城南コベッツ綾瀬中央教室

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2023.10.02

4回目は大和高校の合格の目安についてのご紹介です。

大和高校は偏差値としては63~65という難易度を誇る、いわゆる難関校の1つです。
現在の神奈川県の公立高校は、県内に在住であればどこの高校でも選べますが(横浜、川崎の一部の市立高校は学区があり、他学区から受験の場合は人数制限があります)、以前は学区というものがあり、大和高校は旧学区のトップ校にあたります。

現在では、学区という言い方はしないものの、いわゆる「県央地区」では厚木高校に次ぐ難易度の高校にあたります。

倍率としては過去3か年の平均では約1.46倍となっており、非常に高倍率の学校になります。
他の地区の同程度の高校で同じ数値を取ってみると、
希望ヶ丘:1.46
光陵:1.32
横須賀:1.21
鎌倉:1.39
相模原:1.22
小田原:1.23
となっており、人気の高さがお分かりになると思います。

さて、ではここで、合格の目安をご紹介すると

内申:123/135 入試点:415点/500点

内申123は3で割ると41ですので、1回の内申で5が5つ、4が4つという数値です。
旧学区トップ校を受験するのであれば、40という内申は最低条件かと思います。基本的に5という内申は学校のテストで90点以上は取りたいところです。80点台で5がつくこともありはしますが、80点後半で、授業の小テストでしっかり得点し、提出物が完璧であれば、3年2学期に5が付くということは比較的見られるケースではあります。

内申が40を超えるためには技能教科でも5が付く必要がありますが、これらの教科では定期テストはもちろんのこと、実際の技能がすぐれていないと5がつきません。なお、技能テストが非常に優れていれば定期テストで多少点を落としてしまっても5がつくことは非常によく見られますが、逆に定期テストが9割を超えても、実際の技能面で苦手なものでは、3がついてしまうということもありますので、ある意味これは割り切ってしまうしかないように思います。

そうなると、技能教科で5を取れない場合には旧学区トップ校には行けないのかというとそうではありません。

神奈川県の入試では、第2次選考という形で、主に当日の入試点で合否を決める制度があるので、旧学区トップ校を受験する場合は第2次選考を利用することを考える人も多いとは思います。(第2次選考の詳細はここでは割愛いたします)

とはいえ2次選考を踏まえて受験するとなるとかなりリスクが上がりますので、私立高校の併願をしっかりと考えて受験することにはなるでしょう。


入試点415点は5教科平均83点です。これをさらに5教科ごとの目標点を決めることになりますが、400点を越えてくる場合の目標設定は中堅校の場合とはかなり異なります。

中堅校の場合は基本的に、国語と数学の目標点を設定し、他を決めるというようにすることが多いですが、旧学区トップ校受験する場合は、9割をどの教科でとるのか、というのがポイントになってきます。

まず、9割を一番取りやすいのは国語かと思います。国語は多くの年で一番平均が高くなり、満点が出やすい教科でもあるため、国語の9割は死守することになります。

次に9割を狙うなら英語でしょう。全体的な視点で見ると5教科の中では平均が低くなることが多く、決して易しいテストではないのですが、出題形式が比較的固定化されていることを考えると、トップ校受験者にとっては、極端に難易度の高いものではありません。

ですので、この2教科で90点ずつというのは基本的な考え方になるでしょう。

さて、残りの教科ですが、ここで一つ大きなポイントになる教科があります。やはり数学です。

神奈川の数学は70点を越えられるかどうか、というのが大きな課題となります。始めに5教科平均83点と書きましたが、70点を取るのでさえ実は大変なので、国語の貯金は大きくなりますし、数学が苦手な人は英語でのさらなる貯金はある意味必須です。

そして数学は正答率5%前後の問題が毎年3問出題されますが、これらは1問5点なので、9割を目標というのは、基本的には「神奈川の数学は余裕」と言える人だけです。高く設定しても8割、基本的には70点か、75点目標というのが現実的ではないでしょうか。

実際の合格者は5教科の中で数学が一番低いという人は非常に多く、数学が60点台で他の教科で高得点を取って合格というのは普通の合格のパターンです。

最後に理科・社会ですが、これらは実は毎年難易度が変動しやすく、目標点通りに行きにくいのがこの2教科です。ただ近年は易し目になっている印象もありますし、上記のように基本的には数学が一番低くなることがおおいので、これらの教科は8割を基本ラインで考えるのが良いでしょう。

これらをまとめると5教科それぞれの目標は以下のような点を軸に考えるとよいと思います。

英語:92点 数学:70点 国語:93点 理科:80点 社会:80点

端数の5点は上記では、英語と国語に振りましたが、特に大きな意味はありません。英語・国語に比べて理科・社会が得意であればそちらに回すことになるでしょう。

英語がやや苦手で9割にのらない場合は、基本的には理科や社会で補うことになりますが、少なくとも9割を超えられる教科を2教科、ないし3教科つくる、というのがこの難易度帯の学校を受験する際の対策となるでしょう。

なお、大和高校では特色検査を実施しています。大和高校の場合はS値1000点に加えて100点分を追加して合否を判断しています。特色検査の詳細、内容はここでは割愛しますが、およそ100点満点で50点を取れていれば、他の受験生に大きく劣ることはありません。明確に頻出問題があるわけではないので、対策が取りづらいのが原因ですが、過去問を解きながら、柔軟な対応ができるように練習していくことが大切です。共通問題では英語の長文問題が出題されることがおおいので、この対応は不可欠です。

大和高校の選考基準は内申:入試点で4:6となっています。内申の不足分を補うのに入試で2.46点多くとればよい計算です。

上記の目安では内申41というように紹介しましたが、これが内申オール5だとすると、135ポイント中では12ポイント分のプラスとなるため、2.46×12=29.52となり、本番で約30点分余裕ができることになります。これは5科目で400点を切っても合格の可能性があるということになります。大和高校を受験する生徒さんの中には高内申の生徒さんが基本的には多いので、こういった点は目標点決定の際には大きく影響すると思います。

大和高校の受験をお考えの方は是非ご参考になさってください。

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2023.09.19

3回目の今回は有馬高校の合格の目安についてご紹介します。

偏差値ではおよそ47~49という表記が多く、難易度としては中間の難度になると思います。
立地としては海老名から7分ほど相模線にのり徒歩で10分強ほどの距離にあり、比較的通いやすい場所にあるため、県央地区の方たちだけでなく、小田急沿線の方たちであれば、一度は検討の候補になることが多い学校になるかと思います。なお、当教室は綾瀬市の教室ですが、当教室にお通いの生徒さんたちで、自転車で通うこともできるということで、検討に入れる方は少なくありません。

近年の倍率は1.1倍前後になることが多く、倍率としては高くはないものの、最近2年は倍率が少しずつ上昇していますので、油断せずに準備したいところです。

ではここで、目安の数値をご紹介します。以下の数値としてみました。

内申:93/135 入試点:265点/500点

内申93は3で割ると31ですが、1回の内申で、3が5つで4が4つ(オール3に4が4つ)というイメージです。

ここで一つ有馬高校は内申について一つポイントがあります。それは英語の内申が1.2倍されて合否決定に使われるということです。(これを重点化と言います)
したがって、英語の成績は少なくとも4にしておきたいところです。

※重点化は各高校が学校の方針に合わせて一部の教科に比重をかけることができるものです。有馬高校は英語教育に力を入れており、その表れとなっております。

先の記事でも紹介していますが、4はおよそ学校の定期テストで8割程度が欲しいところですが、提出物や授業の小テストの得点がしっかりしたものとなっていれば定期テストが7割でも4がつくことは十分にあるでしょう。合格の可能性が上げていくのであれば、9教科の中でできることなら4の方が多いというようにしておくとより良いと思います。

定期テスト7割~8割というのは、基本的には平均点を上回った点数になるので、学校の教科書やワークに掲載されている問題をしっかり練習し、章末問題などで実力をつけていくことが大切です。8割を目指すのであれば教科書などだけではやや不足するイメージもありますが、少なくとも教科書掲載の問題を時間かけることなくスムーズに解けるようにしておければ、50点台になってしまうということはないように思います。

一方、入試点270点は5教科平均で53点です。各教科の難易度を踏まえた5教科の内訳の目標は次のようなイメージです。

英語:55点 数学:50点 国語:65点 理科:50点 社会:45点

各教科の目標点は以下の順番で決定しました。

国語がまず得点しやすいので、有馬高校合格のレベルであれば65点から70点は取りたい数値です。
次に英語と数学ですが、有馬高校を目指す方は英語を得意としている、もしくは英語が好きな方が多いので、英語である程度点を取るということを目標にしたいところです。数学は頻出問題を確実に正解していくことでこの点数を実現したいところです。(数学の点の取り方についてはこちらの記事をご参考にしてください)
英数国で175点ですので、残り95点を理科社会で分散して設定しました。理科と社会の得意不得意で決めることになるでしょう。

どの教科を軸に目標点を決めるかは個人差はあるとは思いますが、この難易度帯の学校を受ける場合には、基本的には国語・数学できちんと狙った得点を取り、難易度が変わりやすい理科・社会は合計が目標点に達すればよいというように考えるとよいでしょう。

なお、1つご紹介しておくと、全県平均(合格者平均)が近年は280点台~300点程度にになっており、過去のもの踏まえても基本的には270点~290点台になるように作られている印象です。有馬高校は偏差値的に50よりやや下という位置づけになっていますから、全県平均を目標に頑張るというのも良いと思います。


有馬高校の内申と入試点の比率は5:5になっており、これは実は昨年までの内申:入試点:面接=4:4:2という制度と変わっていないことを意味します。ですので、有馬高校の場合は面接の廃止に伴う大きな変更はない入試になります。

なお、5:5の学校では内申1ポイント分が入試点3.7点に相当します。中3生の場合は内申が1変わると2ポイント分(135ポイント中)になりますので、この点は頭に入れておきたいところです。

以上、有馬高校お考えの方はご参考にしてください。

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【過去の難易度紹介】

1.海老名高校

2.綾瀬高校

2023.09.14

第2回は綾瀬高校の合格の目安をご紹介します。

偏差値としては43~44という難易度の学校です。実倍率としては過去5年を振り返ると以下のようになっています。

2019年 1.00
2020年 1.00
2021年 1.10
2022年 1.02
2023年 1.00

ここでいう「実倍率」は合否が決定したのちに発表される、最終的な倍率です、定員に満たない場合は1.00となりますが、ご覧のように、過去5年では3年ほど定員割れという状態ではあります。

しかし一方で、これは綾瀬高校に限らない話ですが、近年の社会的な不安定の状況(直近のコロナや地震等の不安によるもの)や電車等、交通機関を利用することでの費用面のことから、徒歩や自転車で通うことを選択される方は多いです。特に綾瀬市の場合は駅を利用するためにバスを利用することにもなるため、市内の高校を優先的に考える方が多くいらっしゃいます。

実際に受験をする際には倍率の高低も戦略の一つにはなりますが、きちんと合格できる(と思われる)得点を取れるように学習を進めることが大切です。

前置きが長くなりましたが、ここで合格の目安となる内申と入試点をご紹介します。

内申:87/135 入試点:230点

内申87は1回の内申45のうち、3が7個で4が2個という数値です。オール3に4が2つという形になります。
学校の内申3は比較的広い範囲でつくイメージです。定期テストでは50点台~70点台くらいで3がつくことが多いですが、提出物の状況により、40点台になってしまっても3がつくこともあるでしょう。70点台で4が付くこともしばしばですが、逆に授業態度や提出物等により3がつくことも多いです。

したがって、基本的には学校のテストで平均点や中央値(学校によって公表される数値が異なるかとおもいます)の点を取り、提出物をしっかりと出していると内申が30前後になるかとおもいますので、綾瀬高校を希望するという場合には、普段のやるべきことをしっかりやり、きちんと復習をしていく、ということが大切になります。

入試点230点は5教科平均46点となりますが、神奈川県の入試は5教科で難易度が異なり、綾瀬高校を目指す場合には、国語と数学できちんと目標点を取ることが重要となります。

数学というと難しいイメージがある人も多いかと思いますが、実は神奈川県の数学は計算問題や毎年繰り返し出題されるパターンの問題で50点程度を取ることは十分可能です。

また、国語は比較的点が取りやすい教科になっており、出題される形式がほぼ毎年同じなので、60点程度を目指したいところです。

この2教科で110点となりますので、230点に対して残り120点となります。

つまり、

英語:40点 数学:50点、国語:60点、理科:40点、社会:40点

というのが各教科の目安の目標点となります。

得意教科や不得意教科のバランスで目標点を変える際には、基本的には数学と国語で110点、英語と理科と社会で120点をというのを固定として考えたほうが学習もしやすいでしょう。理科と社会は難易度が上下しやすく、英語はここ数年難易度が高いため、数学と国語で点をしっかり稼ぐという学習の仕方がおすすめです。

最後に、内申と入試点の比率について確認いたします。

2024年入試から各高校で変更になった比率は綾瀬高校では内申:入試点=6:4という比率を採用しました。

これは、仮に内申が1ポイント不足した場合に、入試本番で5.55点分を多くとれば挽回できる計算です。

先に書いた例では1回の内申が29というようにしてありますが、これがオール3の27になった場合は27×3=81となり、135ポイント中で言うと6ポイント不足することになります。

5.55×6=33.3点

ですので、この点を余計にとることを考えると比較的大変になることがわかると思います。

これは逆に言えば、内申に余裕があればこの分、本番の際に余裕が出るということになります。

綾瀬高校をはじめとする6:4の学校を受験する場合には、この点を把握しておくことが大切です。




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【過去の難易度紹介】

1.海老名高校

2023.09.09

自分の志望校は何点取れば合格するのか、非常に気になることかと思います。そこで、このシリーズでは綾瀬市近隣(当教室が綾瀬市にあるため)の公立高校について、合格するために内申がいくつあればよいか、本番で何点取ればよいのか、5教科それぞれどのくらいの点を取ればよいのか、という目安をご紹介してまいります。

なお、基本的には合格可能性70%程度を想定して書いていますので予めご了承ください。
また、ここであげる数値は、過去に指導させていただいた生徒さんの集計(この記事の著者個人が)および模試のデータ等を鑑みた数値となっておりますが、多少受験情報誌等との数値と異なることもございます。



第1回目の今回は海老名高校です。

偏差値にしておよそ60程度の入学難易度が高い学校になります。この高校は県央地区の学校になるので、県内のいろいろな地域から受験生が集まるため、毎年倍率も1.3倍程度になり、全県平均の倍率よりも高い人気校です。

その海老名高校に入学するための目安の合格基準は以下のようになります。

内申:114/135  入試点:370点/500点

内申114は、9科目中7科目が4、2科目が5という数値です。内申で4が付くためには、定期テストではおよそ8割を安定して得点できるようにすることが大切です。普段の学校の小テスト(があれば)で高得点を維持していると、定期テストで7割代になっても4が付くこともおあるようですが、その後の入試を考えれば、範囲のわかっている定期テストでは8割以上は確実に得点できるようにしておく必要があるでしょう。

内申5は9割以上を安定して得点できればつくことが多いです。自分の得意教科では必ず5を付ける、というような学習の仕方が必要です。この難易度の学校に合格するためには得意教科は1つでは足りませんので、内申の面でも5を2つというのはある意味最低限のように思います。

さて、入試点370点は、5教科で平均すると74点となります。ただし、神奈川の入試問題は5教科で難易度のばらつきがあり、国語が5科目の中で安定して高得点を狙いやすい教科であることから、海老名高校を合格するようなケースの場合、国語では高得点になることが多いです。

これを考慮に入れると、370点を取るために各教科目指したい5教科の得点は、

英語:75 数学:70 国語:85 理科:70 社会:70

のようになると思います。

これをそれぞれ得意教科に合わせて変えてもらえればよいでしょう。なお、数学を8割にするというのは比較的難しく、他の教科を8割にするよりは難しい印象です。標準問題をミスなく解けば8割までは引き上げられますが、少なくとも英語を8割にする方が一般的には易しいはずです。この辺りは過去問や模試を解きながら目標設定をするとよいでしょう。

また、理科・社会は大きなポイントで、これらの教科は年によって難易度が上下するため、基本的には広くそして多少深く学習していくことが大切です。上記では7割ずつで統一しましたが、できることなら理科または社会のどちらか得意な教科で8割を超えるような学習をしたいところです。

近年では神奈川県の入試問題は過去の傾向以外の問題が出題されることも少なくないため、神奈川県以外の入試問題を解くことがおすすめです。理科や社会で他の都道府県(場合によっては日本全県)の公立高校の問題を解く、などとすると力が付くでしょう。

さて、ここで一つ来年度の受験では海老名高校の受験に関して、大きなポイントがあります。

今年の中3から面接が共通でなくなったことに伴い、内申と入試点の比率が変更になりましたが、海老名高校は来年の入試では、

内申:入試=3:7

という比率を採用しました。これは計算上、

内申1(ポイント)分は入試点で1.58点分に該当

となります。

これは、たとえば上記の目安例を使って説明すると、仮に内申がオール4(108/135)の生徒さんは、目安に対して6ポイント足りません。この分を入試点で

1.58×6=9.48点

挽回すればよいということになります。
基本的には神奈川県の入試問題は最低2点問題からとなっているものの、その多くは3点~5点が基本的な配点です。すなわちこの9.48点はおよそ2、3問分に該当するため、多少の内申不足分は十分に本番で挽回できます。

内申が多少不足している場合に、海老名高校をしている場合には把握しておきたいことになります。

来年受験を迎える皆さんはもちろん、今後受験を控える方や、志望校をこれから決めるという皆さんにもぜひ参考にしてもらえればと思います。

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2023.09.05

神奈川の県立高校入試の英語の問題は冒頭に必ずリスニングの問題があります。約10分の問題なのですが、例年7問ほど出題され、21点にもなる箇所なので、ここの結果が大きく点数を左右することになります。ですが、英語の苦手な人は、リスニングは急にできるようにならない、という思いから

「リスニングは無理」「リスニングは捨てる」

などと言ってしまいがちです。

ですが、実のところ、問題にもよりますが正答率が6割~7割になる問題もあるため、多くの受験生がリスニングできちんと正解していることがわかります。

これは問題自体が易しいから、というのもあるかもしれませんが実は、

神奈川のリスニング問題は2か月程度対策すればである程度得点できるようになる

からでもあります。

全問正解するとなると、2か月では難しいかもしれませんが、すくなくとも終盤の2か月程度できちんと対策すれば、半分以上は取れるようになることが多いです。

これは実は「リスニング力」を上げる、ということでなく、「リスニング問題を解き方を身につける」、ということで実現可能です。

ということで、ここでは出題内容を踏まえた対策法をご紹介します。これから過去問を練習してく人も多くいるはずですが、リスニングが苦手な人はもちろん、リスニングでしっかり得点したい人もぜひ参考にしてください。

まずは、設問別に問題の「解き方」を確認していきましょう。


■設問ア 対話を聞き、そのあとに続くセリフとしてふさわしいものを選ぶ問題

1. 「先読み」をしましょう

まずこの問題を解くために重要なことがあります。それは、

リスニング問題が始まった瞬間に、はじめのアナウンスは聞かず選択肢に目を通す

ことです。これをいわゆる「先読み」という言い方をしますが、ここの設問は3問あり、できるだけ選択肢に目を通し、内容を覚えておくことです。

このとき、すべてを「全訳」していると間に合わなくなるので、それぞれの文の「違い」に注目してポイントをチェックします。線を引いておくなどとしておくとよりよいでしょう。

たとえば、選択肢が以下のようになっているとします。

1. I 've been studying it for five years.
2. I studied it in the library yesterday.
3. I study it with my friends.
4. I usually study it at home.

この例ではstudyは共通しているので、主な違いは期間、場所、一緒に勉強した人です。なお、実は時制が違うので、その点も意識できるとなおよいです。

こういったところを確認しておいた上でリスニングの音声を聞くようにすると注意力があがり、より集中して聞くことができます。

リスニング問題に慣れていないと、ただ待っているだけで問題が始まるということになってしまいますので、こうした対策が重要となります。


2. 直前の質問に全集中~疑問文に対するチェックポイントを持ちましょう。

ここは対話を聞いて、それに続くセリフを答える問題ですが、直前の分は基本的には疑問文です。実のところ、それまでの音声を多少聞き逃してもこの直前の疑問文が聞き取れれば正解できることが多いです。逆に言えば、それまでは聞けていても直前の疑問文を聞き逃すと正答の確率が下がってしまいます。

そこで、この直前の疑問文のチェックポイントがあります。これを意識するだけでもある程度選択肢を消去できますので、ぜひ頭に入れてください。

・Yes/No疑問文か
・疑問詞疑問文か?
・時制(現在・過去・未来)は何か?

あげれば他にもありますが、大きなポイントはこの3点です。

Yes/No疑問文とは、Do you~?やCan you~?などの文のことで、その返答がYesまたはNoとなるものです。ですので、直前の疑問文がこれらの形になっていれば、基本的にはYesかNoで始まることがおおいので、選択肢の中に、これらで始まっていないものが混ざっていれば消える可能性があります。(※YesやNoでこたえなくても返答している場合は答えになることがありますが、中学生の公立高校の入試ではこの可能性は低いように思います)

当然4択ですので、YesやNoが2つずつになっている場合もあります。この場合、人が違ったり、Yesとは書いてあるものの、内容的に反することを書いてあるケースがありますので、この点をよく確認しながら選ぶことになります。

一方、疑問詞疑問文とは、What do you~?Where do you~?などで始まる文のことです。ですから、疑問詞の意味はすべて覚えたうえで、ここに注目して選択肢を見るといくつかの選択肢が消えることになります。

さきほどの例、
1. I 've been studying it for five years.
2. I studied it in the library yesterday.
3. I study it with my friends.
4. I usually study it at home.
で、もし直前の疑問文がWhereから始まる文であれば、当然答えは2か4となりますし、How long~というように聞かれていれば、1が正解になりそうですよね。

時制についても大きなポイントです。もし直前の疑問文が過去の疑問文であれば、それだけで、先ほどの例では2であることがわかってしまいます。


ここで重要なことがもう一つ。リスニングが苦手な人は意識したいポイントがあります。
それが、

3. 直前の疑問文のはじめの3~5単語までを頑張って聞き取る!

前にかいた2つ目のテクニックは、直前の疑問文の前半だけで判断することができてしまいますので、たとえば、

Where did you・・・・・・

というように3単語だけでも聞き取れれば、疑問詞も、時制も確認できてしまいます。リスニング問題に自信がない場合でも、まずはこのことから練習するだけでも得点できるようになりますので、頑張って練習してみましょう。

■設問イ 対話の内容に関する質問に答える問題

まずここでも、「先読み」をしておきたいところです。

できることなら、アの設問が終わったらすぐに先読みを始めたいところです。実はイの問題のアナウンスが始めってから、「問題イの指示を読みなさい」というように少しだけ間があるので、この時間を有効に使いたいところですが、その前から先読みを始めましょう。

設問イでは質問文が印刷されていますので、これは必ず頭に入れておき、先ほど同様選択肢の違いに注目します。

そしてここの問題のポイントがあります。

選択肢がどのように作られているかを知っておきましょう。

設問イはア以上に選択肢が似ているように作られています。音声中に出てくる言葉を混ぜて作ってあるので、その点を意識して音声を聞くと答えられやすくなります。

例えば音声で、
「ケンは昨日図書館で勉強した。エミリーは昨日、バイオリンの練習をした。」
という内容を言っているとします。

選択肢はたとえばこのように作られます。
1. ケンは明日図書館で勉強する。
2. エミリーは昨日図書館で勉強した。
3. ケンとエミリーはバイオリンの練習をした。
4. エミリーはバイオリンの練習をした。

このように、放送の内容を混ぜる形で選択肢が作られているので、何かある言葉を言っていたからそれを選べばよい、というようにはなっていません。

その分、この設問イはややアよりしっかり内容を聞き取れないと答えられないようになっています。

ですので、多くを聞き取れない場合は、今誰のことを言っているのか、というところを意識して聞くようにすると正解できるようになってくるでしょう。

この設問イでは時間や場所の違いについてもよく出題されますので、選択肢にふたつ時刻が載っている、などの場合、放送ではどちらも言っていることがありますので、だれが、いつのという視点で聞くことになります。

こういった点はリスニングがいつも半分くらいとれて、さらに点を高めたいという人が意識すると、より確実に点を取れるようになります。


■設問ウ スピーチの内容を聞いて表や図などを埋める問題

この問題が「先読み」が効果は発揮する部分です。No1の問題では表や図の穴埋め問題が出題されますので、表や図と選択肢を見ながら、何に注目して聞くべきかを意識する必要があります。ただし、この設問ウでは20秒間の準備時間が与えられますので、先読みをする時間は十分にあります。逆にここを先読みしないで終えることのないように、あらかじめ形式を知っておくことが大切ということになります。

基本的には音声で言っているまま答えることが多いのですが、1つ大切なポイントがあります。

選択肢の言い換えを予想しましょう

問題によっては音声をいいかえたり、違う言い方をした選択肢を選ぶことがあるのを踏まえたうえで、この予想をすることが大切です。

たとえば、
選択肢に「Sunday」「Friday」などとある場合
音声では「weekend」のように言い換える可能性がある

選択肢がその日の授業の数を答える問題の場合、
音声では具体的に「English」「Science」「Japanese」「P.E」と列挙する可能性がある

などです。

こういったことを考える20秒にする必要があります。


■リスニング問題全体で言えること

神奈川のリスニング問題は音声が2回流れます。これが普段からリスニングを練習していなくても、直前の練習で点が上がる大きな要因です。

上記に書いてあることを意識しながら、1回目の段階である程度答えを絞り、2回目でそれを確実にする、というのが基本的な解き方です。

特に設問アやイで2択まで絞れた、という場合に最後の絞り込みをすればより正解の可能性が高まります。


そして、やはり直しが大切です。こういったポイントを踏まえて練習したうえで、間違えた問題をどこで間違えたのか、何が聞き取れなかったのか、ということをリスニング台本を見て確認しましょう。特に設問アの直前の質問で知らない単語があった場合は意味を覚え直すなどの対応が必要です。



こういったことをまとめて、2か月間練習していくと、多くの場合、リスニングの問題で最低限半分は正解できるようになることが多いです。はじめの段階で半分程度取れるという人はリスニングで8割以上ということも終盤の練習で実現可能です。

過去問を購入するとかならず音声CDがついていたりQRコードで音声が聞けるというようになっているはずですので、最低限3日に1回はリスニングの問題を1セット解く、というにすることでも十分です。県入試用の問題集などを用意できるのであればなおよいでしょう。


冒頭にも書きましたが、これは「リスニング力」そのものを上げる方法ではありません。ですが、試験の傾向を知ることで点をあげられるのは、実はリスニングも一緒ということを知っておくとよいでしょう。


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