2024.10.23
千葉県公立高校受験
2025年2月までに ここを意識して押さえる!
【社会編】
◆総合問題12点分、地理・歴史31点分、公民26点分 特に記述は8~15%と低い正答率!
大問 | 内容 | 配点 |
1 | 総合問題 | 12点 |
2 | 地理:日本地理 | 15点 |
3 | 地理:世界地理 | 16点 |
4 | 歴史:前近代史 | 16点 |
5 | 歴史:近現代史 | 15点 |
6 | 公民:国民生活の経済・社会 | 10点 |
7 | 公民:日本の政治制度 | 10点 |
8 | 公民:国際社会 | 6点 |
全体の問題構成は、「地理」「歴史」「公民」3分野からのバランス出題です。
特徴的なのは、大問1で、伝統的にここでは3分野の総合的問題が出題されます。
以前は、ここで千葉県にまつわる問題でしたが、最近は必ずしもそうとは言えないものもあります。
各分野の出題で特筆すべきは、
①現代社会がかかえる課題に対する関心や理解程度を見る問題
②資料を活用し、社会的な事象を判断・分析するタイプの問題
③社会的事象について、自らの考えを表現する力を見る問題
④歴史においては、総合問題と歴史単独問題で並べ替え問題
これら4つが挙げられます。
【平均点や正答率】
2024年度の社会の平均点は、57.5点で、前年よりも3点高くなりました。
公民の国際社会分野の出題では、正答率が71.6%と高く、同じく公民の国民生活と経済社会の分野は、44.1%と正答率は最も低かったです。
正答率の観点からすれば、
・世界地理の冷帯地域のくらしについての工夫についての記述(8.2%)
・鎌倉幕府の衰退に関する記述(11・2~16.1%))
・財政政策に関する記述(13.8~15・8%)
・1960年代以降の世界のことがらの並べ替え(24.3%)
などが、低かった問題です。
また、総合問題の環境アセスメントについての問題は、正答率は53.1%でしたが、無答率も28.1%と高い結果となりました。
【社会の教科特性】
英語・数学・国語は積み重ねの学習であることに対して、社会は分野学習・単元学習が十分に機能する教科です。
もっと言えば、英数国は小学校、中学1年と習った内容が土台となって2年生の内容、3年生の内容が成り立っているイメージです。
社会は、「歴史」「地理」「公民」と3つの分野に分かれていて、それぞれの学習領域の関連性は薄いです。
したがって、単元を「ブツッ!」と切った学習をしても、学習した分だけ対応力が増していくのです。
歴史は苦手だけど地理は得意!!
そういう生徒さんもいるでしょうし、地理より公民のほうが覚えやすい!という生徒さんもいることでしょう。
それでも好きな分野の攻略+αで十分に点数化できる要素がある教科と言っても過言ではありません。
・・・確かに覚えることは多いです。
暗記していなければそもそも答えられない問題が多数あります。
対して・・・
【読み取り問題の増加】
・地形図の読み取り
・図、表の読み取り
これら出題は、基本的な知識を踏まえた読み取りであったり、知識を全く問わないタイプの読み取りもあるのです。
地形図は千葉県で毎年必ず出題されている鉄板問題です。
図、表の読み取りは、なんと7問も出題されているのです!!
↑
こちらの問題は、
「ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカ共和国、日本の発電量、一人あたりのGNI、温室効果ガスの排出量及び一人あたりのCO2排出量」に関しての資料読み取りも問題です。
選択肢に書かれた内容は難しくありませんが、計算をしなくてはならない選択肢もあるため、解くまでに時間が少しかかると思います。
このような資料読み取り問題は、必ずヒントが隠されていると思ってください。
見た瞬間のイメージで難しそう・・・と圧倒されてしまうかもしれませんが、まずはしっかりと図や表のポイントは何なのかを読み取っていきましょう。
選択肢も冷静に紐解いてみてください。
【文章記述問題の成否は高得点をとれるかどうかにつながる】
2024年度も3題の記述が出題されました。
おそらく2025年度も記述が減ることはないと思われます。
理由は、マークシート方式になったからです。マークシートになったことで、問題への負荷が減少した分を記述でリカバーしていく必要性があるからです。
つまりは、高得点を狙う、上位校を受験する場合には、その成否が重要になってきます。
↑例えば このような記述です。
ロシアの住宅についてまとめたレポートの一部である。文中の□□□□に当てはまる適当なことばを「永久凍土」「建物」の二つの語を用いて20字以内で答えなさい、という問いでした。
「ロシアなどの冷涼な地域では、建物から出る熱が□□□□ことを防ぐために、高床になっている住居が見られます」
この□□□□の中に20字以内で説明です。
いかがでしょう。
たんに用語を知識として覚えているだけではなく、その用語の背景やその影響について少し深く学習しないと回答が難しいような問題です。
【時事問題にも目配りを】
千葉県入試では、毎年、時事問題が出題されます。
今年は新紙幣が発行されましたが、少なくとも1000円札、5000円札、10000円札に描かれた歴史上の人物たちの名前、および何をやった人たちなのかなどは把握しておきましょう。
他にも
初めて発令された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表であるとか、
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したことであるとか・・・
マイナス金利の解除などもありましたね。
また、スポーツの祭典であるオリンピックやパラリンピックなどの出来事も大変重要です。
【社会の効果的な学習法】
社会を「学問」として捉えると、
覚えることが多すぎて面倒~・・・こうなってしまいがちです。
覚えようとするから嫌になるのです。
覚えなくちゃいけないという呪縛から解き放たれてください。
単元学習が十分に効果を発揮しますから、たくさんある単元を分けて考えていきましょう。
その際に、有効なのは、ワーク系教材です。
●地理は、絶対出る「地形図」と資料読み取りに注力(資料集を活用しよう)
●歴史は、全体の流れを押さえるために教科書の流し読みが効果的!
●公民は、より近現代の内容なので重要語句を覚える!
●スマホのyahooニュースを毎日チェックし、出そうな時事は覚える!
【平均点推移】
R3年・・・57.7点
R4年・・・56.3点
R5年・・・54.5点
R6年・・・57.5点
このように社会の平均点は比較的安定しています。
R6年で一番平均が高かったのが理科の59.1点、ついで社会の57.5点です。
理科同様、点数源にできる可能性が高い教科ですし、
やればやるほど点数が上がる実感が確実にもてる教科でもあります。