2023.03.22
城南コベッツ 京成中山教室です。
先日、「千葉県の高校受験における国語の難しさ」について書かせていただきました。
「千葉県の国語は時間との勝負!」
「時間配分を見定め、焦らずに取り組むことが重要!」
といった内容でした。
特徴的な問題として取り上げたのは「聞き取り検査」と「条件付き作文」でした。
この二つも対策は必要だと思いますが...
国語の試験で勝つうえで一番対策を講じなければならないのは、やはりメインの
「長文読解問題」でしょう。
◆長文読解において必要な基礎力
これは「語彙力」と「文法力」の二つです。
そもそも文中に登場する単語の意味が理解できなければ、何について書かれているか
十分理解することは難しいです。
また、単語の知識が十分でも文法の知識に乏しいと論理展開を正しく把握するのが
難しくなります。
「語彙力」と「文法力」の両輪が揃って初めて長文の内容理解がスムーズ出来る様に
なります。
しかしながら、国語が苦手と言って学習に取り組む際、こうした「言語の知識」を
無視していきなり読解問題を始める生徒さんがよくいらっしゃいます。
この場合、「文章を読む下地の知識」が不十分なので、
「文章の内容がよく理解できない→問題が解けない→モチベーションが下がる→苦手意識」
といった望ましくない状況に陥りがちです。
長文問題を解いていて...
・わからない言葉が頻繁に出てくる。
・接続詞、助詞、連体詞といった文法用語の意味が分からない
・長文で結局、何が言いたいのかいまいちピンとこない
こういった状況になった場合、明らかに脳が「言語知識のインプット」を欲しています。
◆読書をしている人が長文読解に強い理由
「読書をする人は国語の成績が良い」というイメージはよく言われます。
必ずしもそう言えるというわけではありませんが...
実際、読書をすることで「有利になる点」はいくつかあります。
①漢字力、語彙力が上がる
前述の通り、長文読解で欠かせない力の一つです。
これが読書によって自然に身に付くのは非常に大きいと思います。
②「長文を読む」という事に対する慣れ
言葉や文法知識が豊富であっても、「集中して長い文章を読むこと」は慣れていないと
結構難しいです。
その点で普段から読書をしている人は、「長文を読むことに慣れている」場合が多く、
国語の試験の長文程度は集中力を切らさず読み切ることができます。
また、読むスピードも読書習慣の無い人に比べて速いので、限られた時間で勝負する
国語の試験においてかなり有利に働くでしょう。
③文章から「内容をイメージする力」が身に付く
特に小説・物語的文章を読んでいる時に顕著ですが、読書慣れしている人の脳内では、
「文章を追う」ではなく「文章から得た情報を基にイメージを動かしている」
という事をしています。
登場人物が脳内で文章の通りに動いている像が見えるわけですね。
この感覚は、ストーリーがあることが前提である「古文・漢文」や現代文の「物語的文章」
を読み解く上で大きなアドバンテージになります。
また、説明的文章においても「事例のイメージ」や「文章の流れの図式化」等応用の利く
力でもあります。
こうした点から読書をすることのメリットは大きいです。
◆文法学習で躓きやすいポイント
①文節同士の関係性(特に「修飾→被修飾」「並列」「補助」の3点)
文節同士の関係性がわからないと「文章における主述関係」という根幹の読解もあやふやに
なり、正しく意味が理解できません。
②「副詞・連体詞・形容詞・形容動詞」
これら4つの品詞は、働きが良く似ており判別が難しいです。
「修飾対象の品詞」や「語尾の形」で共通点と相違点があるので、そこで見分けましょう。
③連体修飾語(連体詞)と連用修飾語
同じ修飾語ですが、文中での働き(機能)が違います。
これは言葉の意味から判断しましょう。
連体修飾語→「体言(=名詞、代名詞)」に「連なる」、修飾語
連用修飾語→「用言(=動詞・形容詞・形容動詞)」に「連なる」、修飾語
連体詞→あくまで連体修飾語の中の一種
「連体詞は連体修飾語に含まれるが連体修飾語とイコールの関係ではない」
④助詞と助動詞
どちらも「付属語=ほかの言葉にくっついていないと存在できない言葉」です。
違いは「助詞=活用しない(形が変わらない)」「助動詞=活用する(状況に応じて形が変わる)」
⑤「尊敬語と謙譲語と丁寧語」
「3つの違いが判らない」というのがよくある質問です。
「尊敬語=相手の動作を変化させることで直接上げる」
「謙譲語=自分の動作を変化させることで自分を下げて、相対的に相手を上にする」
「丁寧語=文章に添えて丁寧さを表現する(尊敬語や謙譲語とは扱いが違う別物)」
いかがでしょう。
言ってみれば「語彙力=基礎体力」「文法力=基礎技術」といったところでしょうか。
そこに「文章を読む経験」「文章からイメージする力」が加わり総合的な国語力を形成していきます。
国語が苦手な皆さんは、まず「言葉の知識」を磨いてみましょう!
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