和5年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

 「言葉は生き物」と言われ、誤用であったとしても多くの人が使ううちに認知されていくことはあるでしょう。しかし、その反面、言葉は心の表れで「言葉遣いは心遣い」とも言われます。普段、私たちが無意識に使っている言葉が本来の意味で使われているかどうかを意識してみることも大事です。

 当教室の講座では、「語彙力」「文法力」「論理力」をそれぞれ鍛え、学習や入試だけでなく、将来にも生かせる力を身につけることができます。
参考:速く正確に読み解く力
sokudokkai_parts08.png 

2024.09.17

 主語の使い方
 日本では、会社の社長や政治家などがプレゼンや演説をする時に、「私は何年計画でこうします。よって、皆さん頑張ってついてきてください」という言い方をされることがあります。
 「自らの考えを発信する」という意味では差し障りはないですが、社員や聴衆などからするとある種の「壁」を感じてしまうことがあるかもしれません。

 アメリカのオバマ元大統領は2009年1月20日の就任演説で、「we」を62回、「our」を68回、「us」を23回も使ったそうです。皆さんも記憶にある「Yes, we can!」そう、私たちは成し遂げられる!)というキャッチコピーでも「we」が使われています。
参考:アメリカンセンターJAPAN

 ちなみに、その3カ月前に麻生太郎氏が首相に就任したのですが、その時の演説では、「私(I)」は26回、「私たち(we)」は0回でした。
参考:データベース「世界と日本」
出典:東洋経済オンライン_2022.03.23

 主語を「we」にすることで、聞いている側を巻き込む効果が生まれてきます。つまり、一体感が生まれ、聞いている側も他人事ではなくて自分事だと感じるので、単純に「聞く(hear)」から関心を持って「聴く(listen)」に変化していきます。

 このように、主語を「私(I)」から「私たち(we)」に変えることで、聞いている側の心境も変化していきます。改めて、主語の重要性を感じさせられます。

 主述のねじれ
 「主述のねじれ」とは、文章から修飾語を抜いて主語と述語だけを並べたとき、文章が成立しない状態のことを言います。「主述のねじれ」が起きていると、相手に文章の内容が伝わりづらく、ストレスを与えてしまうことになります。

 例えば、「私の特技は、英語を話します。」という文章を読んでどのように感じるでしょうか?主語「私の特技は」と述語「話します」が正しく結びついていないので、違和感を感じる方が多いと思います。
 この文章を「私の特技は、英語を話すことです。」「私は、英語を話すことが得意です。」に修正すれば、主語と述語が正しく対応した文になり、読みやすくなります。

 では、下記のように少し長い文章で、(  )に入るフレーズとして文法的に最も適切なものは①から③のどれでしょうか?
 社長は、社内業務の全面的なデジタル化を宣言しつつ、その進め方をめぐっては各部署の立場に隔たりがあり、(  )。

 ① その調整は困難を極めるだろう。
 ② 部署によって異なる目標が設定された。
 ③ 粘り強い調整が必要になると語った。
出典:大人の学び直し国語塾

 この問題は、文頭の主語「社長は」を受ける表現はどれが正しいかを考える必要があります。①から③まで、それぞれ頭に「社長は、」を置いてみて意味が通じるものが正解です。 
 ① 社長は、その調整は困難を極めるだろう。
 ② 社長は、部署によって異なる目標が設定された。
 ③ 社長は、粘り強い調整が必要になると語った。
 意味が通じるのは、③だけなので、正解は③です。

 係り受け
 「係り受け」とは、言葉と言葉の関係性です。文章にはいくつもの文節が使われており、「係る語句」「受ける語句」があります。言葉同士の関係を誤ってしまうと、文章がねじれてしまい、違和感のある文章になってしまいます。

 例えば、次の文章を文節で分けてみます。
「私は、きれいな満月を眺めた。」 ➡ 私は / きれいな満月を / 眺めた

 ① 私は「眺めた」
 ② きれいな満月を「眺めた」
 このように、異なる語句が意味の上でつながっている関係「係り受け」といいます。「係り受け」の関係には、「主語と述語が関連しているもの」「修飾語と被修飾語が関連しているもの」の2種類があります。

 主語である「私は」に対して、述語は「眺めた」となり、修飾語である「きれいな」に対して、被修飾語は「満月」となります。

 では、下記の問題はいかがでしょうか?
2021年 早稲田大学 人間科学部 入試問題.png出典:モノグサ
 
 これは2021年の早稲田大学人間科学部の入試問題です。コンピュータについて書かれた文章の読解で、一見難解なように感じられるかもしれませんが、
主部と述部の関係さえ分かれば問題を解くことができます。
 問題では「構文論(シンタックス)的であるだろう」という述部の説明について聞かれているので、これに対する主部を見ると「計算機であるコンピュータ」が該当します。つまり、ここではコンピュータが主語となっている選択肢を選べば良いので、答えは「ニ」となります。

 読解力は、すべての教科の基礎となるものです。語彙+文法+論理の3つの要素を鍛えて読解力を身につけましょう!
sokudokkai_parts08.png 

2024.09.14

  読解力 ≠ 文章を読む力
 皆さんは、教科書に書かれている文章を正しく内容を理解して読むことができているでしょうか?テストでは問題の意図を理解して、正確に解答できているでしょうか?
 文章を「読み解く」とは、言葉の意味や働き、文法などを踏まえて文章の構造を正しく把握し、内容を理解することを意味します。「読む」と「読み解く」は、まったくの別物 になります。

 現代文を読んでもその内容が理解できず、問いに対して見当違いの解答をしている生徒は一定数いますが、その原因はさまざまです。
 例えば、漢字・熟語・慣用句などの「語彙が不足している」場合や読むスピードが遅いために「『とばし読み』をしている」場合、あるいは、評論文などで取り上げられるテーマである「宗教、科学、経済、政治、言語、社会、文化、芸術」などの「背景となる知識がない」場合も内容を理解することが難しくなります。

 教育劣化
 今の中高生の3分の1は、簡単な文章が読めない──。書籍『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)国立情報学研究所の社会共有知研究センター長・教授である新井紀子氏が警鐘を鳴らしています。
出典:日経ビジネス_2019.10.16

 全国2万5,000人規模を対象に実施した基礎的読解力調査で下記の問題が出題されました。
 仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。 この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

 オセアニアに広がっているのは、(  )である。
 ① ヒンドゥー教 ② キリスト教 ③ イスラム教 ④ 仏教
 正解は、②のキリスト教です。
 文章の構造を理解すれば簡単に正解できる問題ですが、この問題の正答率は中学生が62%、高校生が72%でした。重要なのは、この結果を6割以上が正解したと捉えるのではなく、「(この簡単な問題を)中学生の3人に1人以上が、高校生の10人に3人近くが正解できなかったことが問題である」と新井紀子氏は主張されています。参考までに、「この問題に解答した745人の高校生が通っているのは、進学100%の進学校」ということです。
出典:日経ビジネス_2019.10.16

 国語力
 国語力は「読解力」「表現力」の2つに整理できます。国語で成績を上げるためには「感覚」で文章を読み解くのではなく、根拠を持って解答できるようになることが重要です。

 当教室の講座では「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」「文法力」「論理力」をそれぞれ鍛えます。さらに、「論理力」「係り受け」「指示語・照応」「同義文」「推理・推論」「図表の読解」「定義と具体例」6つの技能に分けて短い文を読解することで身に付けていきます。

① 係り受け
  主語と述語の関係や修飾語と被修飾語の関係が理解できる。
② 指示語・照応

  指示代名詞が何を指すのかが理解できる。
③ 同義文

  2つの違った文章を読み比べて、意味が同じであるかどうか理解できる。
④ 推理・推論

  文の構造を理解した上で,生活体験や常識、さまざまな知識を総動員して文章の意味を理解できる。
図表の読解
  文章と図形やグラフを比べて、内容が一致しているかどうかを認識できる。
⑥ 定義と具体例
  定義を読んでそれと合致する具体例を認識できる。

 
 昨今の入試問題は総体的に文章量が多く、与えられた資料から情報を読み取り、解答を求める問題が増加しています。国語を論理的に学習していくことで、他教科で出題される図形やグラフの問題にも対応できる力が養成されていきます。
 すべての教科で必須となる「語彙力」「文法力」「論理力」を鍛えていきましょう。sokudokkai_parts08.png

 

2024.09.09

 1日24時間は、すべての人に平等に与えられた時間です。この時間をどのように使うかで人生は大きく変わってきます。
 24時間から日課(学校・食事・入浴・睡眠など)の時間を引くと何時間残るでしょうか?スマホでゲームをしたり、テレビを見ている時間なども引くと、1日の残り時間がますます少なくなっていきます。

 集中力
「現代人の集中力は8秒しか続かず、これは金魚の9秒を下回る」
 マイクロソフト社のカナダの研究チームが2015年に衝撃的な研究報告を発表しました。
出典:ダイヤモンド・オンライン_2021.04.05

 金魚の集中力をどのように測定したのかは謎ですが、2000年の時点では、人の集中力の持続時間は12秒程度あったそうです。ところが、PCやスマホの普及によって、現代人は1つのことに集中する力が落ちてきていると言われています。

 これにより、「ついに人の集中力は、金魚に負けた」と話題になりました。皆さんの集中力はいかがでしょうか?

 文章量
 2024年に実施された公立高校入試の国語の文字数を調査すると、全国の平均試験時間は約50分、問題全体の文字数はおおよそ9,670文字という結果でした。
公立高校・国語文字数ランキング.png出典:速読情報館_2024.07.24
 兵庫県は、関西のなかでも文字数が一番多く、全国でも8位というランキングでした。
兵庫県公立高校入試文字数資料_page-0001.jpg 試験時間50分で、400字詰め原稿用紙を約29枚読むイメージです。もちろん、文章を読むだけでなく、内容を理解し、解答する時間が必要です。
 様々な試験において、試験時間全体の約6割が「思考+解く+記入に必要な時間」とされています。

 日本人の読書速度は、1分あたり平均500文字程度と言われています。このペースだと、文章を読む時間は約35分かかり、解く時間は約15分しかありません。解答する時間が全体の6割=30分を必要な時間と考えると15分不足します。試験時間を伸ばすことはできないので、解答時間を増やすには、読む時間を短縮する必要があります。

 基礎的読解力
 速読の能力は、「習得により、長期的に活用できるスキル」で、受講期間が長ければ長いほどトレーニングを修了してからも高い能力はずっと維持されていきます。その結果、訓練を継続することで読むスピードも徐々に速くなり、最終的には1分あたり1,200文字以上の文字数を読むことができるようになります。

 「聞く」「話す」「読む」「書く」ことは連動しています。「書く」ことだけが苦手だと思っていても、実は「読む」ことがうまく出来ていない可能性があります。どれかひとつだけではなく、バランスよくトレーニングすることで基礎的な力の向上が期待できます。
F02-05sokushikou_sokudokkai_parts09.png 国語以外の教科にも役立つスキルを身につけましょう。