2024.09.14
文章を「読み解く」とは、言葉の意味や働き、文法などを踏まえて文章の構造を正しく把握し、内容を理解することを意味します。「読む」と「読み解く」は、まったくの別物 になります。
現代文を読んでもその内容が理解できず、問いに対して見当違いの解答をしている生徒は一定数いますが、その原因はさまざまです。
例えば、漢字・熟語・慣用句などの「語彙が不足している」場合や読むスピードが遅いために「『とばし読み』をしている」場合、あるいは、評論文などで取り上げられるテーマである「宗教、科学、経済、政治、言語、社会、文化、芸術」などの「背景となる知識がない」場合も内容を理解することが難しくなります。
出典:日経ビジネス_2019.10.16
全国2万5,000人規模を対象に実施した基礎的読解力調査で下記の問題が出題されました。
オセアニアに広がっているのは、( )である。
① ヒンドゥー教 ② キリスト教 ③ イスラム教 ④ 仏教
文章の構造を理解すれば簡単に正解できる問題ですが、この問題の正答率は中学生が62%、高校生が72%でした。重要なのは、この結果を6割以上が正解したと捉えるのではなく、「(この簡単な問題を)中学生の3人に1人以上が、高校生の10人に3人近くが正解できなかったことが問題である」と新井紀子氏は主張されています。参考までに、「この問題に解答した745人の高校生が通っているのは、進学100%の進学校」ということです。
出典:日経ビジネス_2019.10.16
当教室の講座では「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」「文法力」「論理力」をそれぞれ鍛えます。さらに、「論理力」を「係り受け」「指示語・照応」「同義文」「推理・推論」「図表の読解」「定義と具体例」の6つの技能に分けて短い文を読解することで身に付けていきます。
主語と述語の関係や修飾語と被修飾語の関係が理解できる。
② 指示語・照応:
指示代名詞が何を指すのかが理解できる。
③ 同義文:
2つの違った文章を読み比べて、意味が同じであるかどうか理解できる。
④ 推理・推論:
文の構造を理解した上で,生活体験や常識、さまざまな知識を総動員して文章の意味を理解できる。
⑤ 図表の読解:
文章と図形やグラフを比べて、内容が一致しているかどうかを認識できる。
⑥ 定義と具体例:
定義を読んでそれと合致する具体例を認識できる。
昨今の入試問題は総体的に文章量が多く、与えられた資料から情報を読み取り、解答を求める問題が増加しています。国語を論理的に学習していくことで、他教科で出題される図形やグラフの問題にも対応できる力が養成されていきます。
すべての教科で必須となる「語彙力」「文法力」「論理力」を鍛えていきましょう。