2023.10.02
4回目は大和高校の合格の目安についてのご紹介です。
大和高校は偏差値としては63~65という難易度を誇る、いわゆる難関校の1つです。
現在の神奈川県の公立高校は、県内に在住であればどこの高校でも選べますが(横浜、川崎の一部の市立高校は学区があり、他学区から受験の場合は人数制限があります)、以前は学区というものがあり、大和高校は旧学区のトップ校にあたります。
現在では、学区という言い方はしないものの、いわゆる「県央地区」では厚木高校に次ぐ難易度の高校にあたります。
倍率としては過去3か年の平均では約1.46倍となっており、非常に高倍率の学校になります。
他の地区の同程度の高校で同じ数値を取ってみると、
希望ヶ丘:1.46
光陵:1.32
横須賀:1.21
鎌倉:1.39
相模原:1.22
小田原:1.23
となっており、人気の高さがお分かりになると思います。
さて、ではここで、合格の目安をご紹介すると
内申:123/135 入試点:415点/500点
内申123は3で割ると41ですので、1回の内申で5が5つ、4が4つという数値です。
旧学区トップ校を受験するのであれば、40という内申は最低条件かと思います。基本的に5という内申は学校のテストで90点以上は取りたいところです。80点台で5がつくこともありはしますが、80点後半で、授業の小テストでしっかり得点し、提出物が完璧であれば、3年2学期に5が付くということは比較的見られるケースではあります。
内申が40を超えるためには技能教科でも5が付く必要がありますが、これらの教科では定期テストはもちろんのこと、実際の技能がすぐれていないと5がつきません。なお、技能テストが非常に優れていれば定期テストで多少点を落としてしまっても5がつくことは非常によく見られますが、逆に定期テストが9割を超えても、実際の技能面で苦手なものでは、3がついてしまうということもありますので、ある意味これは割り切ってしまうしかないように思います。
そうなると、技能教科で5を取れない場合には旧学区トップ校には行けないのかというとそうではありません。
神奈川県の入試では、第2次選考という形で、主に当日の入試点で合否を決める制度があるので、旧学区トップ校を受験する場合は第2次選考を利用することを考える人も多いとは思います。(第2次選考の詳細はここでは割愛いたします)
とはいえ2次選考を踏まえて受験するとなるとかなりリスクが上がりますので、私立高校の併願をしっかりと考えて受験することにはなるでしょう。
入試点415点は5教科平均83点です。これをさらに5教科ごとの目標点を決めることになりますが、400点を越えてくる場合の目標設定は中堅校の場合とはかなり異なります。
中堅校の場合は基本的に、国語と数学の目標点を設定し、他を決めるというようにすることが多いですが、旧学区トップ校受験する場合は、9割をどの教科でとるのか、というのがポイントになってきます。
まず、9割を一番取りやすいのは国語かと思います。国語は多くの年で一番平均が高くなり、満点が出やすい教科でもあるため、国語の9割は死守することになります。
次に9割を狙うなら英語でしょう。全体的な視点で見ると5教科の中では平均が低くなることが多く、決して易しいテストではないのですが、出題形式が比較的固定化されていることを考えると、トップ校受験者にとっては、極端に難易度の高いものではありません。
ですので、この2教科で90点ずつというのは基本的な考え方になるでしょう。
さて、残りの教科ですが、ここで一つ大きなポイントになる教科があります。やはり数学です。
神奈川の数学は70点を越えられるかどうか、というのが大きな課題となります。始めに5教科平均83点と書きましたが、70点を取るのでさえ実は大変なので、国語の貯金は大きくなりますし、数学が苦手な人は英語でのさらなる貯金はある意味必須です。
そして数学は正答率5%前後の問題が毎年3問出題されますが、これらは1問5点なので、9割を目標というのは、基本的には「神奈川の数学は余裕」と言える人だけです。高く設定しても8割、基本的には70点か、75点目標というのが現実的ではないでしょうか。
実際の合格者は5教科の中で数学が一番低いという人は非常に多く、数学が60点台で他の教科で高得点を取って合格というのは普通の合格のパターンです。
最後に理科・社会ですが、これらは実は毎年難易度が変動しやすく、目標点通りに行きにくいのがこの2教科です。ただ近年は易し目になっている印象もありますし、上記のように基本的には数学が一番低くなることがおおいので、これらの教科は8割を基本ラインで考えるのが良いでしょう。
これらをまとめると5教科それぞれの目標は以下のような点を軸に考えるとよいと思います。
英語:92点 数学:70点 国語:93点 理科:80点 社会:80点
端数の5点は上記では、英語と国語に振りましたが、特に大きな意味はありません。英語・国語に比べて理科・社会が得意であればそちらに回すことになるでしょう。
英語がやや苦手で9割にのらない場合は、基本的には理科や社会で補うことになりますが、少なくとも9割を超えられる教科を2教科、ないし3教科つくる、というのがこの難易度帯の学校を受験する際の対策となるでしょう。
なお、大和高校では特色検査を実施しています。大和高校の場合はS値1000点に加えて100点分を追加して合否を判断しています。特色検査の詳細、内容はここでは割愛しますが、およそ100点満点で50点を取れていれば、他の受験生に大きく劣ることはありません。明確に頻出問題があるわけではないので、対策が取りづらいのが原因ですが、過去問を解きながら、柔軟な対応ができるように練習していくことが大切です。共通問題では英語の長文問題が出題されることがおおいので、この対応は不可欠です。
大和高校の選考基準は内申:入試点で4:6となっています。内申の不足分を補うのに入試で2.46点多くとればよい計算です。
上記の目安では内申41というように紹介しましたが、これが内申オール5だとすると、135ポイント中では12ポイント分のプラスとなるため、2.46×12=29.52となり、本番で約30点分余裕ができることになります。これは5科目で400点を切っても合格の可能性があるということになります。大和高校を受験する生徒さんの中には高内申の生徒さんが基本的には多いので、こういった点は目標点決定の際には大きく影響すると思います。
大和高校の受験をお考えの方は是非ご参考になさってください。
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