2023.10.19
今日は過去問についてです。
最初に痛い話を・・・。
Rさんは実力的には、会場模試で偏差値55アベレージぐらいの生徒さんでした。最初は公立高校への入学を希望されていましたが、途中から私立高校の偏差値65近辺の学校への志望意欲が高くなりました。
数年前のちょうどこの10月の時期ですね。
その私立高校は、併願でも推薦がありませんでしたので、一般受験するという運びになったのです。
冬期前の面談を三者で実施したときに初めて聞いたとき、正直私の気持ちはグワングワンとなりました。
(い、、、今から?しかも〇〇高校・・・)
焦りましたし、動揺は保護者さん、生徒さんにも感づかれたことでしょう。
ソフトなイメージのRさんは、普段の学習ぶりはとても真面目、ノートテイクもしっかりとされていて、女子生徒ならではの丁寧さは素晴らしかったです。
そこからRさんの学習が変わってしまいました。
私立〇〇高校の過去問を塾に持ってきて、自習のときには来る日も来る日も解いていました。
「Rさん、気持ちはすごくわかるけれど、いきなり過去問ではなくて、各教科の特に英語、数学については、単元学習で3年の内容の終わらせていくようにしたほうがいいと思う。そのうえで、私立入試に対応する問題集をしっかりと解いて、出来ない単元、難しく感じた単元、苦手単元の穴を埋めて、それから過去問やろうよ」
このような内容で何度話をしたことか・・・・
来る日も来る日も過去問を携えてきて、Rさんの過去問には、箇所箇所に印がつき、付箋が貼られ、過去問だけを見るにつけ、勉強やってる感満載でした。
ある日私は聞いたのです。
「Rさん、すっごく過去問頑張ってるね」
「うん、ネットに書いてあったの。過去問解きまくれば大丈夫だって!」
(出た・・・ネットでの合格者の体験記みたいなものか・・・・これ、ヤバイかもしれん)
実際に合格した生徒さん、正直どこの誰だかわからない誰かさんの発言を真に受けたRさんは、過去問を解いてれば合格できる症候群でした。
ふんわりした子でしたが、頑固でした。
見かねた私は、保護者様にも連絡して、尚且つ具体的な事例を伝えつつ、リスクありますよと伝えたのです。
すると
「はい、私も無謀だと思うんです。でも一度言ったら聞かなくて、私も受からないと思ってます。でもRが受けたいというので、それは記念受験みたいなかたちでもいいので受けさせ要と思うのです」
なるほど、親御さんだからこそ、我が子の性格は、他人の私たちよりよく知っていらっしゃるということですよね。
結果、
Rさんの過去問はボロボロになるまでやりこんでいました。
何でも5回は解いたとか・・・
「もう5回目だから、答えおぼえちゃってる♪」
こんなノリでした。正直、絶望しかなかったですが、Rさんの気持ちを捻じ曲げることは出来ませんでした。
結果は、不合格でした。
会場模試で、私立向けの模試を受けてもらったときも、散々の惨状でしたので火を見るより明らかだったのですが、こうしてRさんは残念な結果となったのです。
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【過去問解いてりゃ受かる症候群】
間違っています。
確かに過去問は受験生にとって重要なバイブルとなります。過去問はやったほうがいいですし、やるべきです。
しかし、その扱い方とか実施時期があまりにも違うのであれば、残念ながら間違った過去問の使い方となってしまいます。
ネットに書かれた「過去問解いてりゃ余裕~」とか「過去問解きまくればなんとかなる」とか、「過去問を何回も解くこと!」
これって、そこに至るまでの合格者の努力の大部分が端折られています。
過去問解いて合格するのだったら、世の中の参考書や問題集や、学校のテストや実力テストや、模試などはいらないものになります。
んなわけないのです・・・残念ながら・・・・。
過去問はその学校の出題方針を知ったり、公立高校入試であれば、各教科の傾向や変化を知ったりするための分析ツールの一つです。
過去問の答えを暗記するのが目的ではありません。
国語の記号選択問題など、2回、3回と過去問解けば本文も読まずに、問題文も読まずに
答えはウだな!すぐわかります。
これは勉強ではありません。実力を上げるための学習とは言えないです。
中学受験、高校受験、大学受験の全てに言えることです。
①まずは基礎をしっかりと学ぶこと
②標準的問題が解けるようにすること
③できなかった問題、空欄に終わってしまった問題にしっかりと向き合い解決すること
④解説を読んでも自力解答に至らない問題は塾や学校で質問すること
とどのつまり、実力を上げるということは、今まで出来なかった問題を解けるようにすること一点のみです。
それらの地に足のついた学習を一巡した後、過去問にトライしてほしいです。
そしていつも言うように、
問題は、解いて終わり・・・ではなく、
出来なかった問題を出来るようにするための学習が必須です。
そのようにして、しばらく時間を置いて2回目のトライをしていくようにしてみましょう。
過去問はすっごく武器になるのですが、
使い方を間違えてしまうと、時間泥棒になってしまいます。
基礎は有限、応用は無限です。無限を追い始めたらループにはまってしまいます。
城南コベッツ馬込沢駅前教室は、定期テスト・定期考査対策は勿論のこと、受験対策が大得意な教室です。
非受験の生徒さんたちの学習でも常に先を見越したカリキュラムで進行していきますので、保護者様は安心して通塾していただくことが出来ます。
日々の連絡において、生徒さんの状況をつぶさにお伝えして参りますので、
学習全般については、授業報告でしっかりと把握することが出来ます。
お子さんの成長は日進月歩どころか、毎日成長を遂げていきます。
ご期待ください!